好きな作家が死んだ
好きな作家が死んだ。
つい最近までTwitterやInstagramを更新していた人が突然この世から居なくなった。
好きだったと言っても個展に足を運んだこともなければグッズを持っている訳でもない。
にわかと言われればそれまでなのだけれど。
作品を作り出しながら、必死に日々を生きている様が好きだった。(様々なものと戦いながら生きていた彼女に対してこういう書き方は失礼なのかもしれないが、好き、という表現しか出来ない)
生み出された作品はどれも美しかった。
先日突然の訃報が彼女のSNSアカウントから発信された。
喉の奥の方を抉られた感じがした。
冷や汗がでた。
身近な人ではなかった。ただSNSを一方的にフォローしていたに過ぎない。
なのに、長い間隣にいた人が瞬きの間に消えてしまうような、大きな空洞が出来てしまったような悲しさとも違う不思議な感覚が今も続いている。
展覧会も近々開かれる予定だった。
そんな制作の様子や告知なども見ていた。
なのに彼女はこの世から突然消えてしまった。
この死が彼女の望んだものだったのかそうでなかったのかは私の知る由もなく、知ったところで何が起きるわけでもなく、ただただ私は赤の他人にすぎない。
今年の夏は絶対に死なないって、言ってたのになあ、とか
ついこの前、美容室で素敵な髪型にしていたのになあ、とか
ふと彼女のことを思い出している。
個展に行っておけばよかったとか、グッズやアパレルを通販しておけば良かったとか、月並みの思いしか浮かんてこないのが、いかに他のファンの方達よりも彼女に対する想いが浅かったのかを思い知らされる。
だけど、好きだった。
彼女の作る傷だらけの少女達の目が好きだった。たまにSNSにアップしていたタッチの柔らかな自画像が好きだった。彼女のメイクも髪型も好きだった。
自分も一気に死の瀬戸際に引きずり込まれて行くような感覚が続いている。
自分の心の中のどこかに、穴が空いてしまったまま、夏が終わろうとしている。
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