2024年の同人誌づくりの話

※二次創作BL同人誌についての記事です。

今年も早いもので12月。
去年と同じように、この1年の同人誌づくりについて記事にまとめようと思います。例年と同じく「印刷にあんまり強くない人間が手探りでやった装丁、同人誌のノウハウを共有する」的なやつです。どこかで装丁に悩んでいる同人パーソンの助けになるといいな。


3月に出した本(リソグラフ2色刷り)

  • 印刷所:レトロ印刷

  • 表紙用紙:表紙代わりのトレーシングペーパーカバー

  • 本文用紙:[中厚紙] 富士わら紙

  • 仕様:A5 / 8P / 中綴じホッチキス製本 / 本文2色刷り(青 / 蛍光ピンク)

多色刷りアイテムで使ってみたいと思っていたレトロ印刷。あそびカタログという印刷見本がめちゃくちゃ豪華でワクワクします。去年これを見ながら三色刷りの表紙をワクワク検討していたのですが、規約上成人向け印刷物は刷れないと教えてもらい断念。(同人専門じゃない印刷所は特に規約を熟読すべきですね……反省……)

今年ついに全年齢の話を描いたので満を辞して頼んでみました。8ページと短い漫画だけど装丁で楽し気にしたいな~と本文二色刷りの中綴じ冊子に。

表紙代わりのトレーシングペーパーカバーは標準でついてきました。リソグラフの特性上インクが完全に定着しないからだそう。ミシン糸製本にしたかったのですが、8ページだと薄すぎて難しいとのことでホッチキス製本に。

本文はインキ濃度でいろんな表現ができそうなので、今回はトーンでなくグレスケ原稿に。二色で本文を描いていき、最終的にグレースケールに変換しました。

左:蛍光ピンク版 真ん中:青版 右:刷り上がりイメージ
刷り順はより濃い色の青を2色目にしました。 

このグレースケールにする際の濃度決めが非常に難しい!色が乗ってる状態とグレーで見え方が違く、不透明度の落としどころを決めかねました。結局モニター上でいい具合に調整したグレーが、印刷してみたら思ったより濃く出てしまいました。逆光のコマでキャラの表情がかなり暗く潰れてしまったため、再版のときに濃度を修正しています。

左が初版、右が再版
初版は思ったより濃度が濃く出てしまいました

作業するときはレトロ印刷のカラーチャートとにらめっこしながらグレーの濃度を決めるわけですが、試し刷りをしてみないと微妙な濃度の塩梅はわからないですね。印刷物を一発で決めるのは本当にむずかしい……。

びっくりしたのが中綴じ製本だと自分で面付けをしなければいけないという発注仕様!しかも色ごとに版分けしなきゃいけないから倍混乱。

こんな感じに自分で左右ページを面付したpsdを作らなきゃいけない

8ページだから良かったものの、24ページとかだったら絶対頭がこんがらがって乱丁してました。8ページの本だからチョロいと思っていたのに、入稿用のデータを作るのに激しく時間がかかってしまいました。不備はなかったのですが、入稿後に電話で「リソグラフの特性上こうなってしまいますが問題ないですか?」と丁寧に確認してくれました(QRコードは読み取れなくなっちゃうかもしれない、等)。オフセット印刷とは仕上がりが違うので注意点が多いのかもですね。

ざらっとした富士わら紙に、蛍光ピンク×青の二色刷り
インクの混ざりがきれいです

リソグラフの質感は期待した通り風合いがあって素敵!データの時点で薄墨のようなブラシを使ってザラッと感を出してたんですが、富士わら紙とリソグラフインキの質感だけで十分だったかもしれません。

6月に出した本(透明パール箔押)

  • 印刷所:STARBOOKS

  • 表紙用紙:NTラシャ_スノーホワイト<170> PPなし

  • 本文用紙:OKアドニスラフホワイト<73>

  • 仕様:B5 / 30P / 表紙にパール箔押

去年お手伝いした装丁で使ったリフレックス透明箔がすごく素敵だったので、個人誌でも箔押ししてみたいな~と思ってました。
Xで箔押しの作例を検索してたところ、「箔押しを強めにプレスしてもらった!」というポストを発見。「箔押しを強く押してもらう」なんて思いつきもしなかったので目から鱗が落ちました。強めに押すと空押しみたいに紙が凹んで、箔のフチに陰影ができるんですね。
さらにいろいろ作例検索してたらこんな記事を発見。

紙と同系色の箔押しってオシャレァ~~
同系色だと箔押し部分がすごく微妙なニュアンスになるし、強めに押してできた影も映えますね。本の内容もしっとり系だったので、同系色しっとり系箔押しで攻めてみようと決めました。

そもそも同人印刷通販で「箔押し強めによろ」みたいな注文ができるのか?と疑問に思い、箔押し強そうな2社に問い合わせしてみました。結果2社とも追加料金なしでできますよ、という回答。その内かなり前のめりに箔について補足説明してくれたSTARBOOKSで刷ることに決めました。(さすが箔押しつよつよ印刷所)

刷り上がりはこんな感じ。ロゴ部分だけ箔押しし、紙が少し凹むように強くプレスしてほしいと注文しています。

紙とツルツルの箔の差がいい感じ。角度で箔がピカッ!と光るのも良い

上の作例記事のように白×透明の微妙なニュアンスにしたく、表紙をざらっとしたNTラシャスノーホワイト、箔を艶のあるパール箔に。よくよく見ると箔押し!くらいの存在感にしたくて主張の強くないものを選んだ気がします。紙と箔の質感差を強調したかったのでPPはなし。

箔部分が凹んでいる

事前に「箔押しのプレス具合については、仕様や作業時の環境に影響を受けるので完璧に希望通りにはならないかもしれません」と言われましたが刷り上がりはイメージ通り。この微妙な凹凸をやりたかったんだ〜。
「溜まった水が溢れ出す」的なテーマの話だったので、凹んだところに光沢のある箔がのってるのが水たまりみたいで合ってたかも。これは後付け装丁意図です。

本文用紙はOKアドニスラフホワイト。はじめて使いましたが、名前の通り普通のアドニスラフより白色度が高いんですね。アドニスラフと同じザラっとした質感だけど、OKアドニスラフホワイトの方がスミとのコントラストがビシッと出ます。

上がアドニスラフ、下がOKアドニスラフホワイト

この本ではじめて背景作画のために3Dをがっつり使ってみました。風呂場という狭い空間でわちゃわちゃする話だったので、背景描けないと状況が全然わからなくなっちゃいそうで……。以前はノートPCのトラックパッドでオブジェクトとカメラを動かすのが難しすぎて断念したのですが、今回ちゃんとマウス繋いだら嘘みたいに操作しやすくなりました。
作業スピードは速くなったものの、3D使うと背景がカッチリしすぎちゃうかも。塩梅がむずかしいですね。

10月に出した本(カバーと帯+スミと金インキ二色刷り)

  • 印刷所:緑陽社

  • カバーと帯用紙:ハイマッキンレーアート135kg マットPP

  • 表紙用紙:ハイマッキンレーポスト 200kg PPなし

  • 本文用紙:モンテシオン56kg

  • 仕様:B6 / 302P / 緑陽社のコミックスパック+スミと金インキ二色刷り

分厚い再録本をはじめて出しました。2年間で出した6冊分+描き下ろしで300ページ前後になる予定です。自分が再録本に求める条件を考えて、

  • A5かB6のコンパクトサイズ

  • 厚くても開きやすい、めくりやすい

  • 耐久性のある装丁

というような本にできればな~と仕様を考えはじめました。

A5かB6か問題

サイズはめちゃくちゃ悩みました。最近よく見るB6サイズの再録本、読みやいし、商業コミックみたいでかっこいいし非常に好きなんですよね。しかも縮小された作画って密度が詰まってなんだか原寸より良く見える……(SNSに上げた本文サンプルをスマホで見ると良く見えるのに、B5で印刷されたものを見るとスカスカに見えちゃう現象、ありますよね)
しかし普段の本がB5サイズなので、縮小率の低いA5の方がトーンや線の潰れの心配が少なそう。普段のトーン線数が75線と高めだし細い線も多いので、B6に縮小した場合の仕上がりは気になるところです。う~ん悩む。自分の絵柄にあった再録サイズがわからない!

というようなことをXで呟いたところ、「オンデマンドで一冊試しに刷ってみればいい」と有識者が教えてくれました。たしかに!B6サイズでテスト印刷してみて潰れ具合を確認してみるのは良さそうです。
調べたところ1冊から刷れるオンデマ印刷サービスは複数あり、私の好きなモンテシオンで本文を刷れるところにお願いすることにしました。

B5 > B6への縮小データ作成

ともあれテスト印刷用のB6入稿データが必要です。聞くところによると、再録作業の面倒くささの8割はこの縮小原稿データを作るところにあるらしいではないですか(再録作業中のフォロイーの阿鼻叫喚ポストが思い出されます)。とりあえず検索で出てきた記事を熟読。

目次の量からしてとんでもなく大変な作業の予感!記事を参考に下記の手順で縮小データを作りました。ツールはClipStudioEXです。

  1. Googleスプレッドシートで台割作成

  2. 元原稿のclipデータから70.60%に縮小した統合psdを書き出し。ノンブルはなしで。

  3. B6の再録用新規cmcを作り、書き出した統合psdを読み込む(ページ管理 > ページの読み込み)

  4. 再録用cmcで300Pの通しノンブルを振り直し、B6サイズで入稿用psdを書き出し

おおむね記事のとおりなので詳しくはそちらを参照いただければOKなのですが、2点ほど留意点を。

元原稿縮小時のトーンの出力設定

クリスタで元原稿clipを縮小書き出しする際、トーンの出力設定というのを2種類から選べます。

階層深いとこにあって、再録作業するまで気づかなかった
  • 出力倍率に依存する(トーンが書き出し時の縮小率に合わせて縮小される)

  • レイヤー設定に従う(トーンがレイヤー設定などの線数を維持して、縮小せずに書き出される)

要はトーンを原稿の縮小率と一緒に縮小するか、トーンだけ等倍にしておくかという設定です。これもどちらの設定が自分の絵柄に合っているかわからなかったので、全く同じ本文ページでどちらのパターンも作成しテスト印刷で比較できるようにしました。
結果的に私の場合「出力倍率に依存する」設定の方が綺麗に見えたので、本番ではそちらを選択しています。(75線トーンをB5 > B6に縮小しても、潰れやモアレはあまり気にならなかったです。)

再録用のcmcを作る場合

私の場合、元のB5のclipデータからノンブルを非表示、70.60%縮小、統合したpsdを一旦書き出し、再録用にB6サイズで作ったcmcに300ページ分読み込んでノンブルを振りなおし、改めてB6サイズpsdとして書き出す、という流れでやりました。(100ページ以上のcmcは作れないという記述もありますが、100ページ以下でcmcを新規作成し、ページ管理 > ページの読み込みを行えば101ページ以上のcmcが作れます。)これならいつもの原稿と同じように3Dプレビューもできるし、ページの追加や入れ替えも容易なので便利です。が、300ページのcmcデータは環境によってはめちゃんこ重いかもしれません。その場合別の手法をとる必要がありそう。

テスト製本到着

そんなこんなで製本直送.comで作ったオンデマ製本が届きました。

厚!
入稿にあたって表紙に成人向け表記が必要だったので雑に入れてある。

B6判、本文用紙はモンテシオン(菊判39.5kg)、280ページを1冊頼んで1,705円でした。ペラペラしてみた感じ非常によく開いて読みやすい!致命的な作画潰れもなさそう。

比較用に同じ本文を違うトーン出力設定で書き出してみたので比較もできます。

比較用に、トーンの書き出し設定を変えた同じページをいれてみた
『レイヤ―設定に従う』の方は、トーンだけが等倍なので粗くなってますね

トーンが縮小されてもモアレはほとんど気になりませんでした。むしろトーンを縮小しない方が、元原稿と印象が変わってしまってよろしくない印象です。ここは絵柄次第なところもあると思います。
テストの結果、縮小しても問題ない仕上がりになりそうなためサイズはB6でいくことに決めました。

装丁検討

本文の縮小と製本サイズの問題が解決したので、今度は表紙の装丁。耐久性を考慮してカバーつき+原作にちなんで金色モチーフでなにかやりたいな~とぼんやり考えていました。金色なら箔押しかな……と考えながら表紙デザインラフを作る。

こんな感じにカバーにまたがった金色箔押しをやりたい!

作ってみたもののこんなに広範囲かつひとつなぎに箔押しできるのかしら……と疑問が。検討していた印刷所に上記の画像を添付して質問しました。

Q. 『B6カバーへの広範囲な箔押しについて、添付画像の赤線のような形でカバーに図案を箔押ししたいと考えているのですが、折り返し部分や背を跨ぐ箔押しというのは可能でしょうか?(折れ目の部分に問題が出ないか、面積が広すぎないか懸念しています。)』

A. 『表1・4から背にかかる部分は、きっちりと折り目がつく訳ではないのでそこまで剥がれのリスクはないと思うが、折り返しの部分はきっちりと折り目がつくので、その部分の箔の定着が弱くなる。箔が折れる部分や断裁にかかる箔については、箔が剥がれる恐れがあるためあまりお勧めできない。
面積については、これほどの面積を1回でプレスする事はかなり難しいので、3ヶ所~4ヶ所に分けてプレスすることになると思う。仕様によるが、特注凸版になるため数万円~数十万円程度かかる見込み。』

印刷所とのメール要約

数十万円!!!それはお財布が非常に痛いです。耐久性の面でも問題がありそうなので箔押しの線はナシに。ギラッとした金にしたかったので残念ですが……。
となるとメタリックな金を表現するためには金インキかメタル紙になってきそうです。メタル紙と白版を使った表紙は過去にもやったので、今回は使ったことのない金インキをやってみることにしました。
箔押しでなく金インキにする場合、金色の面積の制約もなくなるので、どうせなら帯を全面金にしてみます。これは金インキのメリットですね。

好きなだけ金を広範囲に印刷できる!そう、金インキならね

悩んだのはスミと金インキの刷り順。金インキは普通のインキと違うようで、重ね順や下の絵に影響を受けて色味が変わっちゃうとのこと。ちょうど参考になりそうなサイトがあったので助かりました。

どちらが上でもインキが重なる部分は発色悪くなっちゃうんですね…………となるとなるべく二色が重なる部分を減らしつつ、やむを得ず重なる部分は発色悪くても大丈夫なデザインにしなきゃいけない……や、ややこしい。
インキを重ねる/重ねないことを『ノセ / ヌキ』というのも初めて知りました。これを踏まえて表紙のデザインを微調整します。

インキを重ねない『ヌキ』のデザインを作る際、二色の印刷ズレが発生したときに隙間が空かないように図案を重ねる『トラッピング』をした方がいいそうです。

重なってる部分をトラップと言うらしい

元のデザインの金部分に細い箇所があるため、あまりトラップ幅をとりすぎても金色がスミで潰れてしまいます。最小幅で攻めたいため、DTPのプロがどの程度の幅をとっているか調べました。

上の記事では0.1mmで十分とのことですが、下の記事では0.5mmとっています。結構まちまち!かなり悩みましたが、最悪隙間が空いてもいいや…!とギリギリ0.1mmを攻めてみました。
記事ではIllustratorでトラッピングを作成してますが、私はPhotoshopのレイヤーマスクと『選択範囲を拡張』機能を使ってかなり愚直なやり方で作りました……すごく大変だった……。細かく書くととても長くなっちゃうので気になった方はXとかで質問ください。スミと金の重ね順もとても悩みましたが、スミが上の方がキャラがくっきり出そう。。。と思い 金 > スミ の順に。

トラッピングや刷り順のことを考えながらカバーと帯を作った時点で頭がパンクしていたのですが、そういやカバー下の表紙デザインも必要だった!さらに目次とか扉とかもデザインしなきゃいけない!と慌てて作業しました。
再録!やはり大変!こだわりだすときりがない!

刷り上がったもの
厚い!

複数の印刷所を検討しつつ最終的に緑陽社にお願いしたのですが、金インキも綺麗に出てるし、版ズレも目立たないし、綺麗な仕上がり。
マットPPを重ねると金インキの光沢感が損なわれるかも……と思っていましたが、きちんとナチュラルな光沢感が出ています。箔押しのようなギラっと感はないですが、これはこれで上品で素敵です。

帯。右下の小さいヌキ文字が、隣り合ったスミインキで潰れてないのがすごい。

気になっていたスミと金インキが重なる部分の発色も、思ったよりスミがきちんと発色しています。金と混ざってもっとぼんやりしてしまうかと思ってましたが十分きれいです。カバーと帯の絵柄ずれは多少あるもののこちらも全然違和感ありません。

利用したコミックスパックセットが元々厚い本を想定しているセットだと思うので、セット内の本文用紙のモンテシオン56kgでばっちり開きやすくめくりやすかったです。本文用紙を検討するときに出てきた記事に、モンテシオンは紙の目によっては開きにくいと書いてあったので少し不安だったのですが……

しかしそこは製本のプロが作ってるセット。杞憂も杞憂でした。
モンテシオンのザラっとした質感も商業コミックスらしくて素敵です。

左:DIC620(青金) 右:DIC619(赤金)

金インキを選ぶときにDIC619(赤金)とDIC620(青金)で迷ったので、カバーと表紙でそれぞれ別の金インキにして比較できるようにしてみました。
カバーがDIC619(赤金)で表紙がDIC620(青金)です。お持ちの方はぜひ色見本にしてみてね。
黄金っぽさを出したくてカバーは赤金にしましたが、比較するとブロンズっぽい色にも見えちゃいますね。青金の方が一般的に想像する金色のイメージに近いかも。

本文中の諸々ページ

再録なので、本文中に新たにデザインしなきゃいけないものが結構ありました。目次、扉、後書き等々。これまでの総まとめ的な本にしたかったので、中身のデザインもいつもより頑張ってみました。
今まで奥付を横書きにしていたのですが、商業コミックスの奥付は縦書きが多いことに気づき、今回から縦書きに。たしかに台詞が縦書きなのに、それ以外の文章が横書きなのもちょっと変ですね。なんで横書きにしてたんだろ。

再録を作るにあたっていろんな人から『再録は大変……』と言われたのですが、いろいろ仕様を盛ったおかげで確かに大変だった!
やっぱり再録って今までの総まとめ!という意識があるから、いろいろ頑張りたくなっちゃいますね。

12月に出した本(フルカラーマットPP)

  • 印刷所:大陽出版

  • 表紙用紙:スーパーポスト 220kg

  • 本文用紙:アドニスラフ

  • 仕様:B5 / 18P / フルカラーマットPP

大変だった再録本から間を空けずに作った本だったので、とってもシンプル装丁の本でした。基本のフルカラーPPセット!以上!
装丁凝らない分、表紙デザインで格好よく見せたいな~と考えながらデザインしました。

ザラっとしたぼかし処理をいれる。

こういうノイズ交じりの砂っぽいグラデーションってお手軽に情報量が増えてオシャレに見える気がします。
いろいろやり方があると思うけど、今回はクリスタで描いたグレースケールのイラストに、Photoshop上でガウスぼかしとメゾティントフィルターをかけました。ガウスぼかしは一回かけるだけだと単調なので、同じ絵のレイヤーを複数作って、ガウスぼかしの値を変えたものを重ねています。
今回はPhotoshopでやりましたが、クリスタにも同様のフィルタがあるので似たような効果は作れそうですね。

グレースケールのキャライラストを一枚描いて、フィルタでこねくり回しただけなので作業コストは安めですが、いい感じにオシャレに見えるのが白黒+差し色一色のいいところ……でも最近この表現に頼りすぎている気もします。イベントで他の方の華やかなフルカラー表紙やポスターを見ていいな~と思ったので、来年はチャレンジしたい……。

印刷所は締切が木曜と遅め、かつアドニスラフが標準で選べる大陽印刷。ありがたいですね。

来年の抱負

今年は本文作画で3Dに挑戦してみたり、書き込みをリッチにしてみようと頑張ってみたり、本文周りの勉強をたくさんしてた気がします。そのせいもあり表紙の方はグレスケイラスト+いい感じの文字組で楽しちゃうことが多かったので、フルカラーイラストで気合の入った表紙を作りたい……かもしれない……大変なんですけど……。漫画ばっかり描いてるとカラーイラストが描けなくなっちゃいそうでちょっと不安になりますよね。
来年もよろしくお願いします。