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低迷するIPO銘柄に投資チャンス

 株式投資には多少の勇気が求められます。
 「赤信号みんなで渡れば怖くない。」などと言いますが、既に割高な位置にあったとしてもみんな良いと言って買っているから私もその株を買おうというのが、株式投資の世界でもよく耳にします。それでも儲かれば良いと割り切って敢えてそうした行動に出て後から振り返ればあの時が売り時だったのに・・。反対に買ってしまったなどと悩むことになる訳です。

 株式投資ではこれとは真逆のこともあります。

 誰も見向きもしない銘柄でも割安だし、面白いビジネスやっているし、株価の位置も低いと思っていても投資しても儲かりそうもないとあきらめてしまい、買わないでいると後から振り返ればあそこが投資チャンスだったといった出来事もある訳です。

 人気化している銘柄についていくべきか、不人気銘柄に投資チャンスを求めるかはそれぞれの投資家の判断に委ねられます。

 株価には天井と底値がつきものですが、なぜ多くの投資家は天井をつかんで後で悔やむのか?反対になぜあの底値で手放したのか?といった経験があるかと思います。

 奥が深い株式投資の世界ですが、今回は直近のIPO銘柄についてのチェックをしてみたいと思います。勇気をもって投資するかどうかは皆様の判断に委ねられますが、過去の経験から見た投資チャンスが内包されている銘柄にチャレンジされますと幸いです。


【銘柄選定のポイント】

1.IPO後の株価が初値後の高値から低位置にある。
2.初値ないし公開価格に接近しているか割れている。
3.今期から来期にかけての業績の見通しで明確に増収増益が示されていること。
4.好財務内容で現状は無配でも将来の配当が予想される。
5.何らかの材料を内包している。
6.PER,PBR、配当利回りなどの指標で割安感があること。
7.中期計画で成長の見通しが示されていること。


【低迷傾向の今年のIPO銘柄】

1.SOLIZE(ソライズ)(5871・S)デジタルモノづくり革新企業
 2月7日公開 公開価格1470円
 初値2020円 高値4900円(2.4倍)
 高値後の安値2115円(5月30日)
 時価2186円 時価総額113.6億円
 3日に東大と共同で金属積層造形プロセスを高速で最適化するためのその場観察の手法を開発したと発表。用途は航空宇宙分野の次世代熱交換器が対象。
 3Dプリンター関連
 初値後に2.4倍まで上昇したがその後は調整の動き。12月決算で前期売上高200.8億円(+12.6%)、営業利益8.85億円(+30.3%)に対し今期は売上高228.76億円(+13.9%)、営業利益9.77億円(+10.3%)を見込む。予想EPS131.5円。
 1Qは売上高54.4億円(進捗率23.8%)、営業利益2.91億円(同29.8%)と底堅い。
 今期予想配当金47円。1Q末実績BPS2175円
 時価予想PER16.7倍、実績PBR0.92倍、配当利回り2.15%。
 2Qを上方修正したが通期は採用の遅れで未達の可能性を示唆。
 1Q末保有現預金76.4億円、無借金経営。
 来12月期の営業利益12億円、EPS157.7円を四季報では予想。


2.VIS(ベリタスインシリコ 130A・G)
 mRNA標的低分子創薬事業
 2月8日公開 公開価格1000円
 初値2001円 高値3475円(+73.7%)
 安値1024円(5月24日)時価1141円
 時価総額74億円
 12月決算。1Q売上高0.32億円、営業赤字0.65億円、通期見通しは売上高6.76億円、営業利益1.44億円
 EPS17.1円 自己資本比率97.6億円 無配。
 時価PER65倍
 パートナー4社(東レ、塩野義、ラクオリア、武田)との共同研究が進展。
 三菱ガス化学とも共同研究契約に向け検討開始。


3.VRAIN Solution(135A・G)
 AI外観検査システム 製造業向けDXコンサル
 2月22日公開 公開価格2990円
 初値5190円(+73.6%)
 3.21高値7890円(初値比+52%)
 6.14安値3130円(高値比▲60%)
 時価3235円 時価総額325億円
 今期予想EPS52.9円 無配
 前2月期売上高14.11億円(+128.5%)、営業利益5.08億円(+690.1%)、今期予想売上高21.15億円(+49.9%)、営業利益7.71億円(+51.8%)
 時価PER61.7倍


4.Cocolive(137A・G)
 不動産向け営業支援クラウドサービスKAIKA自社開発し1000社に提供。AI査定などオプション機能の充実に努める。
 2月28日公開 公開価格1780円
 初値3990円(+142.2%)高値4080円
 ⇒4.17安値1377円(▲66.3%)
 ⇒5.15高値1843円(+33.8%)
 ⇒6.7安値1377円(▲25.3%)
 時価1454円
 時価総額42億円
 前5月期推定売上高10.4億円(+30.3%)、営業利益2.25億円(+60.8%)
 今5月期予想売上高13億円(+25%)、営業利益3億円(+33.3%)
 初値後の高値から4、6月に1377円の安値を2回つける。
 今期予想PER22倍でなお、中途半端な位置にあり、下値模索中ながら反転上昇の可能性も。


5.光フードサービス(138A・G)
 立ち飲み居酒屋を中部地方の駅前にて展開
 2月29日公開 公開価格2660円
 初値5850円(+119.9%)高値6850円(+17.1%)
 ⇒3.11安値3980円(▲41.9%)
 ⇒戻り高値6040円(+51.8%)
 ⇒6.7安値4050円(▲32.9%)
 時価4320円 時価総額43億円
 今11月期予想営業利益3.12億円(+19%)、EPS222円
 時価PER19倍、
 IPO直後の高値から30%余りの調整を見せ2番底形成の動き。


6.STG(5858・G)
 自動車向け、ドローン向けマグネシウム合金部品メーカー
 3月21日公開 公開価格1920円
 初値3215円(+67.4%)⇒高値3910円(+21.6%)
 ⇒4.17安値1825円(▲53.3%)
 ⇒5.31高値2680円(+46.8%)
 時価2432円 時価総額25.1億円
 今期予想EPS224.8円
 予想PER10.8倍 実績PBR1.39倍
 配当利回り1.2% 前期ROE13.5%
 今期予想ROE13.5% 今期予想営業利益3.78億円
 軽量化ニーズの高まりでマグネシウムの需要拡大。
 生産体制構築済みで中長期利益成長見込む。
 タイ、マレーシアの拠点が収益の柱。
 中国の停滞がネックながら今期は増収増益を見込む。
 今期30円配当実施予定。
 前3月期末現預金9.96億円、投資有価証券1.25億円。
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7.ジンジブ(142A)
 高校生特化の新卒支援企業 公開後比較的高値圏で推移
 3月25日公開 公開価格1750円
 初値3980円(+127.4%)
 時価3200円
 高値4100円(3.25)⇒安値2320円(▲43.4%)
 ⇒5.17高値3480円(+50%)
 ⇒6.7安値2644円(▲24%)
 ⇒6.17高値3385円(+28.0%)
 四季報夏号で来3月期の予想EPS386.5円と強気の見通しで株価上昇。


8.イシン(143A)
 企業の自治体向けマーケティング支援
 3.26公開 公開価格1080円
 初値2234円(+106.9%)
 ⇒3.28高値2785円(+24.7%)
 ⇒6.7安値1077円(▲61.3%)
 時価1122円
 時価PER14.3倍、PBR2.2倍
 無配。
 時価総額21.5億円


9.ハッチ・ワーク(148A)
 月極駐車場オンライン管理支援サービス
 3.26公開 公開価格2160円
 初値2815円(+30.3%)⇒高値4015円(+42.6%)
 ⇒4.5安値1891円(▲52.9%)
 ⇒5.14高値2660円(+40.7%)
 ⇒6.14安値1910円(▲28.2%)
 時価1920円
 新四季報では今12月期から来12月期にかけて増収増益を予想
 今期時価予想PER13.6倍。来期予想PER12.7倍
 無配、高PBR(6倍)


10.ソラコム(147A)
 KDDIの持分法会社 IoT向けデータ通信主力
 3.26公開 公開価格870円
 初値1563円(+79.7%)⇒4.2高値2460円(+57.4%)
 ⇒5.30安値1230円(▲50%)
 時価1530円
 コネクテッドカー分野に注力。PERは100倍で成長を先取り。


11.L isB(エルイズビー145A)
 現場作業ビジネスチャット DX化支援サービス
 3.26公開 公開価格1188円
 初値1553円(+30.7%)⇒3.27高値1690円
 ⇒6.14安値780円(▲53.8%)
 時価837円
 建設現場向けビジネスチャットが主力。
 新四季報は今12期営業利益1.5億円(3.9倍)、来12期3.3億円(2.2倍)と拡大予想。
 今期予想PER43倍、来期同17倍。
 無配。


 本日は以上としておきます。
 皆さんもそれぞれに吟味されてみてください。

 それにしてもやはりIPO銘柄投資は骨が折れます。
 しっかりと企業の内容を吟味してからリスクテイクされますことを祈願しております。


(炎)


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