story 卒業
とうとう高校受験の日がやってきた。
俺は隣町の工業高校を受験した。倍率は0.75でほぼ合格できるんじゃないかという比率である。
テストは予想していたよりは簡単で俺は見事合格して高校進学を決めた。隣町の不良達も3人同じ高校を受験したが2人は不合格で秀人と言う奴だけ合格して4月からは同じ高校に通う事になった。
同じ中学のリョウも普通科の高校に合格し彼女はそこそこ勉強ができた為、進学校に合格した。
受験が終わるともう気分は最高で俺は合格発表のその日に家に帰り黒髪卒業をしようと考えて髪の毛を自染めした。暗めの茶色だ。笑
親にはめちゃくちゃ小言を言われたが入学式までには黒染めすると約束をした。とにかく髪を染めてみたかったんだ。ただそれだけ。
卒業式に向けてピアスも開けようと思い、隣町の秀人に頼んでピアッサーでピアスを両耳に1つずつ開けてもらった。バチンッと針を耳に突き刺した時は痛くて少し耳が麻痺した感覚を味わった。
中学生活も残り1か月くらいだったが週3日くらいは学校に行きほとんどは隣町の不良達と遊んでいた。学校では卒業式練習が始まっていた。
金髪の高橋も鑑別所から出所した様で一緒に遊んでいた。だいたいが秀人の家かヨーカドーを溜まり場にして原付バイクに乗ったりしていた。秀人の家ではみんなで酒を飲んだ。味は正直不味いが当時飲むことに意味があった気がする。
3月15日。中学生活最後の日。卒業式だ。
俺は茶髪にピアスをしたまま卒業式に出席した。卒業証書もしっかり受け取りお世話になったサッカー部の顧問と担任の先生に「ありがとうございました」と挨拶をした。
自分なりに色々な思い出が詰まった中学生活だった。色々な事があって後半からは180度変わっちゃったけど本当にこの中学でこの先生達と出会えてよかったな。
「ちゃんと高校卒業しろよ〜」なんて言われたから「当たり前です」なんて返しておいた。笑
卒業式が終わって彼女とプリクラを撮りに行った後、リョウを連れて隣町のヨーカドーに行った。
隣町の奴らも卒業式終わりで集まっていてみんな色とりどりの卒ランを着て髪型はアイパーを巻いていた。
※アイパーとはアイロンパーマの略。昭和の不良の様な髪型。卒ランとは変形学ランで特攻服の様なデザインで刺繍を入れる事もできる。
成塚もピンクの卒ランを着ていた。高橋は先輩から単車を借りたみたいで単車で卒業式に行ったらしい。
GS400という単車で音も見た目もカッコ良すぎた。通称ゴキという単車だ。
隣町の奴らともプリクラと写メを撮りその日も昼間から隣町や地元をバイクで走り回った。対向車からも振り向かれかなり目立っていたと思う。なによりも高橋の乗っている単車が直管でやばかった笑
隣町のみんなは暴走族の先輩達に挨拶に行くとの事でその日は夜には解散し俺は彼女とファミレスで夜飯を食べた後彼女の家でゆっくりと過ごした。
もちろんあれヤらかしました。笑
もう少しで俺も高校生だ。中学3年間お世話になった沢山の方々、本当にありがとうございました。