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【地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島 いちき串木野市地域おこし協力隊OB 小林史和 】

『地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島』(以下:サポーターズ)について知ってもらうにあたり、昨年度はメンバーや活動紹介を毎月行ってきました。今年度からは現役の地域おこし協力隊(以下:協力隊)やOBOGの皆さんの背景にも迫っていきたいと思います。

第11弾の記事はこちら

今回はいちき串木野市地域おこし協力隊OBで、現在企画・編集・ライティングなどの仕事をされている小林史和さんの想い(第1〜3章)について紹介していきます。

焼酎がきっかけで

小林:僕は山梨県甲府市出身で、10数年勤めた会社を退職後、甲府で友人たちとゲストハウスを立ち上げて活動していました。

ゲストハウスはスタートアップということもあり無給でやっていたので「そろそろ何か仕事を始めなきゃ」と思い、ネットで検索をしていると“協力隊”という文字が目に留まりました。

甲府で活動していると、山梨県内の協力隊にも会う機会があり、何だかわからないけど皆良い顔をしていたんです。だからか「協力隊の人たちは楽しそうな仕事をしているなあ」と感じていました。

当時の僕は何をやるのかも決めていない。どうしていいかもよくわからない。でも、今はまたサラリーマンには戻りたくない。そんな状態でした。

小林史和 氏

小林:甲府に住んでいた時に同級生が営んでいた蕎麦屋に通っていて、そこでいくつかの焼酎を飲ませてもらっていたんです。

最初は苦手だったんですが、大和桜という銘柄の焼酎を飲んだ時に「焼酎って美味しいかも」と感じて、それ以降焼酎が好きになりました。

いちき串木野市の協力隊募集ページを見て「確か、大和桜って、いちき串木野市で造られていたような…」と思い、そこからノリで応募しました。募集締切ギリギリで急いで郵便局に出しに行ったのを覚えています(笑)。

そこからはものすごいスピードで話が進んでいきました。数日後に面接の連絡があり、採用が決まり、急いで引っ越し準備をして…。

そのまま山梨から所有していた車に荷物を積み、鹿児島へやってきました。応募してから1ヶ月で、いちき串木野市の協力隊として、移住定住をミッションに活動していくことになります。

写真提供:小林史和 市来焼酎 大和桜
写真提供:小林史和 着任後、大和桜の杜氏とは親交が深くなり、一緒に山梨へ出向きイベントを開催したことも(2019年)

前例のない道を拓くため、自ら動く

小林:僕にとって転機になったのは着任して2ヶ月後、東京で開催された移住フェアでした。鹿児島県の移住担当の職員と話をして「自分で色々調べたり、担当職員と腹を割って語ったりして、アクションを起こしたほうがいいよ」とアドバイスをもらったんです。

その言葉に背中を押してもらい、自分の担当職員に考えや想いを伝え、市内外問わず、色々な人に会いに行くようになりました。他のエリアの協力隊と仲良くなったり、職場で移住以外の部署の方にも話を聞いたりもして。

そうしていると、友人の輪が広がり、情報も入ってくるようになり、その繋がりから参加した『Judd.』の編集ワークショップではフリーペーパー制作における一連の流れを体感し、これは自分に合っていて楽しいと感じました。

写真提供:小林史和 協力隊1年目で参加した編集ワークショップの冊子と卒業証書

小林:2年目になると編集ワークショップの経験を活かし、移住冊子の制作に注力しました。それで生まれたのが『ALUHI(アルヒ)』です。

制作するにあたり、まずは“いちき串木野市”というまちを知ってもらえる移住の一歩手前の媒体として制作したほうが読み手に情報が入りやすいのではないか。そう感じ、コーヒーをテーマに手に取りやすく行ってみたくなるようなコンテンツにしました。

“前例がない”という壁がいくつもありましたが、地元の方やいちき串木野市出身の方にも協力していただいたことで、そこを起点にさらにディープなところまで掘り起こすことができました。ALUHIの制作を通して、さらにいちき串木野市や県内の交友関係が広がったので、やってよかったと思っています。

写真提供:小林史和 2017年に発行された 『ALUHI01』
写真提供:小林史和 2019年に発行された 『ALUHI02』
写真提供:小林史和 2020年に発行された 『ALUHI03』

友達になる感覚から

小林:「僕はすごく恵まれている、運がいい」と感じています。いちき串木野市には駅が3つ、高速道路のインターも2つあり、さらに鹿児島市までも1時間くらいで行ける距離で利便性が良いです。

他のエリアで活動している協力隊と話をしていると、ネガティブな声を聞くこともありました。せっかく身寄りや縁もないところへやってきたのに、辛い気持ちで仕事をしてほしくない。なるべく、そんな人を減らしたい。そう思っていました。

そんな時、吉村君がサポーターズを立ち上げてくれたので、僕は鹿児島市と冠嶽の拠点でコーヒー1杯飲みながらお話を訊くことが今できることかなと思っています。

写真提供:momoyori 小林氏が鹿児島市城山で運営する『momoyori(ももより)』店内 協力隊割もあるという
写真提供:momoyori “鹿児島と山梨を繋ぐ”も1つのテーマ 小林氏が信頼関係のある山梨の事業者の品も取り扱いしている
写真提供:momoyori 冠嶽拠点の外観

小林:それとLINEのオープンチャットで『かごしま移住○○掲示板』や『鹿児島県地域おこし協力隊オープンチャット』というのを仲間と運営しています。

鹿児島へ移住したい人、移住を応援したい人、仕事で移住に関わりを持っている人、そんな人たちが気軽に情報交換できる場になったらいいなという想いで始めました。

活発に掲示板が動かなくても情報が欲しい時にその人のお役に少しでも立てればというゆるい感じで。さらに、同じ悩みを共有出来ることを目的に月に1回ZOOM会も開催していて、それは丸3年程続いています。

地域に入って活動していると見られ方や振る舞いに気を遣う人は多いと思うので、ほんの少しの息抜きを兼ねて、momoyoriやZOOM会で友達感覚でお話しましょう。

現在拠点の1つを構えているいちき串木野市・冠嶽にある旧冠岳小学校前にて

(終わり)

・話し手:小林史和
1979年生まれ。山梨県甲府市出身。2016年いちき串木野市地域おこし協力隊として鹿児島へ移住。
鹿児島を選んだ理由は「焼酎が好きだったから」
いちき串木野市を伝える冊子『ALUHI(あるひ)』を2018年に発行。
協力隊任期終了後も、いちき串木野市の地方創生事業の支援や、企画・編集・ライティングなどで活動中。
2021年2月、鹿児島市城山に『まちとひとを伝えるもっとも最寄りな場所へ』をコンセプトに、カフェ「momoyori(ももより)」をオープン。
●小林史和 Instagram
https://www.instagram.com/fmkz/
●momoyori Instagram
https://www.instagram.com/_momoyori/

・取材・執筆・撮影:上泰寿(編集者)

【お問い合わせ先】
地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島事務局
お問い合わせフォーム:https://forms.gle/D3JN2SyiEWkyk68D6
メールアドレス:okosapo.kagoshima@gmail.com

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