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自治体職員の職場結婚の賛否


https://dot.asahi.com/articles/-/217209

私と夫は同じ自治体職員同士の職場結婚です。
だからこの記事は興味深いものがありました。

職場結婚したら退職勧奨の内規が勤務して後でないと分からないというのが問題だと感じます。

そもそも職場結婚したら退職勧奨になる内規があるというのも時代遅れだと思います。

採用時に人事担当からの説明会の時にでも、こうした内規があると説明する必要があるんじゃないかと思います。

町の人員体制を鑑みるとやむを得ないと副町長が議会で答弁していましたが、やはり6.70人の職員体制で職場結婚が何組もいると人員配置的に難しいというのも分からなくはない。

法令遵守すべき役所が堂々と結婚による退職勧奨をすることは出来ないので、内規といううやむやな形で決まりを作っているわけです。

根拠があっての運用であるならば職員の募集要項に記載してもいいぐらいの話だと思います。

それが分からないまま就職し、後から内規を知り驚いて周囲に聞けば、そんなの当たり前でしょ?などと言われたりする。

そうした内規がある勤務先だと認識すれば就職先として選択の余地も生まれます。

バリバリ公務員として地元で働きたいなら職場結婚しない道を選ぶ事ができるし、恋愛や結婚を優先させるなら辞める、そもそも就職先として選ばない選択もありなわけです。

すでに恋愛関係になり引き返せない状態になってから例の内規を知るでは遅いわけです。

職場結婚したらどちらかが辞めるようにとありますが恐らく女性側がやめる事が多いのだと思います。

勧奨退職せずに勤続し続けた場合、どちらかに昇任差別はないのでしょうか?

私の勤務先の自治体でも2.30年前までには似た内規があり現在も名残が残っています。

夫が管理職に昇格する時に妻は退職せよという内規が20年近く前には確かにありました。

20年前に当時の課長に結婚報告をした時に、おめでとうよりも先に言われたことがありました。

いいか?職場結婚したら女側はいずれ辞めなくてはならない、辞めないと昇任出来ない酷い目に遭うぞ、覚悟しろ!というものでした。

役所に勤務して2.3年目の私はその内規を知りませんでした。

うかつながら夫との付き合いが始まってから知りました。

え、当たり前じゃないの?と言われた事もありましたが、そんな事は当たり前じゃないです。

何故その内規があるかというと、ただでさえ働く職場が限られる地方において地元の役所は貴重な働くき口である。

そして同じ家庭で公務員2馬力、しかも同じ役所で夫婦2馬力は、給与水準が低く働く場所がない地方の市民から見たら妬みの対象になるから首長としても無視出来ない。

また小さな自治体では夫婦を同じ部署にするわけにもいかず人事的な制約が生じるということもあります。

トップとして自分の考えはどうあれ市民ウケしなければ落選し首長として仕事が出来なくなるわけですから無視できません。

私自身は結婚時に当時の課長からそう脅されましたが自分が50代になる2.30年後には時代は変わっているだろうと楽天的に考えていました。

しかし…私の勤務先ではあまり変わらなかったのです。

退職勧奨はないですが職場結婚組の女性側は昇任できません。

私の勤務先において、相応の学歴と仕事の優秀さをもってしても職場結婚組の女性職員は全員昇任できていません。

男性側は職場結婚していようがいまいが実力に応じて昇任します。

夫も男性職員の平均値で昇任し管理職にあります。

職場結婚組の女性職員は50代半ばになると、管理職になる同世代を見つつ定年前に退職する方が多いです。

退職理由は家族や体調だったり様々ですが。

心折れての退職ように感じる方もいますので、昇任させないという事は言葉にはしないまでも、間接的な退職勧奨だと私は感じます。

結婚を理由の退職勧奨は今の時代なかなか口にしにくい、だから女性職員側を昇任させない、そうすれば退職勧奨しなくても心折れて辞めると言い出すだろうということだと思います。

こうした事はどの自治体でもあることでしょうか?

私自身の出来不出来はどう捉えられているかは分かりかねますが、人事評価やこれまで歩んできた歴史を振り返るに、周囲とは大差がないとの自負があります。

しかし私の勤務先の首長は、職場結婚したら女性側を昇任させないと折あるごとに公言しています。

それが市民感情であり私の勤務する自治体の民度でもあるのでしょう。

表向きは女性活躍推進を謳っている首長でもあり、管理職登用も積極的にやっていますが、本音は女性蔑視なのだと思います。

本音を言えば女性活躍なんて反対、男のポストが減るじゃないか?でも国県から女性登用の数値目標も課されているから、基礎自治体として国県への報告のために気が進まないながら女性登用はしないと。

だけどその代わり職場結婚女性は昇任させない、そうすることによって仕方なく登用させた女性職員のぶんのツケも含めてまとめて払ってもらうよ。

そんな風にも私は感じています。

私自身が出来ないからバカだから昇任しないのだと無理矢理自分に思わせざるを得ない時もあります。

あんたがバカで出来ないから昇任しないんでしょ!と言われればそれまでだからです。

現実的に自身の昇任の話はしにくいものです。

私にとって自治体職員としての仕事は、長く心血を注いできた大切な仕事でもあり、必ずしも昇任のためだけのものではありません。

けれども昇任や処遇は勤め人にとって非常に大切なものです。

だからその仕組みは合理的なものでなければ仕事は辛いものとなります。

職場結婚したら退職勧奨、残れば昇任させない、何故ならば市民の皆様の感情や人事異動の厄介さを慮ればそうせざるをえない、

自治体の事情に則り合理的に必要な理由であるならば、世間の評価はどうあれ採用時点で明言すれば良いと思います。

なんら明言もなく、その濃淡は時のトップの感覚で何となく決まる内規。

小さな自治体に勤務する事はそうしたことが難儀な部分でもあります。

少し話がそれます。

少子化が著しい地方。

子育て支援は手厚いけど、本丸はそこじゃない。

これから出産するであろう若者、特に若い女性が地元に残らないことが少子化の原因です。

何故若い女性が地方にいつかず都会に出るかの理由は、地方には自立して生きることが可能になる仕事がない、加えて周囲からのこうあるべきの押し付けがきつくて自分の人生をデザインしにくい。

法令遵守すべき役所において、職場結婚した女性側だけが昇任できず暗に退職勧奨せざるを得ない状況に追い込まれることとそれは重なります。

役所などまだ良い方で民間はもっとあるよと言われるかもしれません。 
 
法や道理よりも忖度と同調圧力と空気感が全てを支配する地方の空気。

そんな地方に誰が好んで住みたいでしょうか。

働く場所が少なくローカルルールが多くて女性蔑視なところもあるけど、自然が美しく食べ物が美味しいから来てね〜だけでは若い人は住まないしUターンしたくないと思います。

問題になっている地方における若い世代の著しい転出超過は、親世代やその上の世代が自ら守り作り上げてきたものに対するアンチテーゼでもあります。

たぶん日本国中地方はどこも同じなのでしょう。

地方の少子化をはじめとした衰退は自ら招いた当然の結末です。

地方のそうした母親の姿を見る子供達、特に女の子達は都会に出たいと考えがちだろうと思います。

また親も都会に出て学び働きたいという子供たち、娘たちの背中を強く押すでしょう。

日本は窮屈だから海外に出て働く人も増えてくるでしょう。

脇道に逸れてしまいましたが元に戻します。

私は夢だった職業がありましたが、結婚出産を経ても働きながら自立して生きたかったので地方公務員になりました。

地方公務員業界では多くの職員が新卒で役所に採用され定年まで勤め上げます。

それ故に、役所内でしか通じないルールを当たり前だと捉えていることに危機感を感じます。

だからこそ、旦那さんが同じ役所にいるんだから昇任出来ないのは当たり前(仕方ない)なんじゃないですか…などと当事者を目の前にして言えたりするのです。

それは違う、みんなと同じように働いているのだから、職場結婚しているから女性側だけが昇任出来ないのは当たり前ではない、仕方がないなどと周囲から押し付けられるべきものでもない、簡単に当たり前だと言われるのは私には非常に心外である。

私は誰に対してもそのようにハッキリお伝えするようにしています。

そうすると、ハッとして、すみませんでした!と言われることも多いのです。

あまりに当たり前過ぎて当事者の誰もが異論を唱えたことがないから当然のように捉えられているのだと思います。

これまでであれば、私も曖昧に笑って誤魔化していたかもしれません。

そうであってはいけないと私は考えます。

当たり前ではない違うことは違うと周囲に伝えるようにしたい。

当たり前だとか仕方ないと誤魔化してはダメなことだと私は思います。

私は、昇任や職場結婚について、これまで口にしてはならないように考えてきましたが、何十年経っても何一つ変わらないことへの違和感は年を経るごとに強くなりました。

小さな一歩だけど、そこから始めています。

noteに書いたのもその一環です。












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