HAKUNA自主企画沖ママカーニバル2023を振り返って

2023年8月18日(金)
午後3時~午後5時
再演・沖ママカーニバル

同日
午後6時~午後9時
新・沖ママカーニバル

以上の日程にて開催した沖ママカーニバル2023。この自主企画は自身のHAKUNAでの台本師としての活動の集大成でもあった。2022年3月、配信アプリHAKUNAでの台本師としての活動を始めた時には、想像もしていなかった事だろう。

企画開催に向けて、想定20分の4人劇台本を6本書く。この様な事は私自身、未経験だった。
この経験を振り返るべく、そして沖ママカーニバルの全容と解説をここに記すべく、今回筆を取るに至ったのである。

台本師として唯一無二の物語を届けたい

これが沖ママカーニバルの原点であり、コンセプトである。1番にこだわっている事は、

 ラジオドラマでは無く、声劇であること


である。
沖ママカーニバルに関しては、企画本番中のBGM、SEの使用は無し。(机を叩く、ノックする等のその場で演者が行うものはOKとする。)これにある意味こだわりを持って臨んでいる。

また、配信アプリHAKUNAでは枠主の他に3名のゲスト(コラボ)枠があり、最大で4人が同時に会話が出来る。(2023年8月現在)
これを利用し、枠主、ゲスト含め4人の声劇を可能としている。

さて、物語のあらすじと解説だが、まずは
再演・沖ママカーニバル第1幕から。

第1幕 『生きる希望のない世界』
登場人物である樹、真人、京香、奈美は同じ会社に務めている。樹は京香と交際しており同居中。結婚まで秒読み段階である。その樹が全身全霊を込めて作っているもの。それこそが『世界滅亡プログラム』であり、全ての物語の出発点なのである。この世界滅亡プログラムを開発するにあたり、『守るべき存在』が在る事にも触れている。
この第1幕で樹は謎の死を遂げる。この樹の死には真人が関わっているのだが、樹の死を知った京香は錯乱し、世界滅亡プログラムを強制起動させる。このままでは世界は滅亡すると思い真人と奈美は地下へ向かい時空を超え、過去へ向かうのである。

第2幕 『過去から現在(いま)へ』
第1幕で過去に飛んだ真人と奈美。しかし飛んだのは魂のみ。その魂は、神の子の一族として暮らすマサトとナミの肉体へと憑依した。
神の子の一族が暮らす里には伝承が伝えられており、その伝承とは

世界に災いを成すものが現れた時、世界を救わんとする者もまた現れる。我ら神の子の一族はどちらに付く事無く、ただ世界を見届けよ。さすれば世界は自ら調律を行い、その歪みを正すであろう。

というのもであった。
神の子の一族である占い師より、この世界の現状を聞いた真人と奈美。占い師から聞いたはなしでは、既に世界は崩壊しているという。
それを知った真人と奈美は元の世界へと帰って行く。

第3幕 『生き残りし者たち』
崩壊した世界に生きる、カンナギ、タマユラ、サツキ、ミコトの4人は生き残りを探していた。これは第2幕での神の子の一族で語られた、崩壊した世界に生きる人々の話。4人が訪れたプラントで、食事の痕跡を発見し、生き残った人類への希望を見出すのである。

第4幕 『女たちの戦い』
前線で戦う男たちを待つ傍らで、必死に生きる女たちがいた。そんな女たちの話。決して前線に出ることは無いが、各々に役割があり、各々が役割を果たす。戦時中の女たちの物語である。

幕間(まくあい)  『人の子と神と』
神に仕え神を敬う神官の、懺悔の物語であり、無力な神官の懺悔を聞く神。神は神官の懺悔をどう受け止め、導くのか。神官と神の物語である。
第4幕であった戦時中のある場所、ある街での物語である。

第5幕 『未来へ』今を生きるあなたへ
登場人物は樹、京香、真人、奈美の4人。第1幕で死んだ樹、第2幕で過去に飛んだ真人と奈美。第5幕では真人と奈美が現在へ帰って来た所から物語が始まる。そして真人に届くメッセージ。それは死んだはずの樹からのもの。樹は生前、残された3人へのメッセージを残していたのだ。世界滅亡プログラムの発動、そして起こりうる惨劇を予測し、ひとりでその責任を取る樹。世界の再生と復興を託された3人。京香を筆頭に、3人で世界を救う救世主となるべく、立ち上がるのだった。

ここで再演・沖ママカーニバルは終わりとなる。
そして物語は新・沖ママカーニバルへと繋がって行く。

第1幕 『夏祭り』
大学生である次郎、颯太、奏、絵里の4人は出身地である田舎に帰省していた。4人は高校時代の学友であり、帰省している最中でのグループ通話から物語は始まる。
せっかくの夏休み。夏祭りがあるからと思い出の『あの神社』で待ち合わせをし、夏祭りへと向かう。次郎は奏と幼なじみで奏は次郎を想っていた。しかし絵里もまた次郎を想っていたのである。颯太は奏を想い、次郎は何も知らないまま物語は進んで行く。

第2幕 『異変』
プラントアカデミーを卒業した正太郎、孝宏、凛、優子の4人。プラントでの生活をし、学業を通してかねてよりの疑問であった、この世界についての調査という冒険の旅へ出る。旅の途中でサンドストームに襲われ、避難する4人。サンドストームが過ぎ去った後に見つけたのは1つの廃棄プラントだった。廃棄プラントの調査に乗り出す4人。廃棄されたプラントには地下があり、その地下施設は生きていた。そしてそこであるものを発見する。それが『世界滅亡プログラム』である。

第3幕 『消えたボクら』
田舎の自治会メンバーである直哉、正道、加奈子、紗希の4人。自治会として運営している夏祭りの自治会待機所での会話から物語は始まる。田舎でどのように生きるか、都会に憧れを持ちながらも田舎でいかにして生きていくかを語り、4人はお祭りへと繰り出す。その会場で学友であった次郎、颯太、奏、絵里の4人を見つけるが、花火の始まりに気を取られ、一瞬目を離した隙に4人は消えていた。そう、まるで『神隠し』にあったかのように。

第4幕 『世界滅亡プログラム』
再演・沖ママカーニバルの第1幕、第5幕に登場した樹、真人、京香、奈美の始まりの物語。4人が、樹がどのようにして『世界滅亡プログラム』を作る事になったのか。全ての始まりの原点の物語なのである。

第5幕 『地球最後の日』
第3幕で『神隠し』にあった次郎、颯太、奏、絵里の4人は世界が終焉を迎えると信じている世界に居た。人は生まれながらにして何かしらの能力を持っている。奏は幼い頃からの記憶を辿り、颯太は次郎が在るハズの無い神社の存在を知り、次郎の能力に気付く。次郎の類まれなる能力、この世の理(ことわり)を繋ぎ変えるもの。小さな頃より繋ぎ変えてきた世界の理(ことわり)の反動による世界を調律しようとする強制力。これにより世界は30日後に終わる。この世界の終わりより救う手立てはあるのか、絶望的とも思える状況の中、次郎は絵里と、颯太は奏と結ばれる。(結婚はしていない)
そうして幾日か過ぎた頃、次郎は『斑鳩(いかるが)の里』より呼ばれているとし、その場所は『始祖(しそ)の民』が居たとされる場所である。この場所は遺跡として遺されており、4人は調査へと向かう。遺跡内部の調査中に突然地震に襲われ、地面は割れ、足場が崩れる。そして4人がこの後どうなったのか、誰も知らない。台本はここで終わるが、世界が終わる世界で4人は世界の最後を見届けてはいない。
物語の途中で颯太は次郎に対し『やっぱりまた来ることになったと言っていた。』としている。この世の理(ことわり)を繋ぎ変えた世界で、世界の終わりをさせたことで4人は、もともと居た世界へ帰るのである。帰る場所とは、そう。『あの神社』なのだ。

第6幕 『終わりは始まり』
第2幕で世界滅亡プログラムを発見した正太郎、孝宏、凛、優子の4人は『Re:零(リ・ゼロ)プログラム』の存在を発見する。この『Re:零(リ・ゼロ)プログラム』は世界滅亡プログラムを補完し、歴史改変を行う事を目的としていた。再演・沖ママカーニバルで語られた世界滅亡プログラムを作った樹、そして未来の再生と復興を託された京香をはじめとする真人、奈美の2人。樹は京香や真人、奈美を想い、京香、真人、奈美は樹を想い、プログラムを完成させた。歴史改変を行えば、樹の作った世界滅亡プログラムは無かった事になる。世界をにぶんする大戦により世界は滅亡したのだと歴史は書き換わる。それに気付いた優子はプラントネットワークへ侵入し、全てを公表。歴史改変を阻止する事に成功する。そして最後に、世界滅亡プログラムのキーワードを聞かれた優子は『I(あい)』であると答える。たった一人で世界滅亡の責任を背負おうとした樹、世界の再生と復興を託された京香、真人、奈美。そして今を生きる『自分』その全ては『I(あい)』である。として物語は終わる。


これが、再演・沖ママカーニバルと新・沖ママカーニバルの全ての繋がりであり、物語である。

全ての物語を一度に行おうとした場合、およそ200分(3時間20分)が必要となる。
我ながら、馬鹿げた物語を声劇で行ったものだと今更ながらにして痛感している。

そして、このあらすじ、解説についても読まれる保証など、どこにも無いのだ。
最後まで読んでいただいた稀有な存在のあなたへ。


ありがとう。




2023年8月20日  沖ママ著

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