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三度目のスペイン(1)

3度目のスペイン旅行は、2度目の翌年の2016年8月。嫁さんと高校生のこどもと3人旅でした。キャセイで香港経由でマドリッドへ。

今回はゴンサロ君が勤めているホテルを日本で予約しました。
空港からはメトロ。前回のホテルはマドリッドの北の玄関口であるチャマルティン駅近くでしたが、今回は南の玄関口であるアトーチャ駅寄り。こちらのほうは、マドリッドの中心部の徒歩圏内です。
チェックイン。フロントのおねいちゃんもベルキャプテンのおにいちゃんも日本語ぺらぺらという驚異。そっか。だからゴンサロもそうだったのか、と納得しました。
後で聞いたら「日本語が通じるというだけで日本人客がとれて、リピートも期待できるから」云々と説明してくれました。「日本語が通じるホテル」なんて韓国・台湾かハワイぐらいにしかないと思っていたので、これはかなりの驚きでした。スペインがそれだけ観光立国しているということなのでしょう。

到着したその日に闘牛を観ました。これが3回目。

地下鉄乗り継いでベンタスへ。窓口で今晩の闘牛の入場券を買う。これは自分がスペイン語でやって、ちゃんと通じた。ソルーソンブレの一番高い席106ユーロを買う。後で調べたら「1列目」の倍以上のお値段。とんでもない席を買ってしまったか? それも行けば分かるか。

席は最前列。直下が「楽屋口」で、闘牛士以下がそこから出場、退場する。闘牛士にモノホンのサーベルを渡すところもすぐそばで見えたし、銛士が使う銛の形状も分かった。相撲で言えば「砂かぶり」的な特等席だったと思う。
隣りの葉巻爺があからさまに関係者で、「下」の全員と個々に名前呼んでやりとり。最初にこの爺に「日本人っす。スペイン語勉強中でまだたくさん喋れまへん」てなことを言っといたので、「挨拶済み」ということで、楽屋口直上の関係者スペースまで入れてもらえたのかもしれない。
自分らのすぐ後ろに松葉づえついた負傷療養中の闘牛士?がいて、出場する闘牛士が「ミゲル(仮名)、今日は俺、おめえの分までがんばってトロをぶっ殺すからよ。目ん玉かっぽじってよく見とけ」「よろしくなアミーゴ」てなやりとり(内容は勝手に想像)を、自分らの頭越しにしてるわけでさ。

終わって21時。ホテルに戻ってゴンサロと待ち合わせ、徒歩数分のバルへ。タコ鉄板焼、野菜と山羊チーズの鉄板焼、牛肉鉄板焼を食う。酒はビール。こどもはコーラ、ゴンサロも何かソフトドリンク。勘定はゴンサロ持ち。悪いんでもう一軒誘ってアイス一個分おごり返す。ホテルに戻って23時半過ぎ。

翌日、バラハス空港まで戻ってレンタカーを借り出しました。クルマはプジョー208で、当然MTしかない。ここで苦労しないために、前の年に自宅のクルマをATからMTの軽自動車に買い替えたのでした。日本じゃ「フランスやドイツに比べて、スペイン人は運転が荒いから気をつけろ」なんて言われてたのですが、実際に走ってみると、全然荒くなんかない。名古屋とか関西のほうがずっと…やめておきます。

マドリッドから、エストレマドゥーラのトルヒージョまでドライブ。トルヒージョは、人口1万人足らずの小さな町ですが、歴史は古く、16世紀の大航海時代に多数のコンキスタドレス(征服者)を輩出したことで知られています。ペルーを征服してインカ帝国を滅ぼしたフランシスコ・ピサロの出身地でもあります。

カーナビがあるので楽ちん。ホテルは予約しておらず、飛び込みで探します。ハイシーズンの、よほどの人気観光地以外、このやり方が通用するのが、観光立国スペインのすばらしいところです。

トルヒージョに13時半頃到着。町入り口近くに駐車。最寄りのホテル「レオン」に聞いたら良い部屋だったのでそのままチェックイン。60ユーロ。駐車場に入れようとして、炎天下のプジョー208、ラジエーター過熱で発車出来ないトラブル。しばし冷まして何とか完了。

ホテルの息子がやっているという、隣りのレストラン「アサフラン」で昼食。ビールにつまみ的に3種。エビの鉄板焼きのイカスミソース、gulaのサラダ、gulaと目玉焼きとパタタスフリトス。徳子的にはgula(多分angulaのこと。ウナギの稚魚)がツボだった。どれも旨かった。

部屋で昼寝。

19時半過ぎに再出立。徒歩でプラサ・マジョールから、アラブ城へ。日没を鑑賞。ポケモン小僧複数。

夕闇の中、帰ホテルして、再度レストランへ。晩飯。ビール、赤ワインに4品。シーザーズサラダ、ぶっとい血のソーセージ、子羊のロースト、バカラオフリトとピミエントのピンチョス。旨し。

注釈すると、gulaグラは実はシラスウナギじゃなくて、それを模したカマボコでした。カニカマ的な。2度目のスペインで、サン・セバスチャンのバルで食べたのも、おそらく確実にそれでした。本物のシラスウナギを使ったら、べらぼうなお値段になるからです。

「ポケモン小僧」というのは、スマホゲームの「ポケモンGO」で遊んでいるこどもたち。スペインじゃ、日本より1週間早い2016年7月15日にリリースされて、まだ1か月も経っていないのに、すでに大流行してて、そこかしこの観光地でやっていました。

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