東京国立博物館「国宝 東京国立博物館のすべて」感想
東京国立博物館で開催されている
東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
を観に行きました。
展覧会の概要と訪問状況は下記の通りです。
【訪問状況】
日時:日曜日午後
滞在時間:15:00~17:00
混雑状況:チケットがすぐに売り切れただけあって混んでいました。
最初の絵画、書跡のコーナーはそれほどでも
なかったのですが、法隆寺献納宝物のあたりから
いきなり混みました。
感染症対策:入口で手指の消毒
写真撮影:出口付近の3作品のみ可。
入口で特典の国宝シールと、スタンプラリーのカードをもらえます。
展示構成は下記の通りでした。
第1部では東京国立博物館が所蔵している国宝を、
期間を区切りつつ全て展示するという豪華な企画でした。
そもそも国宝の定義は
とのことです。それを踏まえながら展示を見ていると、
・日本の歴史、文化が色濃く反映されたもの
・世界の文化の影響がよくわかるもの
の2系統があるように感じました。
以下の作品は前者にあたるものかと思いました。
◆狩野長信「花下遊楽図屏風」17世紀
左隻の二面は着飾った若者が描写されていて、
「歌舞く」とはこういうことだったんだなと思いました。
当時の最先端のファッションの人を当時随一の
画家が描いた現代アートであり、現代人から見ても
エッジが立った感じがしました。
◆久隅守景「納涼図屏風」17世紀
派手な光景ではないのですが、作品を見た瞬間に
「贅沢な時間」という言葉が思い浮かびました。
日本人の幸福感に訴えかけるものがある
作品だと思いました。墨の濃淡で夕暮れの明るさを
表現しているのも見事でした。
後者については下記の作品が興味深かったです。
◆雪舟等揚「秋冬山水図」15~16世紀
中国の水墨画を日本流に消化した代表的な作品として
有名ですが、想像していたより小型の作品だったのが意外でした。
(なぜか大きい作品だと思ってました。
縦長の印象が強いせいでしょうか…。)
右上の崖(?)の描写が異世界との境界のようで、
異様なものを感じました。
◆「竜首水瓶」7世紀
側面にペガサスの図柄が描かれているのですが、
その後日本でペガサスが定着したかったのが
不思議だなと思いました。あまり人目に
触れなかったのでしょうか…。
第2部は東京国立博物館の150年の歩みを
振り返りながら、博物館がはたしてきた役割と
今後の在り方を考えるというものでした。
しゃちほこやキリンの剥製など今の東京国立博物館からは
想像できないようなものがかつては展示されていたようで、
150年の歴史の紆余曲折が伝わりました。
博物館とは人々に未知のものとの出会いを
提供する場だったんだなと感じさせられました。
第2部で特に印象に残った作品は下記の通りです。
◆尾形光琳「風神雷神図?風」18世紀
実は今回の展覧会で一番楽しみにしていた作品です。
実物を目にすると、躍動感に圧倒されました。
風神のまっすぐ伸ばした腕の筋肉といい雷神のダンベルで
トレーニングしてるようなポーズといい陽気にバトルを
楽しんでいる少年漫画の主人公達のようで、
なんとも愉快な神様だと思いました。
◆渡辺省亭「淡紅鸚哥に科木」明治39年(1906)頃
ずっと渡辺省亭の花鳥画を見てみたいと思っていたのですが、
念願叶いました!画集などで見て潤いを感じる絵だなと
思っていましたが、鸚哥の羽毛の滲んだような描写が
実物とはまた違う質感を表していました。
◆菱川師宣「見返り美人図」17世紀
前進しつつ振り返るという作品の構図を
今回の企画展のコンセプトになぞらえて最後に展示したとのことで、
とても粋な締め括りだと感じました。
はっきり言って壮大すぎて1回訪れただけでは
堪能できたとは言い難かったです…。チャンスがあれば
スタンプラリーのコンプリートを狙って再訪したいと思います!!
以下余談です。
私が訪れたのはハロウィンの前日だったのですが、
博物館からの帰りで道路に水で描かれた蝙蝠や骸骨、
かぼちゃの絵を見つけました。おしゃれなハロウィンの
楽しみ方だし一晩で消える儚さもまた味があり、
センスのある人がいるなと思いました。
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