参議院選挙!
40歳になる僕ですら、今の政治に興味を持てないのだから、若い人たちはもっと無関心に違いない。
政治は政治。自分は自分。と無関心を決め込んでいるはずだ。
年金なんて当てにできないから、老後の分まで自分で稼がなくちゃならない。
(もしくはそんな先のこと分からないから考えない。)
財政が破綻する、国債が暴落する、と長年言われ続けているから、消費税が上がることも受け入れるざるを得ない。
(いやだ、というと無責任だとか言われそうだし。)
大企業の景気は良い。有効求人倍率もよい。それでも自分の給料が上がらないのは、自分の実力がないからだ、と諦めざるを得ない。
(自分の不遇や給料が低いのを、政治や社会のせいにするのはダサく見えるし。)
自由主義のほうが、保護主義より、響きがいいし、かっこよく見える。自分も自由でいたいから、自由主義も否定できない。
自分のことは自分で頑張ろう。まずは自助だ。それでダメなら諦めるしかない。
政治なんかに関わらず、口出しせずに、自分のやりたいことだけに猛進する。
国民国家なんて幻想だし、そんなのに頼らずに稼ぐ力つけて、いざとなれば日本なんて出て行くよ、くらいの勢いで。
資本主義も国民国家も否定して、田舎で自給自足を志す人もいる。
もしくは、冷笑しながら、全てを他人事にして、長いものに巻かれながら、今の境遇でひっそりと声を潜めて生きていくしかない。
トリクルダウンなんて死語に近いし、誰もそんなことはもはや信じていない。
格差はどんどん広がっていく。
親は自分の子供には惨めな思いをさせたくなくて、とりあえずいい大学にと、勉強だ、受験だなんやと、とにかく言う。
まずは自分だ。勝ち組になれ。
自助だ。扶助・公助なんて幻想だ。
社会のことは誰かがやってくれる。
社会制度がうまく機能しなくても、自分は関与してないし、知ったことじゃない。
自分のことで精一杯だ。
「民主主義には二度万歳をしよう。一度目は、多様性を許すからであり、二度目は批判を許すからである。ただし、二度で充分。三度も喝采する必要はない」。
(by イギリスの作家E・M・フォースター。)
今や一度も万歳できない状態が迫っている!
このままでは民主主義が崩壊する!
投票に行こう!
投票に行かないで、損をするのは若者だ!
なんて、一生懸命に叫ぶ学者の言葉も響かない。
なかなか、複雑でこんがらがった社会だ。
酒でも飲んで、歌でも歌って、踊りでも踊っているくらいしか、することがないのかもしれない 笑。
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と思いながら、テレビをつけると、相撲をやっていた。
すると、炎鵬さんという小さな力士が大きいな力士を投げ倒している姿が写っていて、その姿に観客みんなが拍手喝采していた。
大きなものが勝つ。強いものが勝つグローバル競争の時代。
それは当たり前に思えるけど、それではやっぱり面白くない。
一方で強きものの足を引っ張って、弱きを守るだけの話もどうもしっくりこない。
単なる勧善懲悪も胡散臭い。
小さな力士が大きな力士を打ち負かすのが相撲の醍醐味で、日本人はそういう物語が好きなのかもしれない。
大きな弁慶を打ち負かす牛若丸の物語だ。
小さなアラレちゃんや孫悟空が大きな相手を打ち負かすの物語だ。
我々が好きなのは、勧善懲悪の黄金バットの物語でも、単に強き者が弱いものを救うの物語でも、ノブレスオブリージュの精神でも、ないのかもしれない。
少よく大を制す。
柔よく剛を制す。
そういうものが一番心に響く気がする。
(だからミッドウェー海戦の大敗後も勝てると思って戦いを続けたのかもしれないが)。
柔よく剛を制す。そういう物語を政治のうえでも描いていく必要があるのかもしれない。
どうすればいいかは、分からないけど。笑
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