story 青春
中学3年の2学期も終わりを迎え、冬休みに突入した。
俺は隣町の不良達と遊ぶのが楽しくて仕方なかった。地元の同級生達よりもこの不良達が自分を理解してくれる気がしていた。
なによりも劣等感を抱く必要がなく何も気にせず一緒にいれるのが心地よかったんだろう。
隣町には暴走族があり、閉店後のイトーヨーカドーは夜になると隣町の不良の溜まり場となっていた。もちろんみんな卒業後は暴走族になると話していた。
冬休みの夜、隣町の成塚から電話があった。
成塚「今なにしてんだ?」
俺「家だよー」
成塚「暇だからあそぼー。迎え行く」
俺「迎えってなにで?笑とりあえず待ってるわ」
夜9時頃だった。再び着いたと連絡があったので外に出ると成塚は中学生なのに原付バイクで来ていた。笑
俺「お前、これどうしたの?」
成塚「俺のだよ。とりあえず乗れってドンキ行くぞ」
俺「免許は?」
成塚「そんなもん俺が持ってるわけないだろ笑」
隣町の不良達はほとんどが中学生ながら原付バイクに乗っているらしく当たり前とのことだ。笑
アホすぎる。。笑
ヘルメットも被らず原付2ケツで地元や隣町をぐるぐる走り回りながらドンキに向かった。本来20分くらいで着くはずなのに着いたのは1時間後くらいだ。笑
初めて乗った原付バイクは風が気持ち良くて音も最高だった。不思議と怖さは全くなかった。
同年代が出歩かない夜にバイクで走ったり外に出歩いてる事が自分だけ特別な世界にいる様な気持ちになり、たまらなかったんだ。
興奮した俺は運転したくなり成塚に頼んだ。
丁寧に教えてくれて住宅街をぐるっと一周だけ運転させてくれた。もちろん俺も無免許だ。
初めての運転だったが想像以上に原付バイクの運転は簡単だと感じた。運転するとさらに興奮した。
今も忘れない俺のバイクデビュー。
全てが初めての体験で当時の俺には本当に刺激的で楽しくてどうしようもなかった。
ドンキをフラフラした後、駐車場でタバコ吸いながら話して深夜1時頃帰る事になった。帰りは成塚に運転してもらいまた少し地元をぐるぐる回って家まで送ってもらった。家の鍵を持っていたので、そろ〜っと入って部屋に戻った。
この日は興奮が収まらずなかなか眠れなかった笑
夜22時以降の外出も人生初体験となった。
親からも鬼の着信があったが全て無視した。完全に反抗期。。笑
悪い影響ばかりではなく、お洒落にあまり興味がなかった俺も容姿を気にするようになりボサボサだった髪型もツーブロックに変えて髪のセットもする様になった。ツーブロックとは頭のコメカミの部分を左右両側刈り上げている状態だ。
なんと11月には人生初の彼女も出来たんだ。隣町の一件から全てが変化していった。
彼女は中学の同級生で垢抜けていく俺を見て大人っぽく感じて魅力的だったみたいだ。まだキスしかしていなかったがこのときの俺は早く童貞を卒業したい一心だった。何度か挑戦したがなかなか辿り着けなかった。笑
冬休みはほぼ毎日リョウを交えた隣町の不良達か彼女と過ごした。
年末年始は彼女の家で晴れて童貞を卒業した笑
そのまま少し寝て朝方小学校の屋上に侵入し初日の出をみた。これも人生初の朝帰りだった。
日に日に帰宅時間も遅くなり深夜2時〜3時帰りになってしまっていて家に帰れば毎日親との喧嘩だった。
冬休みも終わりとうとう中学3年の3学期。
高校受験まであと1か月だ。