有料メルマガライブラリから(522)「変化の兆しを見逃さないようにリバウンドを待つ」
有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
==「変化の兆しを見逃さないようにリバウンドを待つ」==
(有料メルマガ第475回・2018/3/27配信号)
※注 2018年3月現在の内容ですので留意下さい。
【前略】
このような投資家の不安が高まった時は、内需株であろうと、輸出株であろうと玉石混合で株は売られます。
3月の配当や優待のある銘柄には浮力が働くと考えていましたが、その優待や配当の浮力をも打ち消すほどの投資家の恐怖が発生して、多くの3月の高配当および高配当優待利回り銘柄の株価も大きく売り込まれました。
このようような急激なショックが起きた時は、下手に売買を行うと、傷を大きくしてしまうので、3月23日は売買を中止して、ポートフォリオ銘柄の株価下落を眺めることになりました。
2011年3月11日に宮城県三陸沖を震源とした「東北地方太平洋沖地震」がおこり、福島原発でも最大級の原発事故が発生したとき、自分がどんなことを考え、どんな株式投資を実行したのか。
大きな日本株の下落が起きた時には、当時のことを再確認して、勇気をもらうことにしています。
東日本大震災が起きた当時のメルマガなど自分で書いた文章の記録などを読み直してみると、その時の自分の思いや記憶がよみがえってきます。
私は東日本大震災の被害地とは遠い山陰地方に居住していました。このような大きな災害から日本が復興するためには政府や日本国民とともに日本企業の活動が不可欠だと考えていました。
被災から免れた私のような投資家の日本復興のための大切な役割は(=大切な行動)は、適切な判断に基づく投資を実行し、被災地のライフラインを復旧したり、生活必需品(=食料、オムツなど)を提供することで日本経済の復活に役立つ企業に資金を提供していくことだと考えて相場に取り組みたいと考えていました。
そして、東日本大震災が起こる前よりも慎重に、そして勇気を持って、リスクマネーを金融市場に提供して行きたいと考えていました。
日本株は震災後に大きく下落して、私の株のポートフォリオも大きな痛手を受けましたが、時間がたつにつれて株価が回復して、予想より早く投資金額は震災前の状況に復帰することができました。
このときも投資する企業を丹念に調査して、その企業の本質的な価値(=資産価値+事業価値)からみて株価が割安だと判断し、さらにその企業の事業が日本復興に大きく役立ち、その企業の業績も大きく伸びる可能性を感じ取ったなら、そこに自分の大切な資金を投下していきたいと考えて、実行していました。
【中略】
ちょうど12年前にも投資環境が良くて、専業投資家になる人が多く出ました。しかし、去年と同じような楽園相場の後には、寒風が吹き荒れる荒涼相場がやってきました。
これは、干支や還暦すなわち12年周期の干支、そして12年周期を5倍した60年のサイクルと関係があるのではないかと思います。
私がサラリーマンを辞めたのは12年前の2005年1月末でした。その後に起きたことを、少し振り返ります。
私がサラリーマンを辞める前の日本株は、2017年と同じように、とても堅調で、私の運用資産も予想以上の増加を見せていたので、酷い上司に見切りをつけて、無念だったのですがサラリーマンを辞める決心が出来ました。
なんども、このコラムで書いてきたことですが、60歳の定年までサラリーマンを続けて年金長者になることが一番の希望でしたが、それ以上に上司のパワハラと出鱈目に嫌気がさして、自分の精神(=心)を守るためにサラリーマンを辞めました。
ところが会社を辞めてしばらくしてから、日本株式市場は下げ始めました。
温暖な気候から、秋景色、そして冬景色に変っていきました。
2018年は12年前と同じような変化が起きないように願いながら、もし同じことが起きた時の投資の参考にしていただければと思い、もう一度、その状況を書いてみます。
サラリーマンを辞めてダラダラ下げていた日本株ですが、辞めて1年たった2006年1月16日にライブドア・ショックが発生しました。
ライブドア・ショックとは、2006年1月16日に証券取引法違反容疑で、東京地検特捜部がライブドア(現:LDH)本社などに強制捜査を行い、2006年1月17日から始まった「日本株式市場の暴落」のことです。
ライブドア・ショックにより、それまでの投資家に優しい上昇基調が完全に崩れ、冬景色が一気に厳冬になり、氷河期が到来したような厳しさになりました。
ライブドア・ショックから立ち直りかけた2008年9月15日にはリーマン・ショックが発生しました。米国の大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破たんしたことから、連鎖的に世界的な金融危機が発生しました。
そして約2年の時間が経過してリーマン・ショックにより痛手を受けて減ってしまった株式運用資産を取り返したと安心した2011年3月11日に、東日本大震災が襲ってきて、福島の原発が被災して放射能事故で東京都ですら人が住めなくなるという流言飛語が飛び交いました。
しかし、そこからも日本株は立ち直り、乱高下はありましたが、2017年には楽園相場がやってきました。
2017年10月以降の私の投資のコンセプトは、その当時からの購読者の皆さんには耳にタコができていると思いますが、
『21年ぶりにやってきた勝ち逃げのチャンスを最大限に生かして老後の安心を掴み取る』
というもので、利喰い作戦を実行しました。
去年の年末の利喰いによりキャッシュが過去にないほど積みあがっているので、今回の下落では、従来以上に精神的には落ち着いて株式市場と対峙できています。
いま書いたように、2018年においては米国株がリバウンドしていき、日本株もリバウンドするというのが私のいまの期待です。70%のメインシナリオです。
それでも2019年になれば、12年前とは異なる原因で、ライブドアショック級の下げが、日本株には起こると懸念しています。
そして米国株に関しても、FRBや日銀や世界中の中央銀行が協調して行ってきた経済防衛のための金融政策が行き詰まり、やっと防いできた世界景気の大変調が発生して、リーマンショック以上の、30年前のブラックマンデークラスの大暴落が世界中の株式市場を襲うのではないかと懸念しています。これは2020年までに起こる可能性が高いと考えています。
もちろん、この懸念がより早く実現する可能性もあると思います。それが私のワーストシナリオで、30%程度の確率があると考えています。
いずれにしても、ショックが起こりそうになったら、大胆な利喰いや損切りを実行して株をキャッシュに換えようと覚悟を決めています。
株式投資というゲームは、生き残りゲームであると痛感しています。私は短期トレードのセンスがあるわけではありません。センスは生まれつきのもので、努力しても作れるものではありません。
しかし努力することにより、株式投資で利益を上げる道は、短期トレード以外にもたくさんあります。
その道、方法を見つけたい。知りたいと強く思い、努力することで見えてくる道が必ずあります。
そして生き残りゲームである株式投資では投資判断のミスを、出来るだけ減らしていく努力も必要です。
また株式市場で生き残るために、一番大事なのはリスク管理だと考えて、リスク管理の精度を高めていこうと努力しています。
日経マネー5月号の18ページから21ページまでに掲載されているウォール街きっての論客といわれている、ハワード・マークスのインタビューもとても参考になりました。詳しくは、ぜひ日経マネーで読んでください。箇条書きをさせていただくと、次のようなことが書いてありました。
〇VIXショックは健全な調整である。
〇慎重な姿勢はまだ必要 ただし長期的には依然として懸念が残るものの、短期的には米景気の足腰は非常に強い。
〇株式市場から撤退すべきではないが、通常に比べてリスクの低いポートフォリオにすべきだ。
『全ての投資家は、自分の懐事情やリスク耐性を検討しなければならない。許容できる損失の大きさや、調整時の対応も考えておく。こうしたプロセスを経てリスクに対するスタンスを確立することが求められている。』
〇サイクルを意識した投資が必要。
〇大事なこと。偉大な投資家は状況がいくら悪化しても、意気消沈せず、持株を売らないことだ。一番の禁物は、消沈して安値で売ってしまうことである。
〇バフェットの手紙の教訓。
バフェットはかつてこうも語っている。「喜んで10年間株を保有する気持ちがないのなら、たった10分間でも株を持とうなどと考えるべきではない」と。
上記の中で、私がリスクが高まるごとに行っているのは、
『全ての投資家は、自分の懐事情やリスク耐性を検討しなければならない。許容できる損失の大きさや、調整時の対応も考えておく。』ということです。
2月の暴落がスタートしてから、私は社会保険庁に出かけて、自分が65歳になった時にもらえる老齢基礎年金、妻が65歳になった時のもらえる老齢基礎年金の金額を確認して、それに基づき今後の兵糧を計算しました。籠城戦を行う場合に備えたセイフティー・ネットのチェックです。
去年キャッシュに換えた資金は定期預金などに固定してすぐには動けないようにしてあります。これを20年間で取り崩して兵糧として使います。
籠城戦は可能です。兵糧の援軍である年金も増えていきます。
あとは、インフレに備えるための株式投資で、どの企業への配分を増やして行くかということです。今回は輸出銘柄も内需株も玉石混合で落ちたのを幸いとして、内需株の比率を増やして行こうと思います。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
■□この有料メルマガの全文が読めます!
名工建設(1869)研究銘柄レポート+コラムの構成です。
以下のリンクからどうぞ。(一部無料で読めます)
こちらから ⇒ https://bit.ly/rin20180327
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)