6番目の町はレオンです。これもまた古い町で、旧レオン王国の首都。レオン王国は11世紀の初めにカスティージャ王国に吸収合併されました。
バジャドリッド→レオン
スペインじゃ、どこの公園にも昔ながらの長ベンチがあり、休憩したり、ポメラでメモを取ったりするのに重宝しました。日本ではホームレス対策なのでしょうか、真ん中に仕切りを作ったり、あるいは腰を預けることはできてもちゃんと座れないようにするとか、様々デザインに工夫を凝らして、安息できないようにしています。だったらベンチなど置くな、と思うのですが、公園を規定する法令規則の類に「ベンチを設置すべし」とあるのでしょうか。
で、この旅で初めてパラドール(国営高級ホテル)に泊まってやろうか、との野心が芽生えました。「地球の歩き方」によれば、レオンのパラドールは1泊104から199ユーロ。「オレハス」のトイレ付き35ユーロのざっくり4倍ですが、大丈夫、金ならある。カードだってな、と「千と千尋」のお父さん状態で(笑)
ここまでの旅を振り返るに、宿泊代はかなり安く抑えられています。最初のマドリッドの一泊100ユーロが一番高くて、以下は2泊ずつ、トレド78、クエンカ60、セゴビア70、バジャドリッド90、レオン70。それでもそこそこの贅沢旅行だったようです。どの部屋もトイレ付きだったし。
レオン2日目
以下は旧レオン王国首都のレオンで、辞書から学んだスペイン語です。
realレアルは、英語のリアル。「現実の」という意味ですが、スペイン語では「王の」という意味もあります。サッカーの「レアル・マドリッド」とか。
「王の」の方のrealには「りっぱな」という意味もあります。名詞だと「昔の通貨単位」「本陣」という意味。
「asentar(設置する) el real」で「野営を張る」「定着する」との意味。
もともとが王国で、王さまが、すなわち戦闘民族の長だったという、スペインの歴史が見えるようです。real(現実の)武力を持ってこそのreal(王の)権力であり、それはreal(野営)して敵と戦い、勝利してその地をreal(定着地)とすることよって築かれたものである、と。
バジャドリッドもそうでしたが、レオンに来て気がついたのは町が平たいこと。トレド、クエンカ、セゴビアと、どれも天然の崖を使った城塞都市でした。だから旧市街は坂だらけで狭い。新市街との間には相当な高低差があります。バジャドリッドとレオンは平地に城壁を築いた都市で、ゆえに地続きで新市街が展開しています。
日本の戦国時代の山城と江戸期の平城の違いみたいなもんでしょうか。群雄割拠の時代だと小規模勢力同士の戦いになるので、城の立地が重要。狭くてもいいから、攻められにくいところに築城する。殿様も家来も弊衣粗食でがんばる。
で、淘汰され、少数の大領主や王による寡占支配が安定した偃武の時代となり、領主の支配地域が大きくなると、通商の便のいい平地に都市を築く。城壁作るだけの経済力もあるし。そして防御陣地ではなく、ステイタス誇示のための豪奢な城館を構える、と。