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森の中7
ゴリラさんは自分よりも遥かに小さな猫達を見下ろし「まず、私の名前はゴリラさんではなくゴロ蔵だ。さっき君達は私の話しを聞いてくれると言ったが本当か?」ゴロ蔵は大きな体格に似合う太く響きのある声で、二匹に聞きます。にゃん吉とねこっ汰は自分達の声がゴロ蔵に届いたことにビックリです。
「僕は、にゃん吉です。隣の彼は親友のねこっ汰です。」「にゃん吉とねこっ汰か。わざわざ道路に座り込んでる私に話しかけるなんて怖い物知らずな猫達だ。私の話しを聞いてくれると言ったな。」ここでゴロ蔵は言葉を区切り二匹の顔を交互に見ます。ねこっ汰とにゃん吉はどんな話しなのだろうと少しドキドキしながら「はい。ゴロ蔵さんの話しを聞かせgて下さい。」二匹は顔を見合わせ、しっかりとゴロ蔵に向き合い答えます。
「今朝、私はこの先にあるカフェで大好きなホットカフェラテとケーキを食べていた。とても美味しかったので、お店の動物さん達に感謝の気持ちを伝えようとしたら、声が大きいから他のお客様の迷惑になる。代金は不要なのでお引き取り下さい。と言われお店を追い出された。傷ついた私はあてもなく歩きつつ、何が悪かったか考えながら歩いていたが、何が悪かったのか分からない。考えている内にこの道路の前に座りこんでしまって周りが私を避ける。私は何もしていないのに傷つくばかりだ。美味しいカフェラテとケーキを頂きたかっただけなのだ。」
ゴロ蔵は、深くため息をつきうなだれてしまいます。話しを黙って聞いていたにゃん吉とねこっ汰は二人で話し合いを始めます。その様子をゴロ蔵は怪訝そうな顔つきでみています。
数分後、話し合いが終わった2匹が笑顔でゴロ蔵に向き合います。「ゴロ蔵さん。僕達に良いアイディアがあります。」ねこっ汰がはっきりした口調で言います。