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本当のピルとの付き合い方~簡易まとめ HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)とともに~

HPVワクチンに関して、つい先日ワクチン接種を褒めてほしいなどという投稿がバズッていたようだ。

数年前にようやく接種推奨とはなっているようだが、そうなったとしてもいまだに接種率は低い(過去に調べた際に見た、インフルエンザやはしかよりも低い数字)


(Yagi A et JAMA New Open 2024 ePub)

過去に書いたのだが、なぜHPVワクチンはここまでほぼ「日本だけ」で忌避されているのかを箇条書き程度だがまとめておく。(詳しく書いた過去記事は以下となる。)

1 結論はすでにここにしかないのだが

結論はすでに書いたのだが、ほぼ日本でHPVワクチンが忌避されているのは

女性に対するリスク回避思考が高すぎる

ことだろう。

なぜそう考えるかを箇条書きでまとめる

・そもそも他のワクチンにも同様の副反応リスクはあるだろうが、HPVワクチン以外にマスコミなどが大きく反応し、他国には類を見ないほどの中止・拒絶をされている事例が存在しない。
・同様の事例にピルがあり、こちらもほぼ日本だけで導入が大幅に遅れる結果となった。
・双方とも女性が主だって主体的に接種・利用しようとしたものであるが、双方とも副作用が懸念される声が大きく、医師がいかに危険性の低さを提唱しても、利用率の低さ、副作用懸念の強さは現在でも語られている。
・フェミニスト、リベラルなどからの声がないもしくは忌避されることもあり、これも他国にはないとの指摘もある。
・他人に対して責任を求める姿勢(マスコミ、医師会、男性など)

短くまとめるとこのような傾向がある。

エビデンスなどは各自過去記事で参照してもらうとして、明らかに同様の事例かつ大きな反応がある事例は、探った限りでも存在しないだろう。
しかも医者が必死に安全をPRしていてもだ。

まとめるとこれだけのことなのだが、お医者さんもそれ以外もそれを認知している人は乏しすぎる。

本当なら女性に対するリスク需要の在り方を問題にすべきなのだ。

2 ちなみに 男性のHPVワクチンに関して

ついでに今回急にワクチンの話がバズっていたのだが、男性のHPVワクチンに関しても言及があったので紹介する。

まあ、確かにイギリスでも男性差別という主張はあったが、それはそもそも「女性側の接種が既に滞りなく進んだから」という前提がある。

しかし、日本はそうではないのだが、そんな状況で男性差別だというと別の意味合いが付与される。

・男性を巻き沿いにして、女性に対するHPVワクチンの普及に利用している
・既に接種をPRする男性は、ある種の性役割(男性が危険を顧みず矢面に立つこと)に使われてしまっている。

単純に男性のみが費用面や健康面で不利益だから駄目だという話ではない。

そこに他人(女性)の利益があるから巻き添えにするという発想があり、そこに男性差別という文言を載せて、まるで男性の利益があることだけという話で覆いかぶそうとしている(普段、他の男性差別について冷淡な態度や無関心なのに、この件についてこれこそ訴えるべきという人間は、何らかの形で理解しているのだろう)。

男性に役割をかぶせるということ及び女性のリスク回避という側面を隠しつつ、それを周囲に理解させないまま取り組んでいるから、他人にこの問題を把握させるためにかなり面倒になっている。

既に複数「男性だけど」や「費用が多くかかったが」「ゲイだけど」「童貞だけど」などといったうえで、すぐにやったとか10万円かかったとやったという声がいくつか見かけたが、当の本人たちの意識はともかく、結果として性役割を強調しているかのように映ってしまっている(また、そういった声が下手にバズッているため、より効果を高めているだろう)。

下手をすれば下記のように男性だけがやらされるようなことにもなるかもしれない(まあ、性差別抜きで語れば、このやり方が現代日本では一番手っ取り早いだろうけど)。


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