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#44 eBASE(3835) 2020/01/28

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       山本潤監修「グロース銘柄発掘隊」 第44号

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 山本潤氏率いる「株の学校」で、山本氏をはじめとする講師陣の薫陶を受けた精鋭アナリスト達が、成長株を発掘し、その内容を詳細にレポートします。

 毎週火曜日配信、1回に1銘柄の深掘りレポートです。


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               【目次】


■はじめに
■eBASE(3835) 客員アナリスト 西野幸助
■モデルポートフォリオ


※本メルマガの一部内容を、億の近道へ抜粋の上掲載することがございますので、あらかじめご了承下さい。


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■はじめに


 NPO法人イノベーターズ・フォーラムのご協力により、客員アナリスト
たちのレポートの有料メルマガを提供しております。

 グロース銘柄発掘隊の隊長は東京2期生です。
 彼の指揮下、隊員たちは、週に一本のフルレポートをディープに発表します。
 どれも個性あふれるレポートです。

 投資家のみなさまにおかれましては、ぜひ、グロース銘柄発掘隊の客員アナリストたちへのご支援をよろしくお願い申し上げます。

(山本潤)


【発掘隊より】

 グロース銘柄発掘隊は、5年から10年以上の長期投資に耐えると思われる銘柄を発掘し、調査分析するものです。配信した銘柄は短期的に株価調整する場合もありますが、対象企業の前提条件が変化しない限り、問題ないと考えます。
 配信した銘柄は定期的にチェックしております。もし、前提条件が変わったりビジネス環境が大幅に変化した場合には、あらためてフォローコメントを配信致します。

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eBASE(3835)

【会社概要】

 同社は商品情報統合管理システムeBASEを開発・販売を手がけるBtoBのIT企業である。
 凸版印刷株式会社の関西画像研究所所長であった現在の常包社長らが2001年にスピンアウトし大阪市北区で創業した。凸版印刷時代に企業のカタログ(アスクル)を大量に印刷して毎年カタログを作っていた。その際7~8割は商品データが一緒だが、印刷物は毎年別のものをマニュアルパンチ入力で非効率、データベース化した方が効率的という発想の現在のビジネスモデル原型を凸版印刷の上司に掛け合ったが、取り合ってもらえず当時の職場の仲間7人で独立事業を始めた。
 いきなりスピンアウトするのは凸版印刷としこりが残るので、数年かけて徐々に仲間がスピンアウトした。
 創業から凸版印刷とは敵対や資本提携はなく、eBASEの顧客となってくれた。

 創業事業は前述の商品情報管理システムeBASEの開発販売。食品小売、特にイオンや神戸生協への売上をきっかけに業績は順調に推移し、2006年12月に大証ヘラクレスへ上場を果たした。以降無借金黒字経営を続けている。

 2008年、リーマンショック以降約2年間だけ業績は減収・減益となった。その2年以外は創業以来、増収・増益を続けている。2010年に当時経営破綻した株式会社エムネットをM&Aし、ITアウトソーシング事業とIT人材200人を取得した。

 創業からのeBASE事業:商品情報管理システム開発販売事業に加え、eBASE-PLUS事業(IT開発アウトソーシング事業)の2事業を展開している。
 メインのeBASE事業は、100名体制(管理部門10名、セールスエンジニア(営業部門)35名、システムエンジニア(開発部門)55名)で運営している。

 eBASE-PLUS事業:ITアウトソーシング事業は330人体制で運営され、その中で優秀な人材をメインのeBASE事業に引込むスタイルを取っている。

 以降、食品業界を主として、日雑業界、住宅業界、家電業界、ドラッグストア業界などでのeBASEの拡販を進めている。


 ◆社長・経営陣について

  代表取締役社長 常包 浩司 61歳
   香川県出身 凸版印刷株式会社、関西画像研究所所長を経て株式会社
   ホットアイ(eBASEの前身)を2001年に設立CEO就任。
   同社の筆頭株主(36.65%)

  取締役執行役員(CFO) 窪田 勝康 56歳
   凸版印刷株式会社出身。2005年入社、取締役就任。
   同社株主(2.2%)

  取締役執行役員 西山 貴司 53歳
   凸版印刷株式会社出身。2001年入社、取締役就任。
   同社株主(2.9%)

  取締役執行役員 岩田 貴夫 52歳
   凸版印刷株式会社出身。2003年入社、取締役就任。
   同社株主(2.3%)

  経営陣8人中4人が凸版印刷出身者で構成、いずれも同社の大株主。
  IT企業では稀で東京に本社を置かず大阪に本社を置く。
  常包社長の地元香川にも営業センターを作っている。


 ◆ビジネスモデル

  [eBASEとは]
  商品スペック、商品写真、品番、品目、JANコード、色合い、原産地、原料成分、原料比率などの商品データを打ち込むシステム。
  小売業ではこのシステムを利用して、カタログ、ECなどのネットメディア、販売・物流・生産などの基幹系システムに効率的に転用できる。
  eBASEを利用して一度正しい情報を登録しておけば、それを何度複製しても情報は劣化せずに使え生産性向上となる。
  つまり入力するにはシステム利用は無料である。
  一方更にデータを出力したい場合に利用料が発生する料金制度で「フリーミアム」と言われる。フリーミアムとは、Adobe Acrobat PDFで代表されるシステム利用料金体型である。入口の利用料は無料で、システムはそれにより大きく拡散される。

  [システムの具体的なマネタイズ]
  2019年7月現在のeBASEユーザー数は、150,000ユーザー。
  そのうち10万ユーザーが食品業界、後の5万ユーザーが、日雑業界、その他となる。
  このユーザー数が同社のKPIとはならない。多くの小さな小売業は無償eBASEを利用しているからだ。
  食品業界の場合、有償eBASEを使用しているのは、頂点の食品小売、売上上位50社中、31社。51位以下では90社、合計120社と大手食品メーカー250社が主に有償eBASEを使用している。
  その下の商社・卸の80社(ほぼ食品卸のほぼ全て)、その他の食品メーカーの25000社、10万ユーザーは無償eBASE(eBASE jr.)を使用している。
  三角形の頂点の小売業に有償eBASEを販売し、そこから無償eBASE(eBASE jr.)を下流の卸業、メーカー、原材料メーカーにばらまいてもらい、eBASEで商品情報の交換が可能となるような仕組みを作った。
  商品情報を登録するのは外注しようが小売、メーカー、卸、誰が入れても良い。ただし小売はメーカーから商品情報をもらう方が正確で効率的である。もちろん登録内容の責任はeBASEにはなく、eBASEを利用している顧客側にある。
  このように食品業界ではeBASEという商品情報管理システムの網の目を張り巡らした。

  [食品スーパーの例]
  eBASEという箱(システム)をスーパーに有償(1000万円)で売る。食品スーパーの規模によってシステムの値段は変わる。例えばイオンなら5億円、関西スーパーなら1000万円の料金となる。
  スーパーはカタログ、WEBカタログ、プライスカード、POP・POSレジ、お客様問合せセンターへ利用が可能となり「業務効率化」ができる。
  eBASEを購入してもらった食品スーパーから、食品メーカーへ無償eBASE jr.をばらまいてもらい、商品情報をeBASEを介して転送してもらう。食品メーカー側からしてみれば、今までマニュアル入力一回分と同じ負荷で情報を転送でき、他の食品スーパーがeBASEを使っていればいるほど効率的となる。
  有償eBASEのパッケージシステムの売上(フロービジネス)に対して、翌年以降からその売上の20%の年間保守費(スットクビジネス)が積み上がるイメージである。大手小売業に対してはカスタマイズがあるが、そのほとんどが人件費となる。
  eBASEの解約率は小売業同士のM&A以外はゼロとなっている。
  つまりパッケージシステムの年間売上増加がゼロとならない限り、大きな減収減益がありえないビジネスモデルとなっている。

  [食品業界でeBASEが広がった理由」
  2000年代前半からの食の偽装問題が社会問題化し、食の「安心・安全」つまりは食品のトレーサビリティのニーズが大きくなっていったことが背景にある。

  [食の安心・安全に関わる主な事件]
  2001年 日本初のBSE感染牛の発生
  2002年 牛肉産地偽装事件
  2003年 讃岐うどん、魚沼産コシヒカリ偽装表示事件
  2007年 比内鶏、船場吉兆偽装事件
  2008年 中国冷凍餃子中毒事件
  2011年 ユッケ集団食中毒事件
  2013年 ホテル・レストラン食材偽装事件
  各食品メーカー、原材料メーカー、小売は消費者への正確な原材料情報表示が必要であり、2015年には食品表示法改正が行われた。
  この改正による食品原材料情報表示の2020年3月のペナルティ開始期限が「追い風」となっている。

【成長ドライバ】

 ◆同社の一つの目論見

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