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サンウェルズ株の下落のとばっちり

 9月2日の共同通信社による難病向け老人ホームで不正が起きたとする取材記事が流れ、その具体的な施設運営企業であるパーキンソン病専門の老人ホーム運営企業として急成長を辿ってきたサンウェルズ(9229)株が現在急落中。そのとばっちりが他の介護事業会社にも及んでおり、気になる皆さんもお見えなのかも知れません。

 介護ビジネスは高齢化社会の中で成長分野であり、数多くの企業が参入している中で今回の報道がもたらしたインパクトは大きい。
 サンウェルズは2年前の2022年6月にIPO。最初は穏健なスタートでしたが上場直後の安値754.9円(3分割実施後)から1年後の23年6月には3880円の高値まで5倍になったのですが、その高値から1年5か月で756円と上場時の安値に接近。完全に一山ついた格好となっています。
 同社の22年3月期からの業績は極めて短期間に急向上。売上84.19億円、営業利益は4.9億円から23年3月期売上高137億円、営業利益14.3億円、24年3月期売上高213億円、営業利益34.9億円と急拡大し今期は更に売上高288億円、営業利益48億円余りが見込まれる見通しでした。
 そうした成長性を先取りして株価は上場後に急上昇を見せた訳ですが、今回の取材記事が9月2日に流れ、会社の否定リリースによって一般に知られることになったのですが、株価はこのことで不安心理が醸成され、同社による実態調査も始まったため決算の半期報告書の提出が延長されて一層投資家の嫌気売りを誘った格好です。

 真偽のほどは今後解明されるとして、この業界内に不正が起きているとの不安感から投資家はこの関連銘柄を投げる行為に出たと推察されます。

 シップヘルスHD(3360)は11月8日の終値2345円から15日には2055円まで売られ、直近のIPO銘柄の一つである老人介護施設運営のアズパートナーズ(160A)に対しても好決算発表にも関わらず11月13日の高値2037円から本日は1740円まで売られるなど伸び盛りの業界他社の株価にも影響をもたらしました。

 とんだとばっちりですが、介護施設運営にDX化を推進しようとするアズパートナーズにはむしろ投資チャンスが生まれているのではないかと思われます。今後の成長性、ビジネス内容が理解されていけば、公開価格を下回っている現状の株価が見直される時期もやってくるものと期待されます。
 筆者は18日に同社が開いたオンライン決算説明会に参加しましたが、介護施設運営のDX化による効率化の流れが定着するものと注目しています。ぜひとも頑張って頂きたい。


(炎)


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