女子枠の批判自体がヘイトスピーチ?



 ネット上における署名サイトである「Change.org」というサイトで、東工大の女子枠に対する見直しの署名を集めていたものが、突然ヘイトスピーチに該当するという理由で削除された。

 なぜなのか?という疑問に対して、未だに返答はないようだがこれを見ただけでは釈然としない。アファーマティブアクションそのものに反対したからだろうか?という疑惑もある。だが、反対したこと自体には何ら問題ないと考えられるし、反対派をつぶしたいと思われるところも見受けられるのだ。


1 そもそもアファーマティブアクションに反対するのはヘイトか?


 結論から言えば、この制度にはいろいろな意見があり、肯定する側もいれば否定する側もいるというものであるから、制度そのものに反対したからといって、ヘイトスピーチに該当するというのは当てはまらないといえる。

(1)典型的な反対理由

 

 アファーマティブアクションに反対する理由として典型的に出される理由としては、制度そのものが優遇されない属性に対する差別という意見であろう。

 合格水準レベルであっても、それより劣る学生がそのまま入っていくのだから、成績によらない部分によって合否を判断されてしまう。能力があっても属性ゆえに排斥されるという典型的な差別構造を産み出す本末転倒な展開になるという批判がある。

 その他にも、能力が劣った人を無理に入れたとしても、学力についていけずに結局退学するような憂き目にあうなどといったことや、そういった制度のおかげでは入れたのだろうという偏見を助長することも起こりうる。

 こういったあらぬ弊害や差別の発生が考えられるからこそ、制度そのものがよくないのではないか?という批判が出てくる。

(2)法律でも必ずしも制度を保護していない


 アファーマティブアクションについては、自主的にいこなっているところもあれば、法律上制定されている国家などもあるが、必ずしも制度そのものを擁護するというわけではない。

 有名な判例としては、アメリカのバッキー訴訟というものがあげられるだろう。

 白人男性が、自分よりも低い成績の黒人男性が入学できているのが意見だとして艇をしたものであり、1978年連邦最高裁において一定の枠を有色人種などに与えていることは違憲であるとした。

 法的に守られているようにも思われてはいるが、実際にはこういった判決によって制限を受けている部分もある。ということは認識しておいたほうがいいだろう。

(3)優遇される立場からも否定する声もある


 もちろん、こういった政策は優遇される属性側から反対されることも珍しくはない。先にも上げたが、自分たちが制度によって優遇されたからこその地位だと思われることについて、よく思わないというようなことも挙げられる。
 中には共和党に所属していたこともあるライス元米国務長官といった人物が、制度そのものの効果を疑問視して、反対意見を表明していることもある。

 これだけでも、この制度は簡単にどちらが正しいのかどうか?ということを判断しにくい面もあるだろう。様々な意見が今なおぶつけられる制度であるだけに、簡単にヘイトという判断を下すことはできない。どちらの言い分にも理由があるのだから、公平な立場で見るのなら署名も認めるべきではないか?


2 Change.orgを作った人などに関しての怪しい話


 本件における署名そのものがヘイトになるのかという点については、前述したとおりであるが、ここで少し怪しいうわさがこの署名サイトにはある。

 それは、本件サイトには左翼系に有利な内容が届きやすいことや、運営している側にも左翼系の人物がかかわっているのではないか?という点である。

 このサイトの日本代表はハリス鈴木絵美氏ではあるが、そもそもこの署名サイトにて、かつて、松江市教育委員会が、市の小中学校に「はだしのゲン」の閲覧制限を求めたことに対して、反対する署名活動を行った人物である。

 漫画の内容については、反戦的なメッセージや日本の戦争について批判するような描写が多くあるが、これ一つとっても左翼系ではないかともいわれている。また、サンデーモーニングといったような番組に出演しているようなこともあり、思想的には左翼系なのではないだろうか?と考えられるのだ。

 また、このサイトの出資者の中には、アリアナ・ハフィントン。つい先日も話題になっていた、悪名高いハフィントンポストの創業者の名前だけではなく、朝日新聞の元社長である木村伊量という人物がかかわっている。

 人物的にもなんだか怪しい人物が登場するがこれだけではない。日本における2019年の受賞した署名もあるが、ここもかなり左翼系の主張を色濃く反映してる署名が受賞している。内容を見てみると

コミュニティ賞
法務大臣へ、性犯罪における刑法改正を求めます。 ~for a legal form for the law regarding sexual violence~
◯ カルチャー賞
あいちトリエンナーレ『表現の不自由展・その後』の作品撤去・中止をしないでください。
文化庁は「あいちトリエンナーレ」に対する補助金交付中止を撤回してください。
<2019 Change.org Award>
#KuToo 職場でのヒール・パンプスの強制をなくしたい!
一人のつぶやきから始まったオンライン署名は流行語大賞トップテンに選ばれるなど、SNS時代を象徴するようなムーブメントに発展しました。

https://www.change.org/l/jp/2019%E5%B9%B4%E3%81%AE%E5%8F%97%E8%B3%9E%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%92%E7%99%BA%E8%A1%A8%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99
より

 5つの賞があったのだが、そのうちの3つが明らかに左翼系の主張が色濃く反映されている署名がランクインしている。こういったところからも、左翼系の思想が色濃いものを運営側が選んでいるのではないだろうか?と考えられる理由なのだ。

 その他にも、複数の疑惑があがっているが、その中にも左翼系のものが多いのではないか?という話があがっている。

 こういったことを考えると、本件も女性優遇的なアファーマティブアクションに対する批判についても、それを妨害するために仕組んだのではないか?と疑われるわけだ。


3 他にヘイトの理由はあったのか?言論弾圧の可能性


 怪しい部分があるのだが、もちろん他にヘイトに該当するような部分があったのであればその部分をだすべきだろう。

 この記事を作っている状態では、どの部分がそうだったのかということは何ら示されていない。

 理由次第では、ヘイトであるというものではなく、都合の悪い意見を封殺するという言論弾圧を行ったというべきだろう。

 本来、署名というのはいろいろなものがあり、自分の主義主張に合わないこともあるだろう。しかし、だからと言って自分に合わない意見を強引にヘイトであるとして削除するのは、言論弾圧であり当然認められるようなことではない。

 しっかりとした理由明示もなしに一署名を封殺するというのであれば、署名サイトとしての看板を下ろすべきであると強く抗議したい。


追記

別の形で署名を再開したそうです。

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