ついつい頑張りすぎちゃうあなたへ
今日ふと家庭教師をしていた生徒のことを思い出しました。
その子は小学6年生から受験を目指して塾に通い始めた子でした。
今は4年生くらいから塾に通っている子も多いので、周りと比べると遅い方だったと思います。
たまたまご縁があって家庭教師を担当させてもらうことになりました。
初めは塾のスピードに追いつくのも大変で、「私はまだ習っていないから出来なくて当然」という気持ちが強かったように思います。
夏の初めの頃も、「私は一人では解けないもん」と思っている様子で、このままではいけないなぁと感じていました。
「じゃあ受験の時、この問題は解けないまま空欄で出す?」と聞きました。
おそらく彼女も受験当日は自分の力で一人で解かなければならないことは奥底では分かっていたのでしょう。
それからすぐに積極的になり、できるところまではやってやるという意識を感じるようになりました。
子どもって本当に成長スピードが速いなぁと感心しました。
それから秋になって、受験が迫ってきたことと自分が不足している部分が浮き彫りになってきたことで、彼女の頑張りたいという気持ちが大きくなっていたようです。
同時に、プレテストや模試などのテストも多く実施され、知らぬ間に精神的に疲れが溜まっていたようです。
普段は2コマ授業をしていたのですが、彼女のお母さんと授業の日程調整をしていた時に、模試の日は2コマはしんどいかもしれないから彼女とよく相談して時間を決めてくださいと言いました。
お母さんからは今娘は頑張りたい様子だから2コマで良いという返事が返ってきました。
当日お家に伺うと、彼女はナチュラルハイ状態で、時々よくわからないタイミングでケタケタ笑ったりしていました。
でも説明はしっかり聞いていて、頑張ろうという気持ちはあったようです。
これはまずいと思い、1コマ終わった後にお母さんにも来ていただき、3人で2コマ目について相談しました。
彼女は手を抜くことを知らないから、ついつい頑張っちゃうから、もう1コマしてしまうと彼女がふらふらになってしまいそうだと思ったからです。
「今日は疲れてそうだしやめておいた方がいいんじゃない?」と言うと、彼女は涙目になっていました。
私も彼女を見て少し泣きそうになってしまいました。
私もチームスポーツをしていた時に、自分が休むと練習が出来なくなってしまう(補欠という概念が基本的にないスポーツでした)と思うと、熱があっても休むと言えなかったことを思い出しました。
それで無理して結局2日くらい寝込んでしまい、体調管理も練習の一要素だと先輩から教わりました。
自分は頑張りたくても、体がついてこないという理由で休むとか辞めるとか言うのは、すごく難しいのです。
すごく悔しくてすごく苦しくなるのです。
「やめとく?」と聞いてから、なかなか返事は返ってきませんでした。
それは「やめとく」とは言いたくないけど、体は悲鳴をあげている証拠だったと思います。
「やめとこうか」と私が言うと、彼女はすぐお母さんに「この1コマ振り替えてもらっても良い?」と聞いていました。
彼女の心の中の葛藤と、葛藤するほど受験に対して向き合うようになったことに心打たれました。
しんどい時にもうちょっとだけ踏ん張る力が必要な時もあります。
だけど、体がどうしても無理だと言っているなら、体を休めてあげなくてはなりません。
心が体に負けてはいけないとか、体が心に負けてはいけないなんてことはありません。
心も体も大切にしてあげたいです。
それは自分を大切にすることですので。
「あぁ、ちょうどこのくらいの季節だったか」と不意に思い出した1日の出来事でしたが、今でも覚えています。
彼女から大切なことを教わりました。
人との出会いには日々感謝ですね。