19回目のクリスマスの約束

19回目と知り驚いた。
そんなに続いていたんだ、この特番。
オフコースが好きだった私は、滅多にテレビに出ない小田和正が出るというので、たまたま1回目からずっと、この番組を見ている。

この番組に出るとアーティストは皆、お行儀良くなるから、おかしい。
不思議な緊張感がある。
年齢も声の質も歌い方も全く違う、個性の強いアーティストたちが小田和正と一緒に歌い綺麗なハーモニーが完成されて、これが小田マジックなのかなと思う。

こんなに長く続く番組になるなんて。
1回目の「クリスマスの約束」は、どんな歌番組なのだろう?と、思いながら見ていたのを思い出す。

多分、小田和正がオファーしたアーティストたちとコラボして歌う、そんな歌番組を予定していたと思う。それなのに、オファーは全て断られ、オファーしたアーティストのヒット曲を小田和正がたった1人で歌い上げた。
・・・これで番組が成り立っているのか?
過去に自身も他のアーティストからのオファーを断っていたから、そういう状況は理解できるというように、断ったアーティストの一人ひとりに敬意をはらって淡々と話していたのが印象的だった。

メイキングでスタッフとの深刻なやり取りも映し出されて、
これは1回で終わりだな、と思った。
それなのに2回目、3回目と続き録画して毎年見た。

アーティストが少しずつ出るようになって。。。

最も感動したのは、昔好きだったオフコースの小田和正と、その当時好きだっMr.Childrenの桜井和寿のコラボだった。

メイキングでは最初の打ち合わせから、意見がすれ違う小田和正と桜井和寿の様子に、画面を通して緊張感が伝わってきて見ている方もハラハラした。

La La La…と、歌い始める桜井和寿の声に鳥肌たったなぁ。まさか、この「言葉にできない」を桜井和寿の声で聴けるとは。
しかし、最初のフレーズだけで、静かに「タガタメ」に切り替わる。「♪ディカプリオの出世作なら さっき録画しておいたから ♪」
話が逸れるが、ディカプリオの出世作とは?何をさしているのかずっと気になっていたのだわ。
私の予想は、「ギルバート・グレイプ」だけど、もしかしたら「ボーイズ・ライフ」かもしれない。

話を戻そう。「タガタメ」は重い歌詞なので、それまであまり好きではなかったのだけれど、この番組で小田和正と桜井和寿が一緒に歌った「タガタメ」を聴いてから好きな1曲になった。

そして、何回目か覚えていないけれど中居正広がやってきた回もあった。
異色な組み合わせだ。
本人たちも自覚していたようで苦笑い。

「スマップには、もっと歌の上手い人がいるんですよ、、、」と、中居正広がとても恐縮しながら言っていたような。

その時に歌ったのは、「夜空ノムコウ」である。また、ハラハラする。中居正広が歌が下手だというのは有名なことで、観客も心配そうに見守っている中で歌い始めた。
あれ? なんだ、ちゃんと歌えばそれなりに上手いではないか。
いや、上手いとは言えなかったけれど小田和正のギターにのせて一生懸命に歌う、いつもと全く違う中居正広のその真摯な姿にやっぱり感動したのだった。

あの貴重な映像。録画したから探せばどこかにディスクがあるはずなのだが映るだろうか。YouTubeで検索したら出てくるかもしれない。

ゲストも安定してきた最近の「クリスマスの約束」にもうハラハラ感はないし、もうオフコースも知らない若い世代のアーティストたちは、小田和正と並んでも堂々としていて皆歌も上手い。JUJUでさえ、初めてこの番組に出た時は緊張していたのに。それでも、小田和正と一緒に歌う魅力に取りつかれてしまったのか毎年出ている。

小田和正の顔がUPに映し出される画面を見る都度に、ああ、おじいちゃんになって、と思う私だった。

小田和正というより、オフコースが好きだったのだ。

冬と夏の間に秋をおきました
だから秋は少しだけ中途半端なんです

こんな歌詞の歌を昔は歌っていたのですよ。

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