story ドンキ巡り
10日間に渡ったヤキの毎日も終わりようやく落ち着いた日常に戻りつつあった。
もう少しで教習所も終わりだ。教習所が終わればスクーターから単車に乗り換える。
最近は都内の現場に行っていてすぐ近くに大学がある。
足場の上から女子大生をみてニヤニヤしながら仕事をする毎日だ笑 彼女のミユとは会う回数が減ってきて別れる事になった。鑑別所にいる間の1ヶ月間待っていてくれたのに出所してから別れてしまった。
仕事が終わり作業着でリョウと駅前のロータリーで溜まってると尾島先輩から着信。
「龍二いまどこいんだ〜。暇か?ドンキいこーぜ」
基本こっちの都合は関係なしだ。不良の世界で先輩からの誘いはなかなか断れない。
「行きますか!リョウもいますけど大丈夫ですか?」
「なんでもいいよ〜。今から迎え行く」
急いで俺の家に原付を置き、待ち合わせ場所の駅まで2人でまた歩いた。笑
再びロータリーでタバコを吸って待ってるとププッとクラクションを鳴らされ尾島先輩のシーマとクラウンの2台の車が来た。今日はどうやら尾島先輩1人ではないみたいだ。
「お疲れ様です!」
挨拶がないとぶん殴られるのでクラウンの先輩達にも挨拶をした。
「おう。乗れよ」
「失礼します」俺とリョウはシーマの後部座席に乗り込んだ。
今日は尾島先輩含め地元の2つ上の先輩が4人いた。とりあえず飯を食うことになりラーメン屋に行く事になった。
車を降りて店の駐車場で会った事ない先輩達には改めてはじめましての挨拶をした。
店に着くなり「好きなもん食え」と尾島先輩に言われた。ほんとに男気のある先輩だ。
おれは塩ラーメンと半チャーハンを注文した。仕事終わりだったから腹減ってる。飯を食い終わると「俺、トイレ行くからお前ら先車乗ってろよ」尾島先輩が全員分出してくれるみたい。
シーマの中で待ってるとクラウンの先輩達は先に店を出て行ってしまった。
「あれ。行っちゃった」なんて呑気な話をしてると尾島先輩がニタニタしながら小走りで帰ってきた。
「よし、行くぞ」勢いよく走り出した。
どうやら車に財布を忘れたと取りに行ったふりして食い逃げしたみたい。笑 全く奢りなんかじゃなかった笑
少し離れたコンビニでクラウンの先輩達とも合流した。みんな尾島先輩をみて笑ってる。どうやら先輩達の間では飯を食いに行った時じゃんけんで負けた人がやる恒例行事みたいだ。笑
駐車場でみんなでタバコを吸って都内のドンキを巡ろうと行き先が決定した。
シーマの中は爆音で洋楽が流れてる。16歳から見た車持ちの2つ年上の先輩達はかなり大人びて見えてカッコ良かった。都内は夜22時だというのに車がたくさん走ってる。なによりもタクシーが多い。
最初に立ち寄ったのは練馬区のドンキ。駐車場に車を止めてみんなで店内に入ってく。今度はクラウンに乗った先輩がカゴを持ち「好きなもんなんでも入れろ」なんて言ってくる。どうやら今日はパクリツアーみたい。笑
夜のドンキは色々な奴がいて面白い場所だ。そして何故かヤンキーはドンキが好きなんだよな。
みんなワックスやピアス、髭剃りにコンドームだったりありとあらゆるものをカゴに入れてく。俺もサングラスとピアスと飲み物、お菓子をカゴに入れた。カゴの中はパンパンだ。笑
店内をフラフラして俺らはまた車に戻って一階の出口の前に車を止めた。少しすると出口からダッシュで先輩が車に乗り込みまた急いで発進した。カゴダッシュ成功だ。笑
そのまま車を走らせて六本木に向かった。六本木も深夜だというのにこれまた人が多い。笑 流石に厳しそうかと思ったら決行みたいだ。
また店内にみんなで入っていく。今度は別の先輩が空のボストンバックを持ってきた。笑
そしてまたボストンバックにどんどん酒やらお菓子やらを入れてく。それも平然とした顔でやってる。笑 ボストンバックがパンパンになったところでゆっくり車に戻り発進した。
きっと被害総額は4〜5万くらいいったんじゃないかってくらいかな。笑
さすがに車の中が物で溢れてきた為、そろそろ帰ることになった。
地元に戻ってきたのは深夜3時だ。地元の駅前で先輩達とパクった缶チューハイを飲みながら少し話をして先輩達とは解散となった。こんな事を毎回やっていたら間違いなくまた逮捕される。笑
家に原付を取りにいきリョウと2台で地元を流してその日は帰宅した。
翌日は酒が入っていたせいか大寝坊をしてしまい、仕事を休んだ。 免許代を稼がなきゃ行けないのにこれじゃ本末転倒だな。
またその次の日からは現場にしっかり行った。社長は遊びたい盛りなのを理解してくれてる部分もありそんなに怒られなかったから少し申し訳ない気持ちだ。