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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」杉村倉庫(9307) 2016/01/26

※このレポートは2016年1月に作成されたものであり、企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

  ◇銘柄研究 杉村倉庫(9307)
  ◇コラム 厳しい下げ相場に動揺しないで投資を継続するために


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◇銘柄研究 杉村倉庫(9307)


 本日は、1895年(明治28年)に個人商店として創立され、1919年(大正8年)に改組されて株式会社として設立された物流企業の杉村倉庫を研究銘柄として取り上げます。


 野村ホールディングスの連結子会社である杉村倉庫は、物流に関する業務、すなわち貨物保管・荷役荷捌等を行う倉庫業及び貨物自動車運送等を行う運送業を中心として、土地・家屋・駐車場等の賃貸を行う不動産賃貸業と、ゴルフ練習場等のサービス業務(=その他の事業)を行っています。

 杉村倉庫の主力営業エリアである大阪市を核とする近畿圏は、人口約2,100万人の一大生産消費圏を形成し、首都圏とともに我が国の産業経済活動の中心です。その上、大阪港はその中心に位置し、陸海空を結ぶ要衝として機能しています。

 杉村倉庫の大阪港営業所は大阪港にあり、さまざまな機能を備え、輸出入貨物をはじめ、あらゆる物流ニーズに対応しています。

 また、大阪港・関空及び阪神高速湾岸線・大阪港線・西大阪線・国道43号線からとてもアクセスが良く、外国貿易の玄関口と都市部を繋ぐ総合物流拠点として重要な役割を担っています。

 杉村倉庫は、好立地にある含み益が大きな土地を活用して、物流トータルサービスを行っています。


 まず本日の研究銘柄として杉村倉庫を選んだ理由を説明します。


1.杉村倉庫は、膨大な含み益を持つ土地を持っていること。

 杉村倉庫は総合物流企業として、創業以来、大消費地である大阪港を中心とした関西圏を中核として、東京都、埼玉県、神奈川県など大都市周辺にも設備配置しています。

関西地区
http://www.sugimura-wh.co.jp/company/place01.html#flow

関東地区
http://www.sugimura-wh.co.jp/company/place01.html#east

 不動産の含み益は大きく、2015年3月期の有価証券報告書に開示されている賃貸不動産の含み益は以下の通りです。

 賃貸不動産の簿価 2,487,986千円
 賃貸不動産の時価 5,128,144千円
     (含み益 2,640,158千円)

賃貸等不動産として使用される部分を含む不動産
 簿価    749,231千円
 時価  1,853,432千円
 含み益 1,104,201千円

 有価証券報告書に開示されている賃貸不動産および、賃貸等不動産として使用される部分を含む不動産の時価だけで69.81億円となります。含み益は37.43億円です。

 賃貸不動産の時価だけで考えても、杉村倉庫は資産的に割安な企業だと判断できます。創業が明治時代なので、賃貸不動産の時価は簿価の2.06倍。賃貸等不動産として使用される部分を含む不動産の時価も簿価の2.47倍程度あります。

 自社使用の倉庫などの底地も、2倍程度の含み益が期待できると考えます。
 杉村倉庫の土地全体の簿価は48.2億円です。
 建物および構築物の簿価は53.7億円です。

 2015年3月期有価証券報告書の『主要な設備の状況』欄に開示されている賃貸不動産は、本店(=大阪市港区)の土地63,907平米のうちの25,111平米の土地、11,826平米の建物、大阪港営業所(=大阪市港区)の建物13,588平米、および神戸ポートアイランド営業所の建物67平米、厚木営業所(=神奈川県厚木市)の建物11,094平米となっています。

 本店の土地63,907平米のなかには、大阪市福島区にある福島共同ビルの土地1,207平米と大阪区泉佐野市の土地5,988平米など、大阪市港区の所在地以外が含まれています。

 とても大雑把な推定ですが、本店の土地のうち自社使用部分を31,601平米(⇔63,907平米-25,111平米-福島共同ビルの土地1,207平米-大阪区泉佐野市の土地5,988平米)とすると、近隣の公示地・基準地価格を時価として推計すると76億円程度の含み益が見込めそうです。


2.杉村倉庫は、野村ホールディングスの連結子会社であること。

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