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牛泥棒

amazon prime video で「牛泥棒」という1943年に公開されたアメリカ映画を観た

主人公の俳優の名前、どっかで見たことあるな、と思ったら有名な西部劇「荒野の決闘」で主役を演じたヘンリー・フォンダだったのね
カッコいいはずだわ


テンガロンハットが似合うカウボーイたちの活躍する時代
毎年のように牛泥棒の被害が出ていた町にたまたま立ち寄った主人公とその相棒
酒場で呑んでいると、牧場主が牛泥棒に遭い知り合いが殺害されたところを目撃した人物が飛び込んでくる
保安官不在の中、酒場にいた男たちは怒りにかられて夜中に犯人探しに乗り出す
すると、ちょうど牛を連れた3人組を発見するのだが・・・


なんかねー、観終わってちょっとスカッとすると同時に

ああ、もう、情けもへったくれもねえな
もっとなんとかできなかったのかよ、、、

って非常にモヤモヤした氣分になった

※こっから完全ネタバレなので嫌な人はそっと離れてね※










牛泥棒の容疑者扱いされた3人が状況証拠だけで犯人に仕立て上げられていく過程が描かれているんだけど

今の時代は監視カメラやスマホカメラを片手にたくさんの人が何かあれば動画や写真で証拠を残すから
もし事件が起きたらある程度信ぴょう性がある証拠をもとに犯人探しもできる感じじゃん?

でもさ、西部劇の時代なんて目撃者の証言や状況証拠がそろったら、もうそれだけで犯人確定なわけ

本来なら法に則り、容疑者は裁判を受ける権利もあれば保安官たちが調査をする義務があるんだけど
劇中の男たちは怒りで我を忘れて事態を客観視できなくなってるし、またやっかいなことに
息子に手柄を立てさせて立派な男にしようともくろむリーダー格の軍人の思惑が絡んで
主人公含め最後まで反対する少数派の意見は聞き入れられず
結局、多数決で私刑が実行されてしまう

私刑実行が決まった時、ドキドキハラハラしながら、きっと保安官がやってきて直前に「やめろー!」ってなって「あーよかったね」っていう結末かと思ってたら見事に違った

私刑が実行された直後に保安官が駆け付け、牧場主は生きていて真犯人は捕まったことを告げるんだよな


あーあ・・・


無実の罪で実質的に殺された3人の一人が残された家族に手紙を残すのね
その中に「俺はじきに死ぬが彼らは一生罪を背負う」って自分を死に追いやった連中のことを哀れんだ言葉があってさ

なんかね

とても、いたたまれなくなった


集団心理て怖いなー、感情的になると冷静な判断って難しいよなー
ってことと


人は自分が信じたいように物事を解釈する
しかし、それが必ずしも正しいとは限らない


そんなことを感じた映画ですた


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