黒犬のノーリーとクリーム色のヒーメー (1)
ヒッロ・ボウさんの家には、2匹のワンちゃんがいます。
一匹目は、最初に家族になったノーリー。真っ黒でスレンダー、足長で、耳がツンととんがりの女の子。
もう一匹は、ノーリーの一年後にやってきたヒーメー。クリーム色で、ノーリーよりは少し小さめで耳が垂れている女の子。お尻をフリフリ、くるくると尻尾を追いかけるようにして喜びます。
二匹はとても仲良し。特にヒーメーは、ノーリーの姿が見えないと探し出します。ですが、お互いライバルでもあるのです。だって、ヒッロ・ボウさんのことが大好きだから。そろって、「私を見て!!!!!」とアピールします。ノーリーは、ヒッロ・ボウさんが歩く横を離れません。そして、色々と芸をして見せます。ヒーメーはというと、ジャンプしたり回ったりと、忙しくアピール。なのに、ヒッロ・ボウさんがノーリだけを撫でていると、吠え出し、割り込みます。ノーリーは、優しくて、そんなヒーメーに怒ることはありません。一方、ヒーメーはというと・・・。ヒーメーとヒッロ・ボウさんの間を割ってくるノーリに向かって、吠え出し、割り込み返します。でも、結局は、いつも一緒。仲良しです。
そんな彼らの毎日の日課は、海への散歩。海が大好き!ヒーメーは一目散に海へ走り、鳥を追います。ノーリーは、ヒッロ・ボウさんを確認しながらも、ヒーメーを追い、一緒に遊びます。そんな海岸で、家族が日光浴をしていました。すると、女の子と男の子の兄弟がやってきて、
「ワンちゃんと遊んでいい??」とヒッロ・ボウさんへ訪ねたました。
ヒッロ・ボウさんが二匹を呼び、二匹が尻尾をフリフリ嬉しそうにやってきました。
すると・・・
「私、白いワンちゃんがいい!黒いワンちゃんは、怖そうだから!」
と女の子は嫌がります。そして、ヒーメーだけを撫で、ヒーメーもお腹を撫でられ嬉しそう。
その横では、ノーリーがヒッロ・ボウさんの横に座り見つめています。ノーリーをかわいそうに思ったヒッロ・ボウさんが、ノーリーのお腹を撫でると、嫉妬したヒーメーが割り込んできました。
「黒い子は、とても優しいんだよ。ほら、触ってごらん。」とヒッロ・ボウさん。
すると、
「真っ黒だと、なんだか怖いんだよね。怒ってるみたい!カラスだって、真っ黒で他の鳥よりかわいくないし。」と男の子。
子ども達は近よってきもしません。
そのよこでヒッロ・ボウを見つめるノーリー。
「さぁ、帰ろうか!」とヒッロ・ボウさんは立ち上がりました。
「またねー、ヒーメー!」
「おじさん、またヒーメー連れてきてー!」
と子ども達に見送られ、家路についたのです。
次回へ続きます。