story 仕事と青春
ビチャビチャ。ゴロゴロゴロ〜。
ペンキの入った一斗缶の中にローラーを入れ塗料を馴染ませて壁に転がす。俺はこの仕事がなかなか好き。
海の近くの現場で成塚と足場の上でタバコを吹かしながら海を眺めてる。
「あっち〜な〜。海入りて〜」もう6月も終わる。
「おーいっ!仕事やるぞ!」職場の先輩に言われまた壁に色を塗り始める。毎日汗まみれになって働いてるが案外悪いもんでもない。
もう暑くなってきて最近は仕事で日焼けし放題。
俺はメンテナンスが面倒なパンチパーマはたったの1ヶ月半で卒業してまた金髪オールバックに戻した。笑 やっぱりこれが落ち着く。
隣町の暴走族をばっくれた野口は結局見つかってしまい、先輩達にヤキをもらったあと単車を渡すという約束で辞めさせてもらえたみたい。成塚いわくいまは解体屋で働いてまたバイク買う金を貯めているらしい。
仕事が終わりまた成塚と2人で焼肉屋で焼肉を食ってる。なぜかこの焼肉屋は年齢確認してこないから酒も飲めるし気に入ってる。酒が少し入ってほろ酔い状態で成塚のRZ250と俺のゼファー400で夜の県道を流す。相変わらず最高に気持ち良い。
1時間くらい地元から隣町までグルグル流してコンビニの駐車場でタバコ吸いながらくだらない話に花を咲かせる。
大抵は女・単車・喧嘩・パチンコの話だ。そんな俺はパチンコだけはやらなかったし興味がなかった。成塚に連れられ一度だけやったことはあったが隣の台で売ってるおばさんが大当たりしているのを目の当たりにしてからは「2度とやらない」と心に誓った。
すると尾島先輩からまた急に着信。
「おう。龍二いまどこいんだ?駅前で騒いで溜まってる奴らいるからどかしてこい」
どうやら地元の駅前で俺と同い年の奴らがタムロしてるみたい。こんな連絡も日常茶飯事だ。すぐさま俺は現地に向かう。成塚も着いてきてくれた。
俺「面倒巻き込んでわりーな」
成塚「お互い様だろ。面白いし」
2台で駅前に行くと4〜5人組だ。こいつらはちゃんと高校通ってる真面目な奴らだ。チャラチャラしてそうな格好してるから勘違いされちゃったんだな。そう分かっても同じことさせない為にはオラオラで行くしかない。
俺「おいっ!てめーらなに粋がってんだよっ!あっ?」
「すいません。」
俺「勝手に駅前溜まってんじゃねーぞ。家でやれや!」
「はい。もう帰ります。」少し声が震えてる。
俺「次溜まってんの見つけ次第、潰すから」
そいつらはチャリで帰って行った。
それからすぐ尾島先輩に報告の電話をする。
俺「お疲れ様です。中島です。」
「おう。片付いたか?」
俺「話して帰らせました。もう溜まらないと思います」
「さんきゅーな。また飯でも行くぞ」
俺「はい。ぜひ一緒に行きましょう!失礼します」
地元には2つの駅があって最寄駅は学区が同じ中学なんだけどもう一つの駅は違う中学の学区だから絡む同い年も相手は俺を知っていてもこっちは知らないパターンが多かった。
同い年なら謝ってきて退散してくれるけど一個上のヤンキーとかだともちろん食ってかかってくる。自分から絡んどいて地元でボコられるのは洒落にならないから最近はいつも警棒持ち歩いてる。
警棒をシャキーンって出してぶっ叩くと血がダラダラ出てきて大抵の相手は戦意喪失して逃げる。セコいかもしれないけどそんな事も言ってられないんだ。
その一件の後は成塚と隣町の秀人の家にいき3人で朝まで飲んだ。秀人はどうやらバイク窃盗で逮捕状が出てるらしく翌日に逮捕されるみたいだ。笑「また鑑別かな〜」なんて泣き言言ってる。笑
それを聞かされた時はタイムリーすぎて不謹慎にも爆笑してしまった。秀人にはパンチパーマだった1ヶ月半は散々大仏だってバカにされたから仕返し成功。笑
その日は結局一睡もせずに警察に連れてかれる秀人を見送ってそのまま仕事に行った。お茶目にピースなんてして警察に連れてかれてた。アホだ。
夏場のオールした後の仕事はほんとにキツい。10代からできたんだろうと思う。それを分かっていてもやっぱり遊びが楽しくて遊び優先になってしまうから仕方ない。
高校の同じクラスだった新田という奴から連絡があり久々に会う事になって仕事終わりに少し離れた地元まで単車に遊びに行った。新田も俺が退学になった後1年目の3学期に中退したみたいで今は足場屋をやってるみたい。高校の仲良かったメンバーはみんな退学してた。
新田と2人で作業着のままイオンに行ってプリクラを撮って飯を食ってると少し離れたところに2人組のギャルがいる。新田はすかさずナンパしに行った。
「ちょっと待って!可愛いじゃん!俺らと遊びいこーよ!」引っ掛かるわけないと思ったが引っ掛かってしまったみたい。笑
歳を聞くとまだ中3みたいだ。俺はサヤと言う女を単車の後ろに乗せ新田はもう1人を乗せて新田の家に行くことになった。もちろんサヤとはHした。 最初は拒まれたが新田がもう1人とヤリ始めると雰囲気に流されてしまったみたい。サヤは大人っぽい見た目なのに初めてだったらしくめちゃくちゃ興奮した。
中学生からみて年上の働いてる俺らは魅力的に映ったらしい。なによりも作業着がポイント高いみたいだ。それからサヤとは付き合いはしてなかったがいわゆるセフレみたいな感じになった。とはいえ中学生だから金は全部俺が出してやってたけど。俺はHする為に毎回会いに行ってた。きっと猿だと思う。笑
こんな感じで遊んでは仕事して遊んでは仕事してと忙しい毎日を過ごしてる。
もうすぐ夏が来るな。