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最後に手紙を

ふと、私の目に留まったもの。
何気ない日常の中にあって忘れていた遠い記憶。
人はそれを思い出と言うのだろうか。
泣き出しそうになるのを堪えながら急いで
帰路を急ぐ。すれ違う人が不審な目で見てくるが
気にしてはいられない。

「早く帰ろう。」

やっと見つけた居場所だった。
座り込んでいた私に差しのべられたその手は
大きく、語りかけてくれたその声も、
よく見ると広い背中も、大人びたしゃべり方も、
みんな、みんな大好きだったのに。

狭い部屋に帰り着くと、私はベッドに体を
投げ出す。泣き顔を誰にみられる訳ではないが
うつ伏せのまま。

どのくらいそうしていたのか、
泣きながら眠ってしまったらしい。

深夜3時。

私は部屋の片隅にある本棚にあるものを
思い出した。この想いを、私のこの想いを
ぶつける先は1つしかない。

便箋。書いてないな、手紙。
この手紙を書いて終わりにしよう。

短い手紙を書こう。
出会う前の私たちに。。。

『出会わなければ良かったなんて思ったことなかったよ。
振り返って見れば、小さな勇気が私に運んでくれたプレゼントだったのかな。
君に近付けば近付くほど君の優しさがハッキリ見えたね。
君を取り巻く世界の全てがキラキラ光って見えたんだ。
世界一幸せだよってちゃんと伝えれば良かったのかな。』

『だから恋の行方気にしないで、愛して、、、。
終わった恋がこんなに大事に感じたこと無かったよ。

だから恋の行方気にしないで、、、
愛して、愛して。

愛していいんだよ。。。』

アルバム #Acceleration より
収録曲 #最後に手紙を
#風遊

思い付きで書いてみました。
歌の歌詞からイメージを広げて
ちょっとしたストーリーに。

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