#82 アイ・ピー・エス(4390) 2020/10/20
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山本潤監修「グロース銘柄発掘隊」 第82号
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山本潤氏率いる「株の学校」で、山本氏をはじめとする講師陣の薫陶を受けた精鋭アナリスト達が、成長株を発掘し、その内容を詳細にレポートします。
毎週火曜日配信、1回に1銘柄の深掘りレポートです。
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【目次】
■はじめに
■アイ・ピー・エス(4390) 客員アナリスト 茂田井 啓径
■モデルポートフォリオ 10/6更新
※本メルマガの一部内容を、億の近道へ抜粋の上掲載することがございますので、あらかじめご了承下さい。
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■はじめに
NPO法人イノベーターズ・フォーラムのご協力により、客員アナリスト
たちのレポートの有料メルマガを提供しております。
グロース銘柄発掘隊の隊長は東京2期生です。
彼の指揮下、隊員たちは、週に一本のフルレポートをディープに発表します。
どれも個性あふれるレポートです。
投資家のみなさまにおかれましては、ぜひ、グロース銘柄発掘隊の客員アナリストたちへのご支援をよろしくお願い申し上げます。
(山本潤)
【発掘隊より】
グロース銘柄発掘隊は、5年から10年以上の長期投資に耐えると思われる銘柄を発掘し、調査分析するものです。配信した銘柄は短期的に株価調整する場合もありますが、対象企業の前提条件が変化しない限り、問題ないと考えます。
配信した銘柄は定期的にチェックしております。もし、前提条件が変わったりビジネス環境が大幅に変化した場合には、あらためてフォローコメントを配信致します。
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■アイ・ピー・エス(4390)
今回は株式会社アイ・ピー・エス(4390)を取り上げます。
同社はフィリピンと日本国内で事業を行っています。
フィリピンでは海外へのインターネット通信の容量の卸売りを行う海外通信事業、フィリピン国内の通信事業、医療・美容事業を行い、日本ではMVMO向けの秒課金音声通信の卸売りやコールセンター向けのソフトウェアの販売、人材紹介業を行っています。
【企業概要】
◆沿革
株式会社アイ・ピー・エス(4390)は海外の人材を日本企業に紹介する事業を行うことを目的として1991年に現代表取締役の宮下社長によって設立されました。
社名はInternational Placement Service(国際人材サービス)からきていま
す。
会社の設立後はバブルの崩壊で人材の供給過多状態にあり、人材紹介業ではなく国際電話の代理店を行うことで会社の存続を図ることになります。
会社設立前、宮下社長はリクルートに在籍しており、その時に通信事業に携わった経験から国際電話の取り扱いを始めました。
最初は日本法人を顧客としていましたが、電話会社の意向により日本へ出稼ぎに来ていた外国人を顧客とするようになります。当時の外国人労働者の人口は中国、韓国、ブラジル、フィリピンの順に多く、それぞれを対象顧客としていましたが、同郷のネットワークの強い中国、韓国、ブラジルを対象とした事業からは手を引き、在留フィリピン人に対象を絞って営業を行いました。
フィリピン人向けに国際電話のプリペイドカードを販売していきますが、売り上げ向上のために同時に食品や化粧品の取り扱いも始めます。この頃にマニラへコールセンターを開局し、顧客向けの電話営業も始めています。
その後、入管法改正により、フィリピン人の興行ビザの発行が厳しくなったため、徐々に国際電話の対象顧客が減ることとなります。
さらに2000年~2004年にかけて、MSN MessangerやSkypeが登場したことで同事業の収益モデルが崩れ、国際電話の代理店業務からは撤退、国内では日本のコールセンター向けにCTIソフトの販売と格安フリーダイヤルを提供するビジネスモデルへと業態を転換しました。
そんな中、2011年ごろに国際通信回線を大手事業者から取得し、転売を行う案件を手掛けることになります。回線の容量が大きかったことから1社にそのまま転売することが難しかったため、使用権を分割して小口の通信容量としてフィリピンの複数の通信事業者へ転売。このことが現在の海外通信事業を行うモデルとなっています。
フィリピン国内の事業者と提携して国際通信回線の通信容量をCATV事業者向けに提供し始めましたが、サービスエリア拡大のためフィリピン国内での回線敷設を行うことを目的としてInfiniVANを設立します。
フィリピンで通信事業を行う場合、同国の国会で法律を通さなければなりません。この時、国際電話の代理店業務で知り合った顧客の方々の紹介で地方の有力者や下院議員へ法律の成立に向けた働きかけを行いました。
このように国際電話の代理店時代に気づいた人脈が同社のフィリピンにおける通信事業を支える基盤・強みとなっています。
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