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なぜESGが大切なのか
「なんで企業はESG経営をする必要があるんですか?」
読者の皆さんが子供たちにこのようなことを聞かれたらどのように回答しますか?
「アセットオーナーやファンドマネージャーがESGを気にしているから」
「個人投資家も社会的責任について関心が高い人も増えてきているから」
などいろいろな回答があるかと思います。
私は企業がESGを気にして経営する必要がある最大の理由は企業が長期的に成長するためだと思っています。
環境を破壊し、人種差別をしまくっている企業が30年後も存在していると思えません。女性管理職比率が低く未だに男尊女卑の文化が抜けない企業が海外との競争に打ち勝って成長し続けるとも思えません。
投資の基本は長期投資です。
上場企業は株式を上場しているからには、投資家が株を30年40年持ち続けられるように努力を続ける義務があります。
そのためには企業文化を作っていく必要があります。
今いる社員が自信を持って前向きに会社の成長に貢献したいと思える会社、若い人がこの会社に入って自分も活躍したいと思える会社するためには、ESGへの意識は必要最低限のことです。
「うちの会社、やってることえげつないんだよな」
と社員が思っているようでは会社の将来はないでしょう。
最近は社内でエンゲージメントサーベイを行う企業が多くなっています。
もちろんエンゲージメントサーベイが高いからといって、その企業がめちゃめちゃ素晴らしいとは限りません。サーベイに本音で回答していない人もいるからです。ただ、社員の心中を見るための1つの参考にはなります。
私が知っているある組織は、サーベイを行った際に、あまりにもひどい結果になってしまったので、トップが従業員を集めて2時間ぐらい会議を行ったそうです。サーベイに答えた社員を2時間会議室に缶詰にして、説教まがいのことを行ったということです。
そんなやり方で社員の満足度が上がるわけがありません。
その組織は現在は消えてしまっています。
サーベイが悪かったから消えたわけではありませんが、社員たちの心のどこかに企業の行く末に対する他人事感があったことが一因にはなっていると思われます。
社員が「この組織はなくなっては困る」と本気で思っていたら、消えはしなかったでしょう。
企業は社員を含め、ステークホルダーから企業の存続を求められる必要があります。そのためには、事業が環境や社会への貢献に資するものであり、働く従業員が幸福である必要があります。
顧客からは
「この会社がなくなったら困る」
と思われ、従業員たちからは
「この会社を子孫の代以降まで存続させたい」
という誇りに溢れている企業文化を作る必要があります。
人材の流動化が進んでいる昨今こそ、企業文化の構築が必要な時代になったといえます。
(遠藤)
[遠藤 功二氏 プロフィール]
日本FP協会認定CFP
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
MBA(経営学修士)
大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com
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