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裏銀座ルート山行記録(2024.9.11-14)


7月に計画して悪天で中止した、裏銀座ソロ山行。
そして平日しか予約が取れない山小屋たち。
遅い夏休みを頂き、平日の贅沢な山行をしてきました。
前泊+山小屋3泊。七倉山荘、野口五郎小屋、三俣山荘、ヒュッテ大槍。

烏帽子から双六までを裏銀座といって歩く方は結構いますが、やっぱり槍まで行くのが正式だよね、と思い、少し背伸びしてこのルートに決定。

天気予報は連日「晴れのち昼から雨」だったけど、一度もレインウェア着なくてすみました。
今回は確実に降られると思い、レイン着ても暑くないよう、通常は沢登り以外では履かないショートパンツで挑んだのですが(笑)

裏銀座ルート、景色も、出会った皆様も最高でした。私がまた行きたいと思う、数少ないルートとなりました。(だいたい1回行けばいいかな、と思うタイプ)

以下詳細です。


1日目(七倉〜高瀬ダム〜ブナ立尾根〜烏帽子小屋〜野口五郎小屋)

前日に七倉まで移動。9月平日はすでにまいたび夜行バスなし、信濃大町からのバスもなし!
そのため七倉山荘前泊で乗り合いタクシーを手配して頂き、信濃大町から七倉へ(結局乗り合いとはいえこの日の利用は私のみ。1900円はお得ですよ、奥さん)。
相部屋予約だったけど、空いていて個室利用させて頂けた。

出発日朝、七倉〜高瀬ダムのタクシーはあるが6時からとのこと。天気が昼には崩れそうなので早く出たく、星空の下、朝4時に徒歩で出発。トンネル暗くて怖いとの感想をたくさん見たけど、この時間はトンネル内の方が電灯あり明るいし熊さんもいないし、むしろ安心感あります。

七倉~高瀬ダム間のトンネル

濁沢は、ちゃんと丸太橋がかかっていた。今年たびたび流されたという情報があったので心配だったが、無事に存在。でも狭いし少し高度感あり、バランス感覚の悪い私にはドキドキものだった。


濁沢の丸太橋

濁沢上にある滝を見ながら、七倉山荘で作っていただいたお弁当を少しいただく。ラップに包まれている太巻きで、ゴミが極力出ないように工夫されていてありがたかった。

いよいよ日本三大急登のブナ立尾根に挑む。名前の通り確かに長くてキツかった。12から始まり、稜線が0。特に登り始め「12-8」くらいと、稜線直前の「2-0」が急登に感じた。激汗。

烏帽子小屋に着く頃には雲が出てきて、あぁもう雨か、と思ったら、また明るくなり、晴れる。

烏帽子岳は天気と体力が心配で、今回はパス。いつか船窪方面行くときに登ろうと思う。
ここからはガス多めだったけど、気持ち良い稜線歩き。とはいえブナ立尾根で結構ダメージ受けていたようで、ゆるい登りでもなかなか足が上がらなかった。

野口五郎小屋には13時前に到着。すごくアットホームな居心地の良い山小屋。スタッフさんたちが家族のように仲良くて(ほんとに家族かな)、会話を聞いていてもほっこりする。
ビール飲んで昼寝して、コーヒー飲んでまたビール飲んで、景色見ながらぼーっとして。実家のようにくつろいだ。ガスは出てきたけど、結局雨は降らず、きれいな夕焼雲が見られた。


夕暮れ時の野口五郎小屋 青い屋根がかわいい。

2日目(野口五郎小屋〜野口五郎岳〜水晶岳〜鷲羽岳〜三俣山荘)

この日の天気予報も、昼から崩れます、と。
今回1番短い歩行時間予定だけど、稜線で雷は嫌、と思って朝4時頃出発。

野口五郎岳まで真っ暗。
山頂から降りるとき、道が見つからずしばらくうろうろ。GPSは私が歩いてるつもりではないところを指している。いったん引き返そうとしていたら、前日夕食時に一緒だった鏡平山荘スタッフのお姉さん(休暇中)が山頂から「道探してますかー??」と声かけてきてくれて、〇印のある場所を教えてくださり助かった。日の出を見に出てきたらしい。凸凹ってこういうことなんだな、うまく助け合うように出来てるんだわ、と最近You Tubeで学んだことを思い出した。本当に感謝。

夜明け前

道復帰してからは順調。日の出時刻の山々の景色も最高。
水晶小屋までの登りは少しきつかったけど、小屋から水晶岳までは空身でちょっと岩場の楽しい道。黒部五郎岳が正面、雲ノ平を見下ろす。素晴らしい景色。

水晶岳より。雲ノ平山荘が見えます

8時ごろからガスがわいてきて、鷲羽岳に着くまで真っ白。
宿泊予定の三俣山荘まであと1時間で着くのに、まだ10時過ぎ。早く着いても暇なので、のんびり山頂で過ごす。
しばらくするとガスが晴れてきて、鷲羽池を見ることができた。
山頂の住人であろうおこじょさんにも遭遇。岩の間から顔を出してはまた引っ込んだり、道に飛び出してきてはすぐ岩の下に潜り込んだり、まぁすばしこい。
おこじょさんの存在を教えてくださったお姉さんも三俣山荘泊とのことで、一緒に小屋でビール飲んだり、高級なサイフォンコーヒー飲んだり、虹を眺めたりしてこの日もまったり。
三俣山荘名物のジビエシチューを頂き、19時過ぎには寝てしまった。(夜は何か上映会とかイベントやってたみたいですが。)


鷲羽岳から下山。もうすぐ三俣山荘。


山小屋と思えないおしゃれな三俣山荘食堂

3日目(三俣山荘〜双六岳〜西鎌尾根〜槍ヶ岳〜ヒュッテ大槍)


3時半ごろ出発。

今回一番長い行程、そしてまた昼から雨予報のため、早出。
道がとてもわかりやすく整備されていて、真っ暗でも迷わず三俣蓮華岳まで行けた。
日の出時刻までに双六岳山頂到着は間に合わなかったけど、雲が多かったので結局日が出てきたころに山頂でラッキー。雲が激しく動いていて、太陽や山々がいろんな顔を見せてくれ、何気に天空の滑走路を楽しめた。でかいライチョウさんにも遭遇。

双六岳。まさに天空の滑走路

双六岳から双六小屋は一気に人が増える。人気のルート。
双六小屋で一息ついてから、ブナ立尾根に次ぐ今回の修行、西鎌尾根へ。雲多めだったが、日が出ると暑いし、ちょうどよかった。やっぱりきつかったけど。

北鎌尾根を見ながら、西鎌尾根を登る

槍ヶ岳山荘のコーヒーで一息ついてから(おいしいと思う、毎回飲んでる)、穂先へ向かう。ちょうど晴れた!穂先は4回目、怖さはなく楽しかった。そこそこ人はいたが、山頂で10分くらいのんびりして、トータル45分くらい。

そして今回最後のお楽しみ、ヒュッテ大槍へ向かう。
槍の肩からヒュッテ大槍の間の方が、岩場&はしごで穂先より怖かった。(一度逆コースで歩いているはずだが、当時雨で視界がなかったせいか記憶がない。)途中サーッと雨に降られるが、レイン着なくても大丈夫なくらい、15分ほどでやんだ。
ヒュッテ大槍の支配人Iさんは、燕山荘主催のツアーで何度かお世話になっているが、多分私のことは覚えてないと思うけど、優しく迎えてくれた。年末年始にお世話になったことを一応伝えておく。口数多くはないけど、あったかい人柄でほっとする。

ヒュッテ大槍と殺生ヒュッテ

ここでもビール飲んで(生ハーフ&ハーフにした、Iさん注ぐの上手)、フリードリンクでアールグレイも何杯かいただき、お客さんたちと楽しくお話させていただいた。この小屋のファンが多く、皆さんリピーターのようだった。この小屋を拠点にルートを決めているという方も。とても分かる、私もまたここに泊まると思う。
夕食は、ワイン飲むしかないだろ、というメニュー。白ワインは無条件に全員についているが、赤ワインを追加注文。今まで我慢していたように、一気に雨が降り出した。

4日目(ヒュッテ大槍~上高地)


ヒュッテ大槍からの槍ヶ岳ってかっこいい

3時半ごろに外に出ると満天の星。
三俣山荘で一緒だったJさんが、「ヒュッテ大槍から見る穂先と天の川の組み合わせは最高だよ!」と話していた。私のカメラではそこそこだけど、肉眼で見る山と星空は本当に美しかった。
日の出もすばらしく、太陽はオレンジ色であたたかくて、富士さまも南アルプスも八ヶ岳も全部見えた。
前日チェックイン時、朝食時間を4時45分か5時半のどちらにするか聞かれ、「日の出見ていたら多分5時半過ぎるけど待ってますよ」とのIさんのお言葉に甘えて日の出後にしていた。この小屋のたくさんあるいいところの一つは、食事の時間をせかさないところ。「〇時の食事の方、食堂へ来てください!」なんてアナウンスはない。自然と時間になるとみんな集まる。

槍ヶ岳が真っ赤になりました

ほとんどのお客さんは朝食1回目で、槍ヶ岳や表銀座に出発していった。下山のみの3人が2回目。うち1人は燕山荘でのアルバイトを終えて下山するという大学生の女の子だった。山小屋生活での楽しかったことや大変だったことをいろいろ話してくれた。燕山荘グループのアルバイトは40歳までという年齢制限があるそうだ。定年後に働きたいと言っていたおじさまはとても残念そうだった。

のんびり支度をして、6時15分頃下山開始。
徳澤をすぎたところで、奥穂高岳に向かうというMガイドとすれ違う。たしか1回しかガイドしてもらってないが(中止もあるけど)、なぜか毎年会っている。不思議な縁だ。

三連休初日で、かなりの人出。この辺はいつも通りなので、割愛。

違ったのは、明神~バスターミナル間が土砂崩れとかで、梓川の片岸(明神池側)しか歩けなかったこと!
狭い木道を観光客と登山客が混在して歩くのはなかなか無理がある。バスターミナルがとても遠かった。

平湯方面行きのバスは長蛇の列で、臨時バスが出ていた。連休で1番天気予報がいい日だったから、仕方ない。ひらゆの森で4日ぶりの入浴、バスで東京に戻る。


夢のような4日間が、あっという間に終わってしまった。
次回来るときは、裏銀座コース+ヒュッテ大槍から表銀座逆コースをくっつけちゃおうかな、と妄想している。


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