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2人声劇 想定3分『愛の値段』

登場人物
愛斗(まなと)
愛美(まなみ)

《街》

愛美
「お兄さん、お兄さん。私の愛、買いませんか?今なら安くしとくよ!」

《無音》

愛斗
『お姉さん。ねぇ、お姉さんってば。俺の愛売りますよ。買ってもらえませ……。はぁ、ダメか。』

愛美
「何で誰も買わないのよ!」

愛斗
「愛ってなかなか売れないんだなぁ。」

愛美
「あっ、お兄さん!私の愛……。」

愛斗
『お姉さん!お願い!俺の愛……。』

《ここからテンポよく》

愛美
「貴方も愛を売ってるの?」

愛斗
『お姉さんこそ!』

愛美
「私が貴方の愛を買ったらさ。」

愛斗
『俺の愛を買ってくれる?』

愛美
「交渉成立ね。」

愛斗
『やっと売れたぁぁぁぁ!』

愛美
「ホント、この国の法律どうなってんのかしら。」

愛斗
『そうそう、名前に愛が付いてたら愛を売らなきゃいけないなんて馬鹿げてる!』

愛美
「そうよ!で、貴方、名前は?」

愛斗
『俺は愛斗(まなと)。お姉さんは?』

愛美
「私は愛美(まなみ)。え!?1文字違いじゃない!?」

愛斗
『あはは!凄い偶然だね!あ~、売れたからどうしようか。実は愛、売れたの初めてでさ。今年中に売れないと収容所行きだったから助かったよ。』

愛美
「私も同じ。今年中に売れなかったら収容所送りだったわ。あー!良かったー!」

愛斗
『ホントさ、勝手に名前決められちゃうんだもん、困っちゃうよね。』

愛美
「ホントそれよ!誰が勝手に名前決めてんのか知らないけど、頭おかしいんじゃないの!?」

愛斗
『売買成立を報告しなくちゃ……っと。ここからだと……あぁ、ここだ。ここのコンビニが1番近い。』

愛美
「さっさと行きましょ!」

《コンビニにて報告終わり3年後》
《出足 普通》

愛斗
『なぁ、俺たちさ……終わりにしないか?』

愛美
「え?何で!?」

愛斗
『どうせ愛を売買しただけの仲なんだ。よく3年も持ったと思うよ。』

愛美
「そりゃそうだけどさ。3年もいれば情だって……。」

《ここから早く》

愛斗
『んな事は分かってる!でもな、3年の間、売買が成立してりゃ、あと10年は自由なんだ!』

愛美
「まさか、最初からそれが目的!?」

愛斗
『悪いか!?俺はな、ずっと苦しめられてきた。この名前のせいで。ずっと苦しんできたんだ!』

愛美
「だからって終わりにしなくても!」

愛斗
『ケジメだよ。それに……。』

愛美
「まさか!?復讐しようとか考えて無いでしょうね!?」

愛斗
『復讐!?あはは!そんな生ぬるいもんじゃない!俺は革命を起こす!』

愛美
「革命だなんて!やめときなよ!」

愛斗
『それにはお前が邪魔なんだよ。これから先の10年はその為に使う。』

愛美
「これで、お別れなんだね?」

愛斗
『あぁ。ありがとな。』

愛美
「じゃあね、バイバイ。」

愛斗
『10年後に迎えに来る!だから待ってろ!』

愛美
「誰が待つもんか!早く行け!馬鹿!」

《一人語り》

愛斗
『愛なんて本来、売買するもんじゃねぇんだ。』

愛美
「どんな愛でも、愛は愛よ。」

終わり

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