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【micorai column 11】ミコ、ありがとう


2023年1月4日。
愛する愛する私の猫が天国に行きました。

19歳10ヶ月。
腕の中で静かに息を引き取りました。

私がジュエリークラフトマンとしての修行時代。

肉体的にも精神的にも疲れきった中、ふと入ったペットショップで見つけたアメリカンショートヘアの子猫たち。

そんなつもりはなかったのに、何故かその中のこの子を抱っこしたいと店員さんに伝え、そして、またそんなつもりはなかったのに、「このまま連れて帰ります」と人生初めてのローンを組んで一人暮らしの部屋に迎えた子。

背中の皮膚に異常があり毛が生えていなかったけど、うちに来てから程なくして完全に完治し、とても艶やかな美しい子に成長しました。

それから19年、一度も病気や怪我をすることなくずっと元気な良い子。

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1歳の時は壁やカーテンに登り部屋を傷だらけにするヤンチャでも、その後歳下の弟分ライ君を迎えたら急にお姉ちゃんになり、イタズラをぱたりとまったくしなくなりました。

とても良いお手本のお姉ちゃん。

大好きでいつもいつもそばに寄り添い、たくさん面倒を見てくれたライ君の16歳最期の時は、ずっとずっとそばで毛繕いをしてあげていました。

ライ君をお空に見送ってからは、それまで普段から全く鳴くことがなかったこの子が夜中になると誰もいないリビングで、大きな声の夜泣きをするように。

暗闇の中で天を見つめて何度も何度も泣いていました。


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それから食欲が落ちて痩せ細り、腎不全も始まり、一時は私も覚悟をしたものの、それから1年、また1年、と穏やかに、静かに過ごし、シニアライフを満喫しました。


ライ君が天国に行った2020年1月3日から丸三年、夜はずっと私の腕枕で眠り、クラシックギターを弾いていると戯れてきて、ジュエリーを作っている時は冷える足元に丸まって温めてくれました。

そしてちゃんと食欲も戻り、目もしっかりと元気で。
私が湯船に浸かるとバスタブの上に座って一緒にのんびり。

食事は上手く食べれないので、私が手で直接口元に運ぶ毎日。上手に手から食べていましたが、たまに勢いよく指も噛んでしまうと、ごめんなさいという目で私の方を見ていました。

とても優しい子。


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2022年12月末。

少しずつ食欲が落ち、寝る時間が長くなりました。
1箇所から離れずずっと同じ場所で寝ていました。
ライ君が最後に過ごした場所と全く同じスペース。



2023年1月1日。

意識も朦朧として足がフラフラな状態でも、ちゃんとトイレに行き、水飲み場に行き、そして夜はそばで寝ている私の顔の横に来て「お布団開けて」と手でカシカシといつもの合図。

腕の中でまるまり、私が耳を身体につけてようやく聞こえるくらいとてもとても小さく、か細くゴロゴロと喉を鳴らしました。

私は「体力使わないで」と言いました。

でも、ずっとずっといつも聴いていたこの心地の良い音がもう聞けないかと思うと胸が締め付けられて、もっと聞いていたい、とも思いました。

そして、身体が温まるとまたいつもの場所、ライ君が最後に過ごした場所に戻って寝ました。


1月2日昼間。

私はベットの上で一緒に横になり過ごしました。
お婆ちゃんでも目はちゃんと見えていて、横になりながらじっと静かに私の目を見つめていました。

私は涙が止まりませんでした。

ライ君の命日1月3日夜。

ベットの上でずっと手で頭を撫でました。すると何度も何度も口だけを開けて声にならない声で鳴きました。私が手を離すと、前足だけを少しだけ動かし、まるで撫でてといっているかのようでした。

手を戻すとまた落ち着いて静かにしていました。


そして、ずっと立派なお姉ちゃんは、

「役目が終わったよ」

と思ったのか、命日で帰ってきていたライ君がまた空に帰る時に

「お姉ちゃん頑張ったから連れてくね」

と言ったのか、、、1月3日の深夜12時を過ぎるとすぐ。大きな痙攣もなく、静かに大きく一息つき天国に行きました。



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私のジュエラーとしての辛い下積みの時も、恋愛や失恋、大切な友人や恩人との永遠の別れも。
たくさんの笑いと幸せな時も。

どんな時もこの子が傍に居てくれました。


ライ君の旅立ちをきっかけに遺灰指輪を作り、ミコが元気な間の期間限定の制作活動としてlazolaeterno をスタートしました。

沢山の方からのご依頼に恵まれ、彫金デスクで製作していると、ミコが構ってほしいと、そばに来て私のことをよく見上げていました。

私がそこにいる時だけ、冷える足元の上で丸まってくれたり、膝の上で寛いでいたり、お納めする子たちの写真を見ながらミコとお喋りもしました。


私の制作活動をずっと応援してくれていたように感じます。


今、リビングに置いてある骨壷と写真は、ライ君とミコが並んでいます。

やっぱり、このセットが心地よくしっくりくるね。
やっぱり、2人がいいよね。
そう思います。

ミコお姉ちゃんは、3年間私の面倒を見てくれて、今はまたお空でライ君の面倒を見ていると思います。

頑張ったね。

偉いね。


親よりも誰よりも長く一緒の時を過ごした愛する子。

お空でゆっくりしてね。

ミコ、ありがとう。

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今、私の指には2人がいます。
製作中もこの2本の指輪をしています。
今までライ君の指輪だけだったけれど、2本になってとてもとてもしっくりと落ち着いています。

これからもミコちゃんとライ君と私で、大切な宝物を作り続けたいと思います。

ミコ、ライ、こっちにも少しいてね。

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