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story 16歳 社会人デビュー

高校退学後1ヶ月が経ち11月中旬。

俺はようやく仕事をしようと考え、近所の解体屋に人生初の就職をする事にした。

出勤初日は朝5時半に事務所に集合をして3人でハイエースに乗り込み現場に向かった。

職人の朝はとにかく早い。

朝7時ようやく現場に到着し、朝礼まではタバコを吸ったり寝て過ごして良いみたいだ。

初めての現場は東京の練馬区。一軒家の解体。

現場に向かう途中緊張していたが初めて履くニッカポッカに心踊ってワクワクしていた。ハイエースで現場に向かう感じが大人になった気がしてなにより東京という時点で田舎者の俺はワクワクだ。笑

朝礼が終わり、最後に一服をして仕事が始まった。

現場は解体前の家の中のバラシで俺が指示された仕事はタンスや壁をバールでぶち壊して外にまとめる事だった。実に単純で楽しい。この人達はこんな楽しい事を毎日やってるのかなんて考えてた。笑

10時になり一服の時間になり現場が一緒だった30代の人がコーラを買ってくれた。タバコ吸いながら30分休憩。話かけてくれて優しい人だ。

10時休憩が終わりまた仕事再開。昼になる頃には最初の楽しさはどこに行ったことやら体がしんどい。

なによりもバールでぶっ叩いて出たゴミをガラ袋(ゴミ袋)に入れて外に投げるのだがこれがまた重いんだ。

昼飯は先輩方が近くのラーメン屋に連れて行ってくれて俺は醤油ラーメンを食った。

奢りで食う飯はうまい。笑

午後になると集めたゴミを廃材屋が取りに来たのでトラックの荷台に乗せる作業でこれまた重い。

1日が終わる頃にはバテバテだ。現場が17時に終了し帰りのハイエースに乗った時の安心感は半端なかった。 これも分かる人には分かるはず。笑

仕事が終わり会社の事務所に到着したのは夜8時。日給6千円だった俺はその日に現金で受け取った。16歳にとって1日で6千円は偉大。

頑張ったその日に現金手渡しというのは当時最高な気分だったな。

2日目は朝6時半集合で県内の大きな現場に行くみたい。頑張ろう!

仕事が終わると彼女のミユが越谷から電車で地元まで来てくれたので初給料は焼肉食い放題に連れてってやった。喜んでくれたみたいで安心。

飯を食って作業着でプリクラを撮って地元の公園のトイレでアレやらかした。笑 野良犬かっ!

野外は初めてだったが良い経験。笑

そのままミユを原付で越谷まで送って行って帰宅したのは深夜3時だった。

3時間睡眠だったが2日目も寝坊せずに仕事に行けた。

2日目は生意気な21歳と2人現場だった。5歳年上だが関係ないとか考えてた。

でかい現場でコンクリの壁をハツリ機という物で削ってバールでぶっ叩いて壁を壊す。これがまた重くて仕方ない。

「なんだよ早くもってけよ」なんて言われた。

21歳はちょいちょいイラつくが我慢した。

2日目も無事終了し6千円ゲットだ。2日目は初日以上にバテバテだ。

3日目も21歳と同じ現場でまたコンクリ壁の撤去作業だ。腕が筋肉痛でバテバテだ。なんとか午前中をクリアして昼休み。

21歳は俺が気に入らないのかいちいち突っ掛かってくる。笑

「おい。飲み物買ってこいや。」

俺は完全にシカトしてコンビニで弁当を買って食ってそのまま昼寝した。

午後に入っても同じ作業は続く。

「おせーんだよお前。」ヘルメットの上からバールで頭を小突かれた。

俺は「あーもうふざけんじゃねぇ」さすがにキレてしまい21歳を殴ってしまった。21歳も黙ってるわけもなく掴み合いになったが現場監督に止めに入られ喧嘩は終わった。

現場が一旦停止し21歳と俺は帰らされた。一緒に帰るのは絶対に嫌なので電車で帰る事にした。

事務所に戻ると社長に怒鳴り散らされて怒られた。当然だが腹が立った俺はその日の日給だけもらい解体屋を辞める事にした。 完全なる3日坊主。笑 

後日夜中にリョウを乗せて原付で走っているとたまたま21歳の車を発見。 黒のスカイラインだ。

どうやら駐車して車を離れてる様だ。不完全燃焼だった俺は車に蹴りを入れてドアを凹ませてサイドミラーも割ってぶっ壊して走り去った。   とりあえず復讐完了。笑 

働いて金を稼ぐのは簡単な様で大変だと感じた初就職。たった3日だったが良い経験が出来たな。







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