野心
野心なんて言葉は大嫌いだった。
欲丸出しでカッコ悪いと思っていた。
欲は隠すもの。
欲を出してもいいことない。
ダサいと思ってた。
最近色んな現場で悔しい思いをしている。
私だったら。
私にさせてくれ。
そう思うことが増えた。
だけど色んな大人の事情や業界の仕組みによって、今の私はそこには立てない。
実力も経験も少なく、私自身お金にもならない。
運良く立てても、○○さんの代わり。
あの人たちが動かすお金と、私が動かすお金。
価値はお金では決まらないかもしれないけど、
結局はお金。
なんとも言えない空気の現場にいることがとても苦しい。
誰も私の本当の姿を知らない。
それが悔しいし、
だからこそこれからが楽しみでしかたないともおもったりする。
いつか驚かせてやる。
わたしに野心が生まれ始めた。
というより、元々あった野心細胞(※ユミの細胞たちより)がやっと目を覚ましたのかもしれない。
おはよう。
あなたの出番だよ。
私本当はあなたが目覚めるのを待ってたよ。
暖かく歓迎してあげる。
2ヶ月ほど前から貯金はほぼゼロで、
財布をあけて四千円が入ってるのを確認しては
ほっとした。
うふふ、だけど生きてるから、生活してるから、お金は出て行く。
どうやって今日まで生きてきたのかもう思い出せないくらい毎日余裕がなかった。
(もやしのスープをひたすら作って食べていた記憶が...)
本業をやりながらアルバイト。
本業の仕事終わりに有名な方のお家に招かれて高級しゃぶしゃぶとお寿司とお酒をいただき、
ベロベロになりながら頑張って夜中に帰宅。
次の日4:30に起きて早朝のアルバイトへ。
昨日のあの時間は、
夢でもみていたのではないかと涙が出そうになる。
そして二日酔いの体で朝から働く私がとんでもなく醜く見えてしまう。
わかってる、きっと全然醜くない、ただ悔しい。
こんな苦しい生活はもうきっとおわる。
始まったらおわる。
落ちるとこまで落ちたから、終わらせる。
私の愛してやまない憧れの彼は、
いつも野心剥き出しの言葉を音楽に乗せて伝えてくれる。行動で示してくれる。
とてもかっこよくて羨ましかった。
彼は野心と一緒に不安も持ち、
曲を創り続けている。
それは不安を打ち消すためにしているようにおもう。
私は、彼の音楽と出会って、
野心を持つことで自分を奮い立たせるという技を身につけた。
悔しいという気持ちが私の心に火をつけるみたい。
なんの意地か、プライドか、
「売れたい」と素直に言えない人間だった。
だけどいまは言える。
私は売れたい。
売れる。
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