たられば
もし、あの時、ああしていたら、していなければ・・・なんてこと、言ってもしょうがないのだが、時々俺は選ばなかった未来のことを想像してしまうことがある。もし高校生になっても野球を続けていたら?もしかしたら勉強不足で専門学校に行ったのかもしれないし、もしくは就職して社会人選手としての道を選んだのかもしれない。ドラフトで名前を呼ばれるかどうかとかが気になっただろうか。多分そんなレベルにはなれなかっただろうが。
もし、最初から学内のサークルの人脈などあてにせず、ネットでバンドメンバーを募っていたら。今頃アルバイトとライブを繰り返し、インディーズから声かけられてたのだろうか。多分そんな上手くいかないだろうけど。もし、経済学や経営学の世界に触れてなければ、俺は教師を目指していただろうし、多分受験も頑張らなかっただろう。
この「多分」というのが厄介で、「絶対そうなった」とも言い切れない代わりに、「絶対そうはならない」とも言い切れないのがもどかしいのである。大人は俗にこれを「後悔」なんて呼んだりするのだろうが、まだ若い俺にとっては「可能性」として残っているせいで、上手く切り離せないのだ。夢見る少年じゃいられないのに。
今の状況に不満がないといえば嘘になるが、その選択が間違いだったかは時間が経ってみないとわからないのだ。そして、そうやって迷っている間に若さを失う。いつもそうだった。だから今同じになるわけにはいかない。いろんな可能性を拾い集めることを、まだ辞める時期ではない。と信じたい。