![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82575936/rectangle_large_type_2_24327f4889b8cea204ce453035a3f891.png?width=1200)
Photo by
sugamari_spirit
ふと思い出したシリーズ①
友人と、終電が近い満員電車に乗っていた。
酔っ払いが床に座り込み、うわごとを云っている。
隣にいた女性は、彼の言葉に相槌を打っていた。
何事もなかったかのように、彼は電車を降りて、連れと思われた隣にいた女性はただ一言
"Have a day!"
と彼に告げた。
どうやら知り合いでもないようだ。
"Have a good day."(= 良い1日を。)
彼女は意図して、【good】を省いたのか?
誰もが良い1日を過ごせるわけではないのだから
そんな思いを、込めているんじゃなかろうか
友人にそんなようなことを話すと、彼は笑っていた。
私達の声が聞こえた彼女は
「君、いろいろわかってる子でしょ」
そう言われた私は
「そうなんですよ、わかっちゃうんですよ」
と返した。
彼女はみてくれも雰囲気も明らかに異質な、初老の女性だった。
そんな彼女とやりとりをしていた私もまた、あの電車の中で浮いていた。
私が友人と称する彼よりも、話が合うのではないか?
そう思ってしまう自分に、一抹の不安を感じつつ。
そしてまた、彼女に対して切なさと、哀しさを。
彼女が独りでないことを願うのは、自分もそうではないと、信じていたいからなのだろうか。
いいなと思ったら応援しよう!
![ゆあ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/146949974/profile_60c32bb45aca16c79e667de9becc238c.jpg?width=600&crop=1:1,smart)