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講師への道 終章 講師マインドとは 研修で「真実の瞬間」を担うのは誰?

いよいよ終章です。序章の②で、「書き終えるのに1年ぐらいかかるかも」と言っていたのですが、おかげ様で4か月で終章にたどり着けました。最も書きたかったことを、最後に書きます。講師としてのマインドの話です。

研修ビジネスにおいて「真実の瞬間」を担うのは誰?

「真実の瞬間」とは、顧客と企業の接点において顧客がその企業全体に対して印象を抱くきっかけとなる出来事やその瞬間のことを指します。主にサービス業で重視される概念です。
具体的には、店舗などの施設外観、従業員の接客態度、製品やサービスそのもの、設備や備品のデザインや機能性などから、顧客の印象が形作られる瞬間です。

これを研修ビジネスに置き換えると、真実の瞬間を担うのは誰でしょうか?顧客を「企業の研修担当者」とすると、担い手は主に営業と言えるでしょう。一方で、顧客を「研修の受講者」とすると、担い手は主に講師と言えるでしょう。もちろん、講師を陰で支えるオペレーションスタッフや、テキストの内容や体裁、研修会場から受ける印象、その作りこみを担うスタッフも担い手と言えるでしょう。

いろんな人の関りがあって、研修ビジネスが成立しているのは間違いないです。そもそも案件がなければ受注もなく、受注がなければ研修の実施もないわけで、その意味で研修ビジネスの上流工程を担う営業の役割は重要です。
そのうえであえて再度問いますが、研修ビジネスにおいて真実の瞬間を担うのは誰でしょうか?

まあ、講師ですよね。

研修で「真実の瞬間」を担うのは、まあ、講師ですよね

当事者意識を持つことと実際に当事者になることは、全く別物

様々な業界で、人材育成の現場で、「当事者意識を持て」と言われます。当事者意識を持つことによって、仕事に対する主体性や責任感、細部への気づきやこだわりが生まれるからです。

しかし、またしてもあえて言いますが、当事者意識を持つことと、実際に当事者になることは、全く別物です。研修ビジネスにおいてもそうです。登壇する者としない者の間には、研修ビジネスへのコミットの度合い、研修ビジネスの理解の度合いにおいて、埋めがたい溝があるのです。

今回、noteで書いてきたことの全てが、実際に登壇しないと本当の意味で理解できないことばかりです。だから私は、私が10年間で蓄積したノウハウを無料で公開しているのです。こんなものいくら読んだからって、講師ができるようになる訳がないからです。熱心な読者の皆さま、すみません(笑)

研修ビジネスを極めたければ登壇すべし

最後に言いたいメッセージはこれです。「研修ビジネスを極めたければ登壇すべし」です。こういうと以下のような反論が来るでしょう。

  • 「いや、別に講師になりたくて、私はこの業界に来たわけじゃない」

  • 「人前で話すのはちょっと…。得意な人がやる方が顧客にとっても良い」

  • 「講師だけが価値創造しているというのは、講師のおごりだ」

  • 「私のキャリアの終着点は講師ではありません」

  • 「適材適所であるべき。無理に登壇を押し付けるのは良くない」

  • 「自分がやりたいと思えることだけやります。その方が楽しく仕事できますし、価値も生めます。そういう時代なんです」

これら想定される反論に対して、さらにあえて言います。
「つべこべ言わずに一度、登壇してみろ。見える世界が変わるから。一度登壇すれば、二度目のハードルは下がる。二度登壇すれば、三度目はなんてことはない。それでも文句があるなら、それから聞こう」

こんなに若くもなければ、かっこよくもないですが…

確かに講師は、受講者(社会人)の貴重な時間を、数時間、1日、場合によっては数日、預かる職業です。それは、勇気が要ることですし、責任も伴います。営業やサポートスタッフが関わっていたとしても、研修が始まってしまえば受講者と対峙するのは講師1人です。受講者からのプレッシャーを矢面に立って受け取めるには、マインドを強くする必要があります。実際、受講者アンケートを取れば、不満の矛先は大抵、講師です。真実の瞬間の担い手だからです。ボロクソに書かれた文面を見て、落ち込むこともあるでしょう。

「だから何?やりがいのある仕事ってそういうもんですよね」と、言いたい。このやりがいは当事者にならないと、分からないものなんです。
当初、講師マインドを言語化しようと思っていたのですが、「言語化しても意味がない。登壇を重ねて培われる」という結論に至りました。

ここまでお読みいただいた読者の皆さま、ありがとうございました。スピード重視でどんどん記事アップしていたので、誤字脱字、論旨不明瞭、論理矛盾、理論的背景の割愛などあったと思います。さかのぼって整えていきますので、気が向いたらまた読み返してください。

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