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東京ステーションギャラリー「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展

東京ステーションギャラリーで開催されている「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展に行ってきました。

世界的人気を誇るファンタジー文学「ハリー・ポッター」。この魔法の世界の成り立ちの背景には、魔術や呪文、占い、錬金術、天文学などに関して、人類が何世紀にもわたって記述してきたさまざまな書物や資料が存在します。パピルスに記された古代ギリシャの魔法の手引書から、レオナルド・ダ・ヴィンチの天体に関する手稿、魔女やセイレーンを描いた絵画、原作者J.K.ローリングの直筆原稿やスケッチまで、大英図書館の所蔵品を中心に選び抜かれた貴重な資料の数々で、魔法の歴史をひもとき、「ハリー・ポッター」の物語の秘密を探ります。大英図書館によって企画された本展は、2017年から2019年にかけてロンドンとニューヨークで好評を博し、ついに日本での開催が実現しました。この機会をどうぞお見逃しなく!

展覧会公式ホームページより

展覧会の概要、訪問状況は下記の通りです。

【概要】
会期:2022年12月18日(土)~2022年3月27日(日)
休館日:毎週月曜日
開場時間:10:00-18:00、金・土曜日は20:00まで
     (入場は閉館の30分前まで)
料金:一般2,500円、高校・大学生1,500円、小・中学生500円

展覧会公式ホームページより

【訪問状況】
日時:日曜日午後
滞在時間:15:00~17:00 
混雑状況:当日券は完売していました。
     かなり混雑しており、また作品ごとにキャプションがあるので
     見るのに結構時間がかかりました。
感染症対策:入口での手指の消毒、検温がありました。
写真撮影:不可

本展は「ハリーが学んだホグワーツ魔法魔術学校の
科目に沿って魔法の歴史をたどる」がコンセプトで、
下記の展示構成になっていました。

第1章:旅
第2章:魔法薬学
第3章:錬金術
第4章:薬草学
第5章:呪術学
第6章:天文学
第7章:占い学
第8章:闇の魔術に対する防衛術
第9章:魔法生物飼育学
第10章:過去、現在、未来

実は「ハリー・ポッター」の原作は読んだことがなく
映画もコンプリートしているわけではないのですが(汗)、
魔法、錬金術といったキーワードに魅かれて観に行くことにしました。
(知り合いに言わせると中二心をくすぐるやつとのこと…。)

実際に展覧会に行ってみると図書館を模した壁紙、
箒や紅茶カップが天井から吊り下げられていたりと
まさに魔法学校に入り込んだような雰囲気でした。
所々に「ハリー・ポッター」シリーズの作者である
J.K.ローリングの草稿やメモ、イラスト版の著者ジム・ケイの
イラストも展示されていましたが、
メインはヨーロッパに伝わる魔術、錬金術、占いなどについての
膨大な文献や資料でした。これらの資料を見ていると
ただのオカルトでなく、数百年前までヨーロッパの人々の
身近にあった習俗のようなものだと感じました。
またパピルスから写本、印刷など媒体の変遷も
概観することができ、人々がどのように後世に
情報を残してきたかが分かりました。

こうしてみると「ハリー・ポッター」は
ヨーロッパの伝統と文化の延長線にある物語であり、
このバックグラウンドの強固さが世界中の人を夢中にさせる
普遍性の秘訣なのかなと思いました。

特に面白かった展示は下記です。

・ジム・ケイ 「『ハリー・ポッターと賢者の石』の9と3/4番線の習作」
⇒現実世界と異世界の淡いのようなものを感じさせる
 浮遊感のある絵だと思いました。

ジム・ケイ 「『ハリー・ポッターと賢者の石』の9と3/4番線の習作」 ブルームズベリー社蔵
出典:展覧会チラシ

・ジェームズ・スタンディッシュ 「リプリー・スクロール」16世紀
⇒「賢者の石」の作り方を示した巻物とのこと。
 象徴的な描写で神秘性を感じさせます。

・「透明マント」個人蔵
⇒素晴らしいユーモアセンス!撮影OKでも写せません!!

・ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「魔法円」
⇒ラファエロ前派の絵は文学的耽美性が主題の割に
 若干のごつさがあるように感じていましたが、
 ウォーターハウスの絵は幻想性と力強さのバランスが
 取れていると思いました。

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「魔法円」1886年 テート蔵 

・「ソニア・フリードマン、コリン・カレンダー、ハリー・ポッター劇団による『ハリー・ポッターと呪いの子』ロンドン劇団のオリジナル衣装」
⇒靴の大きさに衝撃を受けました。日本人規格ではない(笑)。

東京ステーションギャラリーは展示は好きなのに
グッズが地味な印象だったのですが(すみません)、
今回はグッズも非常に充実していました。
特に魔術の書のようなノートが色々なラインナップがあり、
魅力的でした!

「ハリー・ポッター」を切り口にしつつ、
作品に対する深い洞察とヨーロッパの歴史、文化の厚みを感じる、
見応えのある展覧会でした!

余談ですが、イギリスの「魔術・魔法博物館」もですが日本の「瑞龍寺」も
気になるスポットですね。色々と言ってみたいところが増えます。

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