民族のメンバーシップとは?
少数民族や先住民族に対して人種的な純血/混血やDNAを基準とすることはレイシズムである。そして民族のメンバーシップを決定する権利は、その民族自身の権利である。
北海道大学アイヌ・先住民族研究センター准教授の丹菊逸治さんの解説を引用する。
民族のメンバーシップ
民族のメンバーシップは自己認識とコミュニティの承認によります。これはいかなる民族にも当てはまり、アイヌ民族も例外ではありません。「血」「DNA」を基準にするのはレイシズムです。これもあらゆる民族について同じです。
— 丹菊逸治 (@itangiku) February 9, 2019
先住民族のメンバーシップを決定する権利は、その先住民族自身にあり、外部の人々や国家が勝手に決定することはできません。アイヌ民族についても例外ではありません。
— 丹菊逸治 (@itangiku) February 9, 2019
「ある個人がある民族であるか否かについての外部からの客観的な判断」なんてものはない。全ての事象には客観・主観それぞれの部分がある。そして個人の民族帰属は、本人の主観と共同体の主観による、個人と共同体の主観的判断という客観的な仕組みにもとづく。
— 丹菊逸治 (@itangiku) January 6, 2018
アイヌ民族のメンバーシップ
「アイヌ民族共同体のメンバーシップが実際にどうなっているか」を和人は理解していない。研究者の多くもたぶん理解していない。和人が思っているほど血は重要ではない。血はプラクティカルに効いてくる場合にのみ重要なのだ。もっと重要なのは「ある時点からアイヌとして育ったか否か」だ。
— 丹菊逸治 (@itangiku) February 12, 2015
アイヌ社会は共同体が連なって構成されています。具体的にいえば、大きな家系が横に連なっている。各共同体内部の成員は分かっているから、外部の誰かが「なりすまし」なんぞしようものなら、あっという間に近縁者が気づきます。和人の社会とは違うんですよ。
— 丹菊逸治 (@itangiku) October 16, 2017
「なりすまし」「偽装」はすぐにバレる。
実際に「なりすまし」はアイヌのコミュニティは見たことも聞いたこともないとの情報がある。
「ザイヌ」は架空の存在では?在日の方がアイヌになりすますという意味でしょ?生まれてこの方、帯広~千歳~旭川~札幌近郊と引越しして、それぞれのアイヌコミュニティにお世話になりましたが、見たことも聞いたこともないです。 https://t.co/mVv8jVFMAW
— ひとみデラックス★バンド始めました (@syotakota) July 1, 2016
アイヌ民族否定論に抗する
アイヌ民族否定論者は「アイヌ民族の定義」がないことを非難するが、そもそもアイヌ民族のメンバーシップを定義するのはアイヌ民族だけの権利である。
本州日本人(和人)がアイヌ民族の定義をすることや、アイヌ民族を認定することは、レイシズムなのである。