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田舎の牧場に就職した話②

田舎の牧場に就職してみて、沢山のことに驚きました。

ちんちくりんだった私は労働基準法や、農業の特例など、労働法規に疎く、特に吟味もせずに就職をしてしまいました。

そこで初めて直面した現実は相当過酷なものでもありました。

まず、義務教育で教えてほしかった!と思うレベルで驚いたのは、残業代について。

労働基準法上、農業においては残業、休日労働に対して割増賃金を支払う必要はないということです。さらに労働基準法上の休憩規定も適用除外となっています。
また、固定残業代にも頭を抱えてしまいました。
固定残業代とは、一定の時間外手当を付すことで、残業時間を問わず労働させることが可能になるというものです。

つまり、端的に言えば1年単位の変形労働制+固定残業代支給という形をとれば、企業はそれ以上の人件費を払う必要がないということです。

働く側から見ると、どれだけ働こうが、固定残業代のみの支給なので、定時に上がるのが大正義となるのですが、経理はその日の1番最後に金庫に施錠をして帰る役割があったので、毎日残業確定であったのは言わずもがな。
しかも誰よりも早く出社して金庫からレジの現金を用意する事も担当していたため、朝も早い。

この時きちんとした知識があれば、国の定める最低賃金を下回っている分の給与は請求できたのですが、浅学非才で陰々鬱々の私にそんな強者ムーブメントが出来る訳もなく、給料は額面で固定残業代を含む19万円。
諸々の源泉徴収の後で手元に残るのは14万円ほど。

なかなかの薄給に加え、入社年次がコロナの流行と被り賞与0円と運要素も0点。
薄給と長時間労働によってメンタルもプライベートの時間もゴリゴリに削られてしまいました。

直接農業に従事せず、業務の量が年間を通して変動しない経理やその他事務職にも農業特例が適用されるなんてビックリです。それが当たり前だと納得出来る人がどれほどいるのでしょうか??

国の大切な産業である農の雇用を確保していくためにも、この辺りのいい加減な線引きはもう少し厳密に行うべきではないかと思います。

また、労働者側も法規を知って、自分や家族を守り、法規を時代遅れにさせないために声をあげるなど、自助努力+αが必要なのかもしれません。


そんなことを思うままに、だらだらと労働とお金の話をしてしまいましたが、次話では、そんな中でも3年近く働いて、得られたスキルや貴重な経験をした話を書きたいと思います!

もし読んでいただいた方がいれば、本当に嬉しく思います、ありがとうございました🙇‍♂️

つづく

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