新型コロナウイルスはキナーゼCK2を誘って感染細胞に触手様の突起を生やす
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染細胞は図の如く無数の触手様の突起・糸状仮足を生やし、それらが恐らく近隣細胞に穴を開けてウイルス粒子(図の青)をばらまく。SARS-CoV-2は細胞のキナーゼCK2を手下にして共謀させて突起を作るらしく、CK2阻害剤は抗ウイルス活性あり。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した培養細胞は触手のような無数の突起・糸状仮足を生やし、それらの突起がおそらく近くの細胞に穴を開けてウイルス粒子をばらまくようです(1)(2)(3)。
突起には細胞のキナーゼCK2とSARS-CoV-2のN蛋白質が共存しており、どうやらSARS-CoV-2はCK2を抱き込んで手下として共謀させて突起を生やして近接細胞に穴をあけます。
CK2の他にp38, CDK, AXL PIKFYVEキナーゼもSARS-CoV-2にいいように操られると示唆され、それらの阻害剤は抗ウイルス活性を担うと分かりました。具体的には、silmitasertib(CK2阻害剤), gilteritinib(AXL阻害剤), MAPK13-IN-1(p38阻害剤), SB203580(p38阻害剤), Ralimetinib(p38阻害剤), apilimod(PIKFYVE阻害剤), dinaciclib(CDK阻害剤)の抗ウイルス活性が確認されています。
今回の研究での感染後のリン酸化変化の解析はアフリカミドリザルの培養細胞(Vero E6細胞)が使われました。なぜVero E6細胞が使われたかというとSARS-CoV-2がたやすく感染するからです。
薬のSARS-CoV-2阻害効果はVero E6細胞に加えてヒト細胞でも調べられ、効果は概ね一致していました。
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