ここがだめなら新天体へ【オキテカクヒビ_008】
『オキテカクヒビ』は、オキテカクが触れたコンテンツについて、1,000文字程度で書き綴る記事シリーズである。毎日21時更新予定。
水曜日なので曲紹介。本日紹介するのは、昨年末に公開されたこの曲。
ルンルン『新天体』
Vtuberであり謎のいきものでもあるルンルンが発表した本楽曲。
楽曲を語る前に、ルンルンのことにも触れておきたい。
とにかく可愛らしい見た目と、それを裏切らない愛らしい声色や仕草、そして言葉の端々から窺える思慮深さは、無数の誰かの支えでありたいという明確な目的意識を窺わせる。それを象徴するような言葉がある。
当該動画は埋め込み許可されていなかったため、タイトルを引用する。
自身の収益化が決まった際の言葉である。誰かから評価、あるいは好意として収益を受け取る際に、その相手を、更には相手の生活を思ってこの言葉を選べることに、好感を強く抱いた。以来、配信のアーカイブを見るようになった。
配信を楽しむようになってから暫く経ち、『新天体』が発表された。
その可愛さからは意外と感じられる軽快なイントロから披露されるリリックが、『バタフライダンシング半径1メーター 撹乱アイムインベーダー』である。もうこのフレーズだけでもかなり格好良い。それでいて『アイムインベーダー』という自らを異星人だと名乗るフレーズから続くのは、自らの孤独、そして周囲に馴染めない哀愁である。
配信を全て追っているわけではないので、ルンルン自身がそれらの感情をどう抱いているのか、その背景までは十分に把握していない。しかし、こうして楽曲という形でルンルンは自身の、或いは誰かが抱える孤独を赦しながら生きていけることを優しく歌い上げている。
生きていながら『ここ』から抜け出すのは、実際問題難しい。それでも、ルンルンが『新天体』を、『ここ』ではない場所があると歌ってくれるなら、どこかにあると信じてみようと思う。
余談にはなるけれど、ルンルンの他楽曲並びにカバーも素晴らしいので、それらも是非聴いてみてほしい。
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