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恋の本、貰ってきました。ああチョコのかわりです。と彼は言った
恋愛にルールなんて無いと思っていた事がある。
というか、それが当たり前の共通認識だと(みんなも思っているだろうと)思っていた事がある。
だって好きなんだもんで全てが許される、とは言わないが、全てが存在出来る世界だ。
今現在、こちら側にいるとして、こちら側(烏滸がましい括りで言うと奪われる側、恋人がいる側)にとってそれは正しくはない。恋する前に人間だろうが。
かといって自分がそちら側(恋焦がれる側)にいつなるかは分からない。ので大きな声で間違ってるとは言い難い。
ものすごい葛藤だ!
立ち位置なんて簡単にスイッチできるもので。
そして私は圧倒的に弱者の立場の時の自分のことの方が可愛いので。
つまりは、(大きな声では言いづらいが)人間には法律があっても、恋にルールなんて無いのであろうなあ。と思っているぐらいにとどまっている。
(これを大きな声で間違ってるって言える人は恋をした事が無い人、絶対的強者、著しく想像力の欠けた人間だろうと思う)
さて、私にはどうしても読めない本がある。
「恋歌」(著:朝井まかて)
ある年のバレンタインに夫が部下(というか関連会社(下請け企業)の社員)にバレンタインプレゼントで貰ってきた。
バレンタイに本をもらってきた。(大事なことなのでもう一度)
我が家には誰にも読まれないでも捨てられない本がある。
夫は無頓着なタイプ(又は嫁に気をつかうタイプ、両極だな)なので誰かのプレゼントはラッピングのまま嫁の手に渡る。
ラッピングを開いて驚いた一冊目、「恋歌」という小説だった。
(直木賞をとったやつだ!までは知っていた)
パラパラとめくっていたら偶然か必然か栞が挟まっていた部分にまた驚いた。
(その明らかに本についてこない類の栞が挟まっていたところの文章がこちらです。)
ー恋することを教えたのはあなたなのだから、どうかお願いです、忘れ方も教えてくださいー
おい、お前なにをした?
・・とはならなかった。
たぶん夫は何もしていない、ただ会社で息をしていただけ。
夫は顔が良いのだ。若い頃は福山雅治だったし(断言)、今は井浦新だ(断言)。かといって夫は決して良い男では無い、世の中を斜めに見すぎているし。胸板も薄い。腕なんか細々だし、気が抜けている時はクシャおじさんだ(断言)。
黙っていたら良い人に見える、やさしい人に見える。やさしく見えすぎてコミュニケーション能力の低さが露呈しない。非常に得をしている男だ。(苛立ち)
つまりやっぱり夫は、ただ黙って、会社で、息を吸ってただけ。と思う。
おそらく、夫の外装を見て恋に落ちたのだと思う(そんな決めつけはとても失礼だけど)
顔だけみて恋をしやがってこのやろう!とはならない。私もほぼ顔だけで夫婦してる。
もう一冊は、主人公がリストラ担当となり苦悩する物語だった。(こちらは読んだ事があった。)
ところで夫はその年の1月末、彼女をリストラ(3月以降彼女との契約を継続できない)する判断をした。そしてそれを彼女に伝えたのも夫だった。
・・・・・・驚きだ。
自分の配偶者への愛の告白とも取れるプレゼント。
おいおい、なんだい不倫のお誘いかい?ちょこざいな!!
ともならなかった。
なんだかただただソワソワしちゃった。
想像してみた。
中途入社して、初めての担当、上の会社の男の人。
いつも苛立ちもしないでやさしく微笑んでる。
背は180センチ、顔も素敵。胸板はちょっと薄めだけど、ほぼパーフェクト。
間違えても、仕事が遅くても、怒られない。さすが、大人の男。
指輪はしてなかったのに・・結婚してるんだって・・でも、好きになるのは自由だもん。いいよね。。
彼は、辛そうな顔で、2月末での契約打切りを伝えた。本当に辛そうだった。
大丈夫。私は大丈夫だから。・・好き。
うん、わかるよわかる。めちゃめちゃわかる。
ね!
ね!
思春期を乗り越えた人ならわかるよね。
うん私もそっち側だった。
うんうん、
というか私が彼女だった時がある。
高校1年生の時、好きだった男の子の家に行って(話してるうちに半ば言い争いになり)「まだまだ好きだから!」とか叫んで手作りトリュフを投げつけたあの日。
高校2年生の時、好きだった男の子へのバレンタインチョコはkissesチョコ・・一粒ハートの形のチョコを混ぜたの・・き・も・ち・・な、あの日。
ひとり暮らしの彼の家、バレンタインにホールの手作りケーキを持って行ったの。
食べきれなかったら捨てて。え?・・・本当に捨てないよね?・・な、あの日。
・・・私たちはあの日、恋に恋をしていなかったか。
ほら、うちの夫が本当に文学好き、本好きなら少し分かるよ?
うちの夫、漫画とサスペンス本専門だから!!
なんなら、「俺、実家にハッピーマニア全巻持ってんだ」とか言ってっから!結婚10年でそう言われて、今、たった今、非常にびびってっから!!
君が恋をしているのは・・・本当に夫か?
自分の夫に恋心をもたれた事に苛立ちはなかった
なんなら(申し訳ないが)焦りもなかった
恋はルール無用だ!
と思っている私のはずだったから、夫を好きな女が何をしようが別にとやかくいう権利は無いはずだ、いや、恋はルール無用だからとやかく言ってもいいのか?いや・・(私は頭でっかちなところがある)
つまりは私は今でもあの本を読めていない。
色々全部ひっくるめて結局、自分を見ている様で、(あの頃の!!だけどな!)なんかソワソワしちゃうんだよな。という感情が残る。
なんか・・もうやめて・・私のこの感情引き出さないで・・ギブ!ギブです!!という気持ち。
これは、過去の自分への・・羞恥?
ほらそこの、首をかきむしりたくなってるあなた、それです!それ!その気持ち!(誰でも土に埋めたくなる過去があるもんだ)
さて、それとは別に、リストラしてきた相手に恋をし続けるのとか、リストラ担当者が主人公の本プレゼントするとか、凄くない?とは思う。
でも本当に、よほど親しくない限り、本のプレゼントは無い、しかも「恋歌」とかって本は男性に送るには、なんていうか・・あくが強い!!次からはやめた方がいい。です。いや、本当に。です。
後、もう本当にうちの夫、私が出会った人の中で一番性格悪いんで。後ハッピーマニアのマニアらしいんで、どうぞよろしく。
が最近思い出したバレンタインの思い出。そっと置いておく。
ただし、この本を捨てられないので、もしかしたら少し彼女に恋のライバル的意識があるのかもしれない。とだけ記しておく。
ところで、本当に「恋歌」読んで無いので、全く頓珍漢な内容の可能性もあります。ごめんなさい。不倫の話・・とかじゃ無いですよね?・・訴えていっすか?
2021.2.18(バレンタイン過ぎてました)
追記 2021.2.24
しばらく考えて、あの時、勇気を出して渡したであろう女性にもっと敬意を示すべきだったのかな?(敬意の示し方がわからないけど)(このnote内であっても)とも思ったんだけど、やっぱり、嫁には嫁の正義みたいなものがあるので、これで良い気もするのです。恋はルール無用、でも立ち位置によって変わるモラルがあると思うの。
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