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19.02.2025 Tooth fairyの業務を忘れてしまった
弊社で雇っていた運転手が失踪した日の翌日であった。
長いことGMのパワハラに耐えていたスタッフたちが我慢の限界を迎え、社内紛争が勃発。GMをクビにできない弊社経営陣が取った苦肉の策は「末端のスタッフが業務でGMに関わらなくてもいいようにする」で、その間に入る、つまりGMの代わりに他部署のスタッフのフォローをしたり書類を確認したり承認したり通訳翻訳して社長に伝えたりする緩衝材に見事選ばれたのが私であった。突如爆増する私の業務。もちろん特別手当などない。
それ以来ずっと、私は仕事が終わって家に帰るとほぼ死体である。
それでも原稿だけは落とせないので土日でなんとかこなし、昨日やっと脱稿したのでこうして日記を書いている。20代の体力が欲しい。社畜をやらずとも生きていけるぐらいのお金でもいい。できればお金がいいかな。神様聞こえていますか。
──という訳で、ここのところ私は仕事中以外あまり脳が働いていなかった。そしてついに、今まで一度も欠かすことのなかったTooth fairyの業務を忘れて寝てしまったのである。
昭和の日本に生まれた私は、乳歯が抜けた時「上の歯が抜けたら縁の下に、下の歯が抜けたら屋根の上に投げる」という風習で育った。これは日本国内でも地域によってディティールが違うらしい。ちなみに私は秋田県産です。
我が息子たちは西洋のアニメを見て育ち、「抜けた歯を枕の下に入れて寝ると夜中に歯の妖精がやってきてコインと交換してくれる」という風習で育っている。
おかげで親は我が子の歯が抜けた夜、子どもより先に寝ることは許されない。子の寝る時間が遅くなるにつれどんどん過酷になるサンタ業務と同じである。
私は長男が見ていたPeppa pigというアニメを見るまでTooth fairyの存在を知らなかった。
子どもたちが英語好きにならず日本語しか話さなかったら、一生知らなかったかもしれない。
トランスフォーマーの映画で、小さな女の子が夜に突如現れたでかいロボットに「Are you a tooth fairy?」と問いかけるシーンで笑えたのがちょっと嬉しかった。
昨夜のこと。ふと次男が抜けた歯を見せてきたことを思い出した。お〜抜けたかぁって頭を撫でて、いつもならすぐに10バーツコインを用意するのに忘れた。忘れた…!!
てか抜けたって言ってたのいつだっけ!?昨日!?一昨日!?といつかすら思い出せない。自分の脳のパフォーマンスがだだ下がりしている。疲労やべぇ。
慌てて次男の枕の下を確認したら歯が鎮座していた。
ああああと絶望的な気持ちで、財布から10バーツを取ってきて歯と交換した。
朝枕の下を確認した次男はどんな気持ちだったろうか。がっかりしただろうか。夜寝る時にコインに気づいて、「昨日(一昨日?)なんで来なかったんだろう」なんて言うだろうか。
そして私は次男が眠る前に寝落ちした。疲労〜!!
そして本日。帰宅してすぐ枕の下を確認したら10バーツコインはそのままだった。
歯が抜けた翌朝に無かったから、もう確認しなかったのかも。申し訳ない気持ちになった。
それから、日課のハグをしながらさりげなく次男にどこの歯が抜けたの?と見せてもらい、さりげなく「Tooth fairy来た?」と聞いた。
すると次男はベッドルームに駆け込み、出てくると10バーツをOKのサインのように親指と人差し指で持って誇らしげに見せてくれた。
ん?もしかして…
「忘れてたの?」と聞いたら
「yes」だって。
忘れてたんかーい!
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