スカンポとは?
スカンポとは、何ぞや?
私は、スイバのことをスカンポというと思っていました。
ところが、イタドリのことをスカンポという地方もあるようです。
スイバは、田畑の畦道や河原の土手に生えていることが多い植物です。遠目に見るとほうれん草のような青々とした葉が目立ちます。ロゼット状に広がった葉がもちあがって、やがて花が咲くために茎がすっくと伸びてきます。春から夏にかけての植物です。初夏のころから夏にかけて、赤みを帯びた淡い緑色の花もあれば、赤が強いのもある、、、。エッセイを書くつもりだったら、写真を撮っておいたのに、残念ながら来年の初夏までお預けです。
茎が伸びだしてしばらくは柔らかい。子供のころは野山を駆けめぐって遊びに明け暮れていました。ポケットにお塩のおひねりを忍ばせていました。スイバの茎を手折って塩をつけておやつにしたものです。酸っぱい味がしました。お菓子などほとんどない時代のことです。野いちごとともにいいおやつでした。
まだテレビもありませんでした。言葉も方言で喋っていました。スイバのことをサトガラと呼んでいました。スカンポともいうのを知ったのは、童謡で歌われていたからです。
一方、イタドリは遊びまわっている辺りには生えていませんでした。山村に住んでいたけれど、もっと山奥にイタドリはありました。ワラビやゼンマイ、タケノコなどの山菜を取るのが好きな近所のおばさんが、イタドリも取ってきて茹でて塩漬けにしたのをもらって食卓にのぼっていました。
イタドリが生えているのを見たのは、今住んでいる所に引っ越してからです。山を切り開いて造った住宅街なので、周りは自然に囲まれた素晴らしい場所です。
第二次対戦後、田畑は農地改革により小作制度が廃止されました。ただ同然のような値段で国が買いあげて、小作人に譲渡されて農地改革がGHQによって行われました。中でも首都圏郊外においては、農地を手に入れた人々が、住宅地やマンション用地として土地を売り渡して、農家の減少を招くことになりました。
それでも住宅は不足したので、大手不動産会社が近郊の山を一手に買いあげて、開拓して大住宅街を作りました。山野は、農地改革の時手をつけられなかったので、規制が緩くて住宅街にするのに格好の土地だったのです。
そういう場所に、私は住んでいます。緑地帯や空き地には、野いちごもあれば、ワラビやゼンマイも生えます。イタドリも生えています。
草木染めに使う茜も生えています。野草も挙げたらキリがないほどあります。
ところで、イタドリのことをスカンポという地方があると書きました。
イタドリもスイバも似た感じがするので、スカンポと呼ばれるのでしょうか。
私の育った地方では、スカンポと呼ぶことがなかったのでよくわかりません。
それにしてもスカンポという名のついた歌が、いろいろあります。スイバ? イタドリ? どっちを歌っているでしょう?
私は身近にあるのはスイバなので、スイバのことを歌っているだろうと想像しています。いずれ調べてみましょう。