11082017

【 自分の頭で考えるということについて。】

卒業研究のために学生にヒアリングをしています。3週間で20-30名ほどですかね。うちには芸術系とデザイン系があるんですが、研究の主旨も考慮して主に芸術系の人に話を聞いてます。

日本画や洋画を学ぶ学生はよく、「自分自身と向き合うために絵を描いている」と言います。え、ちょっとまって、それってなんか遅くない??自分自身と向き合うって、ごく普通のことだよね?それを乗り越えて、絵をかいたりデザインしたりしてるんじゃないの?誰かの言葉借りてない?私は疑問だらけでした。

○「自分の中の言語化できない気持ちを絵に描いている」うんうん、わかります。私もよくダイアログとかnoteとか書きます。だって考えが整理されて気持ちもすっきりするもん。

○「芸術は自分と他者のコミュニケーションツールです」あー、うん。綺麗とかかわいいとか、そういう共通認識ね。でも言語化できないことを介してってほぼ無理じゃない?あ、話すきっかけみたいな感じもあるんですね。

○「卒業したら専門を活かした職に就きたいです。大学で想像力も培ったので、活かせない職業はないと思います。」待って待って、矛盾してる。専門ってのは芸術に関する知識や技術のことでしょ?就職に諦め入ってるのはわかるけど、それこそ想像力なさすぎじゃないかい。


この3つを大体話してヒアリングは終了です。正直話聞いていてもつまんなくて疲れる時がほとんどなんですが、期待していたような言葉が出てこないのは逆に燃えます。

なぜそれをするのか、なぜ描くのか、なぜ好きなのか。そういう答えのはっきりしないものを、諦めないでとことん考えるって結構大事だと思うんですよ。芸術系の人は、自分の頭で考えられると思うんです。ていうかやってると思うんですけれど、アウトプットの方法が自分に向かっているので結局誰かに伝えるためにそれを考えているわけではないんですよね。だから私も理解が追いつかない部分が多いのかなと。

今日は学生さんたちの言葉にできない意図を組むのに体力を使ったのです。

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