まるくなる
1人で食事をするのが好きだった。
匂いに味に食感に、見た目とそして口の中で奏でる音に。
五感を研ぎ澄まし食を楽しむ、そんなときに人は邪魔だった。
人がいた方がいいときもあった。
そう美味しいとは思えないものを食べる時には、他者との会話が良い調味料になった。
健康のためにと苦手な物を食べる、そんなときにも誰かがいることが助けになった。
それでも基本的には、美味しいものは1人で食べたかった。
感覚の共有にはあまり期待していない、それなら1人で集中した方がいい。
しかしながらだ、最近なにやら自分に変化が起きたらしい。
好きだったものが、おいしくなくなった。
すぐに原因が浮かぶ。
あなたと一緒に食べていないから。
普通が嫌いだ。
凡庸が嫌いだ。
月並みが嫌いだ。
そんな私がこのような感覚を持つようになるとは、意外と悪くない。
少しずつ、人に近づく
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