本屋になりたい-この島の本を売る(宇田智子)2015年

熟読度★★★★★

2年ぐらい前に読んだ本。改めて読んでみたくて、内容もメモに残すことにした。

内容メモ

・学生時代の本屋でのアルバイト→新刊書店へ新卒で入社→那覇へ異動→前店主から引き継ぐ形で沖縄の市場近くで古本屋を開く。

学生時代の本屋でのアルバイト

・閉店後に棚や平台の整理をしていると、ほっと息がつけました。本を触るうちに気持ちが落ちつき、本屋で働いてよかったと思えました。
・本屋の業務は多岐にわたり、ここでどんなに長く働いてもすべての仕事をこなせるようにはならないだろうと思いました。

就活のときに考えたこと

・すべての業務は、目の前のお客さんに本を売ることに直結しています。ああいうわかりやすい仕事がいいなぁ、と思いました。激務でも。
・(出版社について)世の中にはこんなに本があるのだから、これ以上は必要ないような気がしました。

・「何かしたいと思っている人を、本を売ることで応援したい」という動機で書店を志望。

→古書店をしている今も変わらない思いはあるが、「本があって、人がいるう場所をつくりたい」と思っている。

古書店を始めてからのこと

・もうこれをやるしかないと覚悟を決めてきた人が多い。(古本屋)

・新刊本も一部並べている。(本を通じての人とのやりとり、店の特色を出す、やっぱりきれい、といった点に意味を感じている)

・売り切れても注文すればまた入ってくる。売れれば発行元や著者と一緒に喜べる。新刊書店ではあたりまえだったことが、とてもありがたく感じられました。

・他にも「美ら海おきなわの魚ファイル」という文具も置いている。

・文具は本に比べると利益率が高く、くり返し使われるものなので重宝。

・値段は最後のページにえんぴつで数字を書く。(最近減っている方法)

・一番大事なのはお客さんが本を探しやすく、店を歩きやすいように本を並べることです。・・・本屋の棚は、最終的には本よりも人に合わせて作られていきます。

・古本のお客さんは、新刊書店のように「今日はこの本を買おう」と決めて来ることはめったにない。→表紙見せ、POPも意外と効果がある。

・なかなか売れなくても店に置いておきたい本もある。

・店の情報が載ったしおり、地域の地図などを作成することも。

・本屋が自分から交渉して本以外のものを仕入れることもできる。(花の種など)

・「本は触ると売れる」が鉄則。(ページをめくって風を通す、戻しながら並べ方をかえる、値段を見直す)

・古本屋にはもともと同業者割引の慣習がある。

・毎日同じ場所に行って、同じ時間に店を開ける。一番の基本だが続けるのは大変。

・本屋はどんな人とも一緒に仕事ができる可能性がある。(著者のサイン会、トークイベント、コラム執筆)。店のためだと思うとできそうな気がしてくる。

・沖縄の本屋。バーコードつきの本の隣に、学校の文集のような簡素な本が並んでいて楽しくなる。

古書店、新刊書店、図書館

・新刊書店は古本屋を頼りにしている。(絶版本、非売品など)

・図書館があるから本が読まれるという可能性、図書館があるから出せる本もある。

感想

・いろいろな形で書店で働いてきた方だから説得力がある。

・本を読むことで、仕事がイメージしやすいと思った。体験しないとわからんことも多いやろうけど。

・ちくまプリマー新書というのもあって、中高生にもおすすめできる。

・アルバイトの閉店後、本を触るうちに気持ちが落ちつくというのは、リアルで親近感があった。

・本屋の仕事の魅力が伝わってくる。どんな人とも一緒に仕事ができる可能性がある、という部分とか。


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