女性に対するAEDの救済がほしいのなら

 なぜか、またAEDの話題が持ち上がっていたので少し触れるが、男性側にAEDを利用して欲しい。という声は未だに絶えないようで。

 この話題は前にも触れたが、法的なリスクを強調するのは必ずしも論点を正確に把握しているとは言いがたい。それ以外の、男女における身体の差に対しての意識や扱いの差が産んだものであるという結論を述べた。

 法律的な側面だけを強調しているせいなのか、その問題点だけを主張すれば問題は解決するだろう。というような方を見受けるが、勘違いもいいところだ。

 どれだけ説得をしようとしても、話が進まないだろうこの問題であるが、なんとかしてAEDの利用を進めるためにはいかにしたら良いのだろうか?


 一つは、男性からの救済を諦めることだろう。これだけの心理的、物理的な抵抗があるのなら、いっそ男性からの救済を求めずに女性だけで行うか、せいぜい医療関係などのプロかに限定すべきである。
 男性に求めること自体が無理難題なのだから、最初からそんなことを避けるべきだろう。そのコンセンサスがあれば、ある程度は問題を防ぐことも出来よう。互いの心理的な抵抗を考えても理にかなっている。


 もう一つは、男性の心理負担を減らすために、訴訟や非難リスクを全力で封じにかかることだろう。万が一がないように訴訟してこようとする馬鹿げたことを全力で潰すくらいの勢いで周囲から批判するとか、救助した本人を責め立てるような言説をそれこそセカンドレイプとでもいわんばかりに封じるくらいのことをすべきだろう。
 そこまでしないと、いったん形成された心理的抵抗などを解決することは出来ない。不安を除去して欲しいなら、その原因を根本的に見つめ直して、取り除かないと不可能命題だ。
 反対するものもいるだろうが、女性の体に対する扱いが難しい現代では、強烈にやらないと罰が当たるくらいだ。なんだったら報奨金でも出して良いかもしれないくらいである。


 簡単に書いたが、本当にやってほしいというのであれば、正直これくらいは厳しいという自覚はして欲しい。



 

2023/3/23 追記

 この話題はループしているからのようにたびたび出てくるみたいであるが、今回見ていると、今度はAEDを利用しないリスクを強調して、何とか(男性に)利用をさらに進めるべきであると圧力をかけるようなことをしている意見が散見される。

 しかし、私からすれば全くの逆効果だといえるだろう。すでに複数の要因から触れることを避けるべき側面が強調されている状態で、原因や不安を取り除かずにさらにリスクを強調したところで、相手はより頑なになるのは目に見えている。

 不安に不安をよりぶつけたとしても、余計に相手は不安になるとは考えられないのだろうか?普段から相手の気持ちを考えてほしいとか、見る人のことを考えてほしいとか、感情面が何かと出やすい分野なのだが、まるで相手のことを考えていないのでは?という思考が何度も駆け巡っては消え、また駆け巡るという感じでもやもやしてしまう。

 いや、考えてはいるだろうが、それは救助される人のこともあったうえで、相手の心理をすべて正確にとらえていないがゆえの意見を出しているのだろう。その想像力のなさと相手への無配慮とも思えるような振る舞いに、余計な怒りが噴出しているとは夢にも思ってないほどに。

 しないことをリスクとして提示する行為は、まさに「北風と太陽」の寓話そのものではないかとも思うが、悲しいことかな。男性には太陽のような自然に促すようなこともでてこなければ、その太陽ですら北風のような厳しさを提供しているのに、寓話のような太陽だと勘違いしている。


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