story 鑑別所出所
出所した日は家ってだけで興奮してしまい朝まで眠れなかった。
鑑別所を出て1ヶ月ぶりの色々を済ませた。彼女のミユとも1ヶ月ぶりのSEX。地元のリョウとも1ヶ月ぶりに会ったらどうやら高校を3学期いっぱいで退学するみたい。リョウもとうとう社会人だ。
隣町の友達が俺と成塚の出所祝いを秀人の家でしようと誘ってくれリョウや彼女を連れて行った。ピザを出前してくれてみんなでピザ食って酒を飲んだりした。 「帰ってこれたんだな」って実感が湧いて本当に楽しかった。
逮捕される前に働いてた左官屋は気まずくて戻れないなと思って隣町の成塚が働いている塗装屋にお世話になる事になった。成塚も鑑別所に入っていて俺よりも少し早く出所してた。
保護観察処分になった俺は月に2回は保護司との面談が義務付けられてる。保護司いわく更生の為には働く事が重要らしい。出所後1週間で仕事をする事にした。
再就職初日は成塚を含む4人で都内の現場に向かった。成塚とは同じ現場だし最高だ。この日の為に青のニッカを買って気分もウキウキ。髪の毛も青に自染めし直して髪も作業着も青だ。
塗装屋は足場の上での作業が多く人生初の足場は下を見ると凄くビビった笑
「足元しっかり見ろよ〜」このフレーズを1日に何度も言われた。この日は養生とケレンと少しだけローラーで外壁を塗らせてもらった。壁を塗り替えて色が付くという単純な仕事だけどとても楽しい。1つだけ気になるとしたらペンキを積んだ作業車の中が臭いってとこだけだ。
新品の作業着にペンキが跳ねて色が付く。解体屋や左官屋とは汚れ方が違くてこれまた楽しい。
初日が終了し会社に戻り現金6000円手渡しで受け取った。現場が終わって作業車に乗り込むときの安心感は相変わらず最高。明日も朝5時半集合。
仕事を始めてから毎日休まず寝坊せずに仕事した。ローラーやハケも持たせてくれてとても楽しく働いてる。
出所してからはカツアゲとノーヘルはもうやらないと決めた。もう捕まるのは嫌だし。
働いて自分で稼いだ金でまた教習所に通ってる。免許取って早く単車に乗りたい。それが俺の働く理由。 親にはもちろん反対されるがどうしても乗りたいんだっ!
ある日の仕事終わり地元のリョウと会うと顔を腫らしていた。
「龍二、先輩達に俺らめっちゃ探されてるよ」
どうしたのかと聞くと公園のブランコで電話してたら地元の先輩にいきなりボコボコにされたらしい。たしかに捕まる少し前からシーマに追いかけ回されたりしたからきっと探されてたのかも。
ノーヘル厳禁ってゆー地元のルールを平気で無視したり蛇行運転したりしてる俺達に腹を立ててるみたいだ。
せっかくカツアゲも辞めて真面目に働いてるのにヤンキーという生き物は本当に面倒臭い。笑
とりあえず気にしないで今まで通り生活をしよう。