モメンタム・ホースからアルに転職しました
新卒でジョインして2年ほどお世話になったモメンタム・ホースを脱退し、2020年4月1日付けでアルに入社しました。
モメホ(とよく呼ばれます)では編集者として主にビジネス系のテキストコンテンツをつくる仕事に携わってきました。アルではその知見を活かし、マンガファンの人たちが楽しめるようなコンテンツをつくっていきます。
実は僕、会社員になるのが初めてです。モメホはいわゆるギルド組織で、基本的にメンバーは業務委託で仕事をしています。
僕が加わったときのモメホは法人化もされておらず、モメホ代表の長谷川リョーさんに「弟子入り」したのがファーストキャリアになりました。いま考えると、新卒にしてはなかなか思い切った選択でした。
この機に、これから一緒に働くアルの方々への自己紹介を兼ね、自分のキャリアを振り返ってみます。
2017年6月:大手出版社だけを受けて撃沈し、就職浪人へ
大学時代、授業を真面目に受けるでもなく、学外で特に何かに力を入れるでもなく、だらだらとマンガを読んでいただけの僕には、分不相応な「自分の好きな仕事しかしたくない」という強い意志だけがありました。
自分が怠惰な性格だと分かっていたので、好きな仕事でなければ真面目に取り組めないと考えたんですね。反対に、好きな仕事でさえあればそれなりに努力できる自信がありました。
マンガぐらいしか真剣に取り組めそうなテーマが見つからなかった僕は、大手出版社の選考だけを受け、全落ち。けれど、「もう一回受ければ何とか受かるだろう」と考え、就職浪人を決めました。
なのですが、二年目に僕は出版社の選考を受けるのをやめてしまいました。転機になったのは、漫画家のエージェント会社のコルクさんの選考を受けたことでした。
コルクさんは出版社ではないのですが、代表の佐渡島庸平さんのお話をネットで読んですごく面白くて興味を持ち、「出版社よりも新しい仕事ができて楽しそう」と考えたんですね。
しかし、面接で佐渡島さんから「仕事ができなそう」「集中力がなさそう」「怠惰そう」みたいな指摘を受け(うろ覚えです)、「コルクの規模だとしっかり面倒を見切れなさそうだから」と入社を断られてしまいました。
結構ショックを受けつつも、まったくその通りなので、「しっかり人を見ていて流石だなぁ」と思いました。なかなか清々しい気持ちで神宮前を歩いて帰った記憶があります。
2018年5月:長谷川リョーさんに会いにいき、その場で弟子入り
佐渡島さんとの面接を通して、自分には「とにかくマンガに関わりたい」という思いしかなく、仕事をすることへの理解や企業に提供できる価値を持たないことに気づきました(遅すぎる)。
なので、「ビジネス記事を書くライターや編集者のインターンをしたりすれば、いろんな仕事について学べていいんじゃないか?」と考えました。
それに、「インターンで編集の仕事をやっていました」と言えた方が、出版社の選考で有利だろうなと。そんなときに以下の記事を読み、長谷川リョーさんの存在を知りました。
「この長谷川リョーさんという人は、まだ20代後半なのにすごい実績をつくっていてすごいな」と思いました。当時はリョーさんが編集協力した『10年後の仕事図鑑』がめちゃくちゃ売れていた時期でした。
この記事では、リョーさんが兄弟子のオバラミツフミさんを弟子にしたときの話が書かれていました。オバラさんはいきなり「休学してきました。僕の時間をすべて捧げます」みたいな連絡をしたそうです。
記事中で明言はされていなかったのですが、リョーさん的に「この記事を読んで、同じようなやり方で応募してくるような気合いのあるやつを採用したい」みたいな下心があるのでは?と考えました。
そこでTwitter経由でリョーさんに「弟子入りさせてください」とDMを送ってみたのですが、数日間、反応がなかったんですよね。後で聞いた話では、たくさん応募が来ていて精査中だったそうです。
なので、「このまま待っていても返事はこなさそう」と考え、リョーさんが参加していると予測されるイベントに飛び込みで参加してみました。するとたまたま会うことができ、その場で弟子にしてくださいました。
オバラさんを真似して、「まずは一年、自分の時間を全部捧げます」みたいなことを伝えたような覚えがあります。リョーさんは役に立てるスキルを何も持たない僕の行動力だけを買ってくださり、挑戦の機会をくれました。
なのですが、僕はあまりにも仕事ができなすぎて、死ぬほど迷惑をかけてばかりでした。最初の頃は、一本の記事を書き切るだけに3週間くらいかけちゃったりして、モメホの人々を絶望させたりしました(笑えん)。
それでも「やらせてください」と食い下がると、新しい仕事を任せてくれました。本当に死ぬほど感謝です。
ライティングどころかインターンも未経験だった僕は、主にWeb記事の執筆を通じて仕事を教わっていきました。半年経つ頃には書籍の執筆にも挑戦させてもらい、一年経つ頃には編集者として他のライターさんの原稿を見させてもらうようになりました。
それまでマンガ以外に興味を持たなかったはずが、始めてみると編集の仕事はとても楽しく、自分を拾ってくれたモメホに貢献できる実力を早くつけたい想いもあり、持てる時間のほぼすべてを仕事に投じていました。
当時tは年に5日も休んでいなかったように記憶しています。
2019年7月:けんすうさんと出会う
そして2019年の夏、モメホにお仕事をお願いしてくださったアル代表のけんすうさんと出会いました。
けんすうさんのことは大学時代からTwitterやメディアを通じて存じ上げていましたし、念願のマンガに関わるお仕事なこともあり、とてもテンションが上がった覚えがあります。
それまで仕事漬けでほとんどマンガに触れていなかったんですが、アルの仕事を通じてマンガを読むようになると、やっぱりものすごく好きだなぁと改めて思いました。
そして2019年末、仕事のし過ぎで一度倒れ、長めのお休みをいただきました。このときは、クライアントやパートナーの方々に大変なご迷惑をおかけし、とても申し訳なく思っています。本当にすみませんでした。
仕事から離れると、自分がこれから何をしていきたいのか、ゆっくり考える余裕が生まれました。
このままビジネスの領域でテキストコンテンツをつくる仕事を続けると、どういう未来が待っているのか。世間では動画や音声のコンテンツが盛り上がっているなか、あえてテキストをつくり続ける利点は何なのか。毎日のように考えていたんですが、どうにも答えが出ませんでした。
そんなとき、モメホと一緒にFastGrowのコンテンツ制作をしているinquire代表のモリジュンヤさんに悩みを話すと、「テキストは手段だから、あくまで自分が何をやりたいかが大事」と助言をいただきました。
「だったら、マンガの仕事がしたい」と、改めて強く思いました。それも、スタートアップ的な環境で働ければ最高だなと。真っ先にアルが浮かびました。
2020年3月:アルに内定
そして、兄弟子であるオバラさん、小池真幸さんの二人に背中を押され、けんすうさんにFBでメッセを送りました。
すぐにZoomでお話しする時間を設けてくださり、その翌々日には取締役の和田修一さん、遠山晃さんとランチをし、メッセを送ってからわずか6日後には内定をいただきました。
流石スタートアップというか、ものすごいスピード感で驚きました。
それと同時に、自分のような未熟な人間をチームに入れてくれることを、本当にありがたく思いました。コロナウィルスやリセッションの影響で大変な今ならなおさらです。
僕にできることといえば、少し読みやすい文章を書けることくらいです。にもかかわらず仲間に入れてくださった理由の一つとして、僕がまだ若いことがあると捉えています。
将来性を見越して採用してもらえたのだろうから、今の自分にできる仕事を全力でやりつつ、とにかく最短距離で成長するための行動を積み重ね、結果を出していきたいです。
組織の規模が大きくないスタートアップだからこそ、自分の行動一つひとつが企業の成長に大きく関わってきます。それに、投資家の方々が積み上げた信用で集めてきたお金がアルの資金になり、そこから自分の給料が支払われると思うと、とても背筋が正されます。
そういった心持ちを常に忘れず、仕事に向き合っていく所存です。
編集者として、アルで何をするのか?
実は僕がアルでどのような仕事をしていくのか、まだはっきりと決まっていません。というのも、アルとして編集者の採用は初めてなのだそうです。
ざっくりですが、直近では僕が学んできた編集/執筆のスキルを使い、取材を通してマンガ業界のあらゆる人々と関係をつくっていく仕事をやります。要は、ひたすらマンガ業界の方たちに話を聞き、記事を書きまくります。
自分がやるべき仕事の輪郭は次第にはっきりしてくると思いますし、少しずつ仕事の幅を広げていくつもりです。というか、アルの成長に合わせて広げていかざるを得ない、が正確でしょうか。
周りの優秀な方々に振り落とされないよう、必死に食らいついていきたいと思います。
新しいことに挑戦するので、最初はめっちゃしんどいんだろうなぁと思っています。僕は何事においてもスタートダッシュが速いほうではないです。基本的に要領も悪いですし、誇れるようなものは特に持ち合わせていません。
ですが、粘り強さだけはそこそこあると自負しています。「何があっても最後まで立ってたもん勝ち」っていうのは、マジでそうだと思います。泥臭かろうが何だろうが、とにかくやります。
それに、僕の人生を豊かにしてくれたマンガ業界の人々に少しでも恩返しができると思うと、何があっても頑張れる気がします。
コロナの影響により入社即リモート勤務ですが(ウケる)、アルの方々とはマンガという共通のコミュニケーションツールの存在があるからか、不安はそこまで感じていません。
それを差し置いても、アルの皆さんはSlackでの雑談などとてもしやすい上、僕が早く馴染めるような工夫をたくさんしてくれて、すでに居心地の良さを感じています。
これからどんな日々が待っているのか、心から楽しみです。という感じで今回はそろそろ筆を置きます。
謝辞
これまでモメホでのお仕事を通じてお世話になった皆さま、本当にありがとうございました!僕が未熟なばかりにたくさんご迷惑をおかけしてしまい、すみません。
近い業界なので、またどこかでお会いするかもしれません。そのときは何卒よろしくお願いします。
最後に改めて、不出来な僕を諦めずに育てる意思決定をしてくれた長谷川リョーさん、兄弟子として面倒を見てくれたオバラミツフミさん、小池真幸さんをはじめモメホの皆さま、マジのガチでありがとうございました!
コロナが収束し次第、またすぐ会いましょう。それでは。